今回ご紹介させていただきたいのは、Ankerの最新シリーズ「Anker Primeシリーズ」にラインアップされる「Anker Prime Wall Charger (67W, 3 ports, GaN)」です。
最大67WのUSB-Cポートを含む合計3ポートを搭載しコンパクトで軽量。普段使いから持ち運び用途まで対応できるUSB充電器です。
ただ、先に結論を書くと、実際に使ってみて「他製品と比べておすすめできるポイントが少ない」というのが率直な感想です。
- 最大67WのUSB PD充電に対応
- 3つのUSB-Cポート搭載で最大3台を同時充電できる
- 充電時の発熱が抑えられている
- 2ポート同時使用時において、USB-C2ポートが最大20Wとなる
- 他の65W・複数ポートUSB充電器と比較して大きく重い
- 他製品と比較して割高
Anker Prime Wall Charger (67W, 3 ports, GaN)の特徴・仕様
特徴
Anker Prime Wall Charger (67W, 3 ports, GaN)のポイントとなる特徴をまとめました。
- Anker最新のテクノロジーを集結した「Anker Primeシリーズ」
- 最大67WのUSB PD充電に対応するUSB-C充電器
- USB-C x 2、USB-A x 1の合計3ポート搭載
- コンパクト&軽量で持ち運びしやすい
- 接続デバイスに最適な電力を供給(PowerIQ 4.0)
- 安心して使える安全性(ActiveShield 2.0による温度管理・その他多重保護システム)
Anker Primeシリーズは現時点においては全8製品あり、Anker Prime Wall Charger (67W, 3 ports, GaN)はそのラインアップのひとつです。
製品名 | Anker Prime Wall Charger (67W, 3 ports, GaN) | Anker Prime Wall Charger (100W, 3 ports, GaN) | Anker Prime Desktop Charger (240W, 4 ports, GaN) | Anker Prime Power Bank (12000mAh, 130W) | Anker Prime Power Bank (20000mAh, 200W) | Anker Prime Power Bank (27650mAh, 250W) | Anker Charging Base (100W) for Anker Prime Power Bank | Anker Prime Charging Station (6-in-1, 140W) |
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外観 | ||||||||
特徴 | 合計最大67W | 3ポート搭載USB充電器最大100W | 3ポート搭載USB充電器合計最大240W | 4ポート搭載の据え置き型USB充電器12000mAh 合計最大130W ディスプレイを搭載 | 2ポート搭載モバイルバッテリー20000mAh 合計最大200W ディスプレイを搭載 | 3ポート搭載モバイルバッテリー27650mAh 合計最大250W ディスプレイを搭載 | 3ポート搭載モバイルバッテリー3ポート搭載 合計最大100W | Anker Primeモバイルバッテリー専用充電スタンドUSB PD 3.1の最大140Wに対応 ディスプレイを搭載 | 4ポート・2AC搭載の2-in-1充電器
価格(税込) | 8,490円 | 9,990円 | 19,990円 | 12,990円 | 19,990円 | 24,990円 | 6,990円 | 14,990円 |
製品ページ |
Amazon
Anker公式 |
Amazon
| 2023年秋頃発売予定 |
Amazon
|
Amazon
| 2023年秋頃発売予定 |
Amazon
Anker公式 |
Amazon
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Anker Primeシリーズのレビュー記事を見る
仕様・スペック
Anker Prime Wall Charger (67W, 3 ports, GaN)の詳しい仕様は以下のとおりです。
製品名 | Anker Prime Wall Charger (67W, 3 ports, GaN) |
---|---|
外観 | |
入力 | 100V-240V 50/60Hz 1.8A |
搭載ポート | USB-C x 2、USB-A x 1 |
USB-C1/C2出力 | 5V⎓3A / 9V⎓3A / 12V⎓3A / 15V⎓3A / 20V⎓3.35A(最大67W) |
USB-A出力 | 4.5V⎓5A / 5V⎓4.5A / 5V⎓3A / 9V⎓2A / 12V⎓1.5A / 10V⎓2.25A(最大22.5W) |
合計出力 | USBC1 + C2:最大65W USB-C1 + A:最大65W USB-C2 + A:最大65W USB-C1 + C2 + A:最大64.5W |
サイズ | 約50 x 40 x 39 mm |
重量 | 約144 g |
カラー | ブラック(A2669N11) |
パッケージ内容 | Anker Prime Wall Charger (67W, 3 ports, GaN) 取扱説明書 |
保証 | 24か月 + 6か月(Anker会員登録後) |
価格(税込) | 8,490円 |
製品ページ | Amazon Anker公式 |
パッケージ内容
本製品に含まれるパッケージ内容は以下のとおりです。
パッケージ内容にUSBケーブルは含まれません。必要な場合は別途用意しておきましょう。
Anker Prime Wall Charger (67W, 3 ports, GaN)のお供にUSB-Cケーブルをお探しなら、Anker Power Line III Flow USB-Cケーブルがおすすめ。
ケーブルの皮膜にシリコン素材が使われており、絡みにくさから扱いやすく大人気のUSB-Cケーブルです。
対応する急速充電規格
仕様に関連して、USB充電チェッカーを使いAnker Prime Wall Charger (67W, 3 ports, GaN)が対応する急速充電規格を確認しました。
最大67WのUSB PD充電に対応
製品ページには「USB PD対応」「 PPS規格対応」と記載がありましたが、その他の急速充電規格への対応状況をチェックしました。
USポート | 急速充電規格 |
---|---|
USB-C1/C2 | USB PD 3.0 / PPS Adaptive Fast Charging(Samsung) Fast Charge Protocol(Huawei) Smart Charge Protocol(Huawei) Quick Charge 4+(下位互換あり) Apple 2.4A |
USB-A | Adaptive Fast Charging(Samsung) Fast Charge Protocol(Huawei) Smart Charge Protocol(Huawei) Quick Charge 3(下位互換あり) Pump Express+ 2.0 Apple 2.4A |
USB PD以外にも、Quick ChargeやAFC(Adaptive Fast Charging)などの急速充電にも対応しているようです。
USB-Cの規格上、USB PD以外の急速充電規格への対応は規格違反となりますが、使用上の問題はありません。
実際のところ、同じように規格違反状態となっているUSB充電器がほとんどです。使用に問題ないがないこともあり個人的には気にしていませんが、気になる方はご注意ください。
USB PDのPDO(Power Data Object)についてもチェックします。
PDOとは、USB PD充電において充電器と充電デバイスの間でやりとりされる電流・電圧の組み合わせリストