本記事では、iPadの購入を検討されている方に向けて「iPadのセルラーモデルとは?」「Wi-Fiモデルとの違いは?」というところについて解説しています。
- この記事で分かること
-
- iPadのセルラーモデルとは?
- セルラーモデルとWi-Fiモデルの違い
- セルラーモデルのメリット
- セルラーモデルのデメリット
- セルラーモデルがおすすめな人・使い方
iPadを買うとなると高い買いものになります。そうかんたんに買い替えられるものではないですよね。
「やっぱりあっちにしておけばよかった」と後悔しないためにも、セルラーモデルかWi-Fiモデルかの選択は慎重に行う必要があります。
本記事ではセルラーモデルのメリット・デメリットについて詳しく解説していますので、ぜひiPad購入の際の参考にしていただければと思います。
iPadのセルラーモデルとは?
iPadのセルラーモデルとは、モバイルデータ通信機能を備えたモデルのことです。
現行では以下の6つのiPadモデルが販売されており、それぞれにセルラーモデルとWi-Fiモデルが用意されています。
モバイルデータ通信機能を搭載
iPadのセルラーモデルにはモバイルデータ通信機能が搭載されており、ドコモや格安SIMなどの通信事業者とSIM契約することにより、スマホと同じ感覚で屋外でもネット通信を利用できます。
Wi-Fiモデルの場合、ネット通信するにはWi-Fiまたはスマホのテザリングを利用する必要があります。
しかし、セルラーモデルではiPad本体のみでモバイルデータ通信ができるため、Wi-Fiの有り無しにかかわららず携帯電話の電波が届く範囲なら環境を選ばずにネット通信が可能です。
なお、以下のiPadは4Gに加えて「5Gによるモバイルデータ通信」に対応しています。
- iPad Pro 13インチ(M4)
- iPad Pro 12.9インチ(第5世代以降)
- iPad Pro 11インチ(M2)
- iPad Pro 11インチ(第3世代以降)
- iPad Air 11インチ(M2)
- iPad Air 13インチ(M2)
- iPad Air(第5世代)
- iPad mini(第6世代)
- iPad(第10世代)
モバイルデータ通信に関連して、eSIM(イーシム)に対応するiPadもご紹介しておきます。
- iPad Pro 13インチ(M4)
- iPad Pro 12.9インチ(第3世代以降)
- iPad Pro 11インチ(M2)
- iPad Pro 11インチ(第1世代以降)
- iPad Air 11インチ(M2)
- iPad Air 13インチ(M2)
- iPad Air(第3世代以降)
- iPad mini(第5世代以降)
- iPad(第7世代以降)
※ 2024年5月発売のiPad Pro、iPad AirはeSIMのみで物理SIMカードスロットは搭載されていません。
eSIM(イーシム)とは、デバイス内蔵型のデジタル式SIMのことです。
物理的なカード型SIMとは異なり、eSIMはオンラインでSIM情報の書き換えが可能です。自宅にいながら手間なく、かつ速やかに使い始められるメリットがあります。
GPSを搭載し位置情報を取得できる
iPadのセルラーモデルには、GPS(全地球測位システム)が搭載されています。
地図アプリやナビアプリの使用するときには、GPSによる正確な位置情報が必要です。
GPSはWi-Fiモデルには搭載されておらず、搭載されているのはセルラーモデルのみです。
iPadのセルラーモデルとWi-Fiモデルの違いは?
続いては、セルラーモデルはWi-Fiモデルと何が違うのかをご紹介します。
機能の違い
iPadのセルラーモデルとWi-Fiのモデルの機能的な違いは、
- モバイルデータ通信が可能かどうか。
- GPSが搭載されているか。
この2点のみです。その他の機能的な違いはありません。
価格の違い
セルラーモデルは機能が追加されていることもあり、Wi-Fiモデルよりも高く価格設定されています。
iPadモデル | Wi-Fiモデルの価格 | セルラーモデルの価格 | 価格差 |
---|---|---|---|
iPad (第10世代) | 58,800円 | 84,800円 | ▲ 26,000円 |
iPad mini (第6世代) | 84,800円 | 110,800円 | ▲ 26,000円 |
iPad Air 11インチ (M2) | 98,800円 | 124,800円 | ▲ 26,000円 |
iPad Air 13インチ (M2) | 128,800円 | 154,800円 | ▲ 26,000円 |
iPad Pro 11インチ (M4) | 168,800円 | 204,800円 | ▲ 36,000円 |
iPad Pro 13インチ (M4) | 218,800円 | 254,800円 | ▲ 36,000円 |
※ 税込価格。最小ストレージ容量モデルの価格を参照。 |
Wi-Fiモデルとセルラーモデルの価格差は、iPad Proが36,000円、それ以外が26,000円となっています。
セルラーモデルを運用するにあたっては、維持費(毎月の通信料金)も考慮する必要がありますね。詳しくは記事内の「iPadのセルラーモデルにおすすめの格安SIM」で詳しくご紹介しています。
なお、セルラーモデルを購入したとしても、SIM契約しなければ通信料金は発生しません。当然モバイルデータ通信はできませんが、GPSはネットに接続されていなくても機能します。
デザインの違い
iPadのセルラーモデルには、本体にモバイルデータ通信のための「アンテナライン」が配置されています。
上は筆者が所有するiPad Pro 12.9インチ(第5世代)です。背面から側面にかけて伸びる白い線がアンテナです。背面の上部と上部に1本ずつあります。
Wi-Fiモデルにはこのアンテナラインがありません。
デザイン的にはアンテナラインのないWi-Fiモデルのほうがスッキリしていますね。
と言っても、アンテナラインがiPadの外観・デザインに大きく影響を与えているわけではないですし、私を含めセルラーモデルを所有している方でこれが気になることはほとんどないと思っています。
それに、iPadケースを装着すれば少なくとも背面部分は隠れちゃいますからね。
気にならない方が大半かと思いますが、セルラーモデルとWi-Fiモデルの違いとしてアンテナラインの有無があることをご紹介しておきます。
iPadセルラーモデルのメリット
セルラーモデルとWi-Fiモデルの違いをご紹介したところで、続いては「セルラーモデルのメリット」「何がセルラーモデルを選ぶ理由になるのか」というところについてご紹介します。
環境を選ばずネット通信できる
iPadのセルラーモデルなら、スマホ感覚でiPadを起動すればすぐにネット通信できる状態になります。
自宅や職場など、iPadを決まった場所でのみ使用するならWi-Fiモデルで対応できます。
しかし、屋外や移動中などさまざまな場面でiPadを活用するなら、環境を選ばずネット通信できるセルラーモデルが便利です。
Wi-Fiモデルでもスマホのテザリングを利用すれば屋外でもネット通信できますが、その都度のテザリング接続が必要となります。
スマホのテザリング機能は機種によって仕様が異なりますが、iPhoneのテザリングの場合、90秒ほど通信しない状態が続くか、接続デバイスがスリープするとテザリング接続が自動的にオフとなります。
使い方によっては、何度も何度も再接続する手間があり、これが非常に手間です。iPhoneでテザリングを利用されている方なら、この手間に共感いただけるかと思います。
セルラーモデルなら、その手間はありません。
iPadを手に持ちスリープから復帰させればすぐにネットに繋がる状態となるので便利ですし楽チンです。
iPadの魅力のひとつとして、大画面を起動に持ち出せる機動性の高さがあります。セルラーモデルを選べば、その機動性の高さを最大限に活かせます。
テザリングの親機として使える
iPadのセルラーモデルは、テザリングの親機として使用できます。
上ではiPad Pro 12.9インチのセルラーモデルを親機として、MacBook Air 15インチにテザリング接続しています。
もちろん、MacBookでなくてもゲーム機などWi-Fi接続に対応しているデバイスなら接続可能です。
スマホでテザリングを使用したとき、バッテリー残量がガシガシ減っていきます。スマホよりも大きいバッテリーを搭載するiPadをテザリングの親機として活用すれば、スマホのバッテリーを温存しながらテザリングを使用できるメリットがあります。
位置情報が必要なアプリを使用できる
iPadのセルラーモデルには、正確な位置情報を取得できるGPSが搭載されています。
GPSを搭載しないWi-Fiモデルでも、Wi-Fiもしくはテザリング接続中であれば大まかな位置情報を取得可能です。
しかし、地図アプリやナビアプリを使用するとなると、正確な位置情報を取得できるセルラーモデルがベストです。
地図アプリ・ナビアプリ以外にも、GPSは以下のようなシーンで使用します。
- iPadで撮影した写真や動画の位置情報の記録(ジオタグ)
- 位置情報を使用するゲームアプリ(ポケGOやドラクエウォークなど)
- 「探す」アプリでのiPadの位置確認
iPadで写真をよく撮影する方であれば、写真と一緒に位置情報も記録できます。写真アプリの地図から「どこでどんな写真を撮ったか」を振り返るのは楽しいですよね。
位置情報を使用するアプリは意外と多いです。そういったアプリをiPadで使用したい場合は、GPSを搭載するセルラーモデルがおすすめです。
セルラーモデルを購入しても、SIM契約が必須になるわけではありません。GPSのためにセルラーモデルを選び、SIM契約せずにWi-Fiやテザリングでやりくりする方法もありです。
iPadセルラーモデルのデメリット
続いてはセルラーモデルのデメリットについてまとめました。
本体価格が高い
iPadセルラーモデルは、Wi-Fiモデルよりも本体価格が高くなっており、購入時の金銭的な負担が増えるデメリットがあります。
- iPad Pro : 36,000円アップ
- iPad、iPad mini、iPad Air : 26,000円アップ
特にもっとも価格の安いiPad(第10世代)の場合、58,800円が84,800円にアップするわけですから余計に高く感じられますね。
セルラーモデルを選ぶかどうかは、上記価格差に見合うメリットを感じられるかどうか、というところがポイントになるでしょう。基本的には価格の安いWi-FiモデルでOKでしょう。
モバイルデータ通信するにはSIM契約が必要
iPadのセルラーモデルでモバイルデータ通信するには、ドコモなどのキャリアや格安SIMと契約する必要があります。
毎月のデータ通信料金にいくらかかるかは、その通信キャリアや格安SIMやどれほどモバイルデータ通信するかによりますが、月に0円〜2000円程度のランニングコストがかかります。
SIM契約せずに、Wi-Fi環境がない場合ではテザリングを活用する方法もありますが、それだとセルラーモデルではなくWi-Fiモデルでいい話に。
「毎月のデータ通信料金をかけたくない」という方は、セルラーモデルではなくWi-Fiモデル + テザリングでの運用を検討してみましょう。
ただし、テザリングの使用はスマホのデータ通信量を消費することには注意してください。
ほとんどの方はWi-FiモデルでOK
iPadの購入を検討している方のほとんどは、セルラーモデルではなくWi-Fiモデルのほうがいいと思っています。それは以下の理由からです。
- iPadは自宅や職場などのWi-Fi接続が可能な環境で使われることが多い。
- 屋外でネット通信したい場合でも、スマホのテザリングで対応できる。
- Wi-Fiモデルのほうが価格が安い。
モバイルデータ通信ができないWi-Fiモデルであっても、スマホのテザリングや動画のオフライン再生などを活用すれば困ることはありません。
一時的なネット通信ならスマホのテザリングで必要十分ですし、ホテルや旅館ではフリーWi-Fiが用意されていることが多いですよね。
動画視聴はほとんどのアプリがオフライン再生に対応していますし、電子書籍もオフラインに対応し、事前にダウンロードしておけばネット通信できない状態でも使用できるものが多いですよね。
「基本的には自宅や職場などWi-Fiのある環境でiPadを使用、たまに外に持ち出す」という使い方であれば、セルラーモデルではなくWi-Fiモデルで十分。わざわざ2万円も高いセルラーモデルを選ぶ必要はありません。
なお、フリーWi-Fiを利用する際には「フリーWi-Fiならではの危険性」があることを理解しておきましょう。
- 暗号化されていないフリーWi-Fiを利用しない。
- なりやすましのフリーWi-Fiに気をつける。
- 「https」から始まるWEBサイトのみ閲覧する。
- VPNサービスを利用する。
うっかり悪意のあるWi-Fiに接続してしまうと、通信内容やログイン情報、クレジットカード情報などをのぞき見られてしまう可能性があります。
iPadのセルラーモデルはこんな人・使い方におすすめ
セルラーモデルは、以下のような人・使い方におすすめです。
- 屋外などWi-Fiが利用できない環境で使用することが多い。
- ナビアプリの使用などでGPSが必要。
- スマホのテザリング接続がどうしても面倒に感じる。
- 海外でも利用したい。
つまり、スマホと同じ感覚でiPadを使いたい方ですね。
スマホのように環境を問わず常にネットに接続されている状態を保ちたいのであればセルラーモデルという選択になります。
「モバイルデータ通信は利用しないけど、GPSは欲しい」という方もセルラーモデルとなりますが、Wi-FiやテザリングでカバーできるのであればSIM契約は不要です。
iPadのセルラーモデルにおすすめの通信サービス
キャリア提供のシェアプラン
お使いのスマンをドコモ、au、ソフトバンクで利用されている方なら、主回線のデータ通信量をわけあえるシェアプランをチェックしてみてください。
キャリア | シェアプラン | 月額料金(税込) |
---|---|---|
ドコモ | 5Gデータプラス データプラス | 1,100円 |
au | タブレットシェアプラン 5G/4G | 1,100円 |
ソフトバンク | データシェアプラン | 1,078円 |
私は現在ドコモ回線でiPhoneを持っており、「5Gデータプラス」でiPad Pro 12.9インチのセルラーモデルを使用しています。
ドコモの新プラン「eximo」の場合、5GBデータプラス・データプラスでシェアできるデータ通信量は30GBまでとなります。
auとソフトバンクは主回線で契約しているプランによりますが、少なくとも30GBはシェアできます。
私の感覚で言うと、30GBはなかなか使い切れないデータ通信容量です。長時間に動画視聴すれば上限に達することはあるものの、データ通信容量を消費しないWi-Fiと併用すれば意外と減りません。
無制限で使いたい方は次にご紹介する楽天モバイルの「最強プラン データタイプ」がおすすめ。「使わない月もある」ということであれば、その次にご紹介している「Povo2.0」がおすすめです。
楽天モバイル
楽天モバイルの「最強プラン データタイプ」なら、無制限の使い放題で月額3,278円で利用できます。
Wi-Fiのない環境でもデータ通信容量を気にせずガンガン動画視聴できます。
データ通信容量 | 〜3GB | 3GB〜20GB | 20GB〜無制限 |
---|---|---|---|
月額料金(税込) | 1,078円 | 2,178円 | 3,278円 |
3GBまでは月額1,078円となっているので、あまり使わない月は出費を抑えられます。
また楽天モバイルはeSIMに対応するので、カード型のSIMカードを待つ必要がありません。最短3分で手続きは完了し、すぐにiPadでモバイルデータ通信を使い始められます。
楽天モバイルを利用するにあたって利用可能エリアを心配される方もいらっしゃるかと思いますが、エリアの人工カバー利率は99.9%とのこと(楽天回線+パートナー回線)。どのエリアでも最大無制限で利用できます。
povo2.0
「使わない月もあれば、ガンガン使いたい月もある」という方には、プリペイド式のようにデータ通信容量を購入できる「povo2.0」がおすすめです。
データ通信容量 | 価格(税込) |
---|---|
基本料金 | 0円 |
データ使い放題(24時間) | 330円 |
1GB(7日間) | 390円 |
3GB(30日間) | 990円 |
20GB(30日間) | 2,700円 |
60GB(90日間) | 6,490円 |
150GB(180日間) | 12,980円 |
povo2.0では購入できるデータ通信容量のことを「トッピング」と言いますが、利用シーンや使い方に応じて自分にぴったりなトッピングを購入することで無駄なくデータ通信容量を使えます。
基本料金は0円ですので、トッピングを購入しなければ料金はかかりません。
モバイルデータ通信を使うのはある期間・タイミングに限定されていて、それ以外はほとんど使用しない。こんな方は多いのではないでしょうか。
povo2.0なら「旅行に出かける2日間だけ」という買い方ができ非常に便利。iPadのセルラーモデルと相性抜群です。
なお、povo2.0もeSIMに対応、povo2.0アプリからオンラインで手続き完了できます。
iPadのセルラーモデルとは?まとめ
本記事ではiPadのセルラーモデルについて、セルラーモデルの特徴やメリット、デメリットについてご紹介させていただきました。
最後に、iPadのセルラーモデルとWi-Fiモデルについてポイントをまとめておきます。
- ほとんどの人は価格の安いWi-FiモデルでOK(26,000円もしくは36,000円の大きい価格差)。
- セルラーモデルには、モバイルデータ通信機能とGPSが搭載されている。
- 「たまにWi-Fiのない環境でネット通信したい」という程度なら、スマホのテザリングで対応できる。
- セルラーモデルは、iPadをスマホライクに使いたい方に合っている。
ほとんどの人にとってはWi-Fiモデルで十分、セルラーモデルは必要ないと思っていますが、iPadをよく持ち出す私は便利使っています。
本体価格の上昇、毎月のデータ通信料を許容できるか、というところがポイントになるでしょう。ぜひ本記事を参考にしていただき、あなたにぴったりなモデルを選んでみてください。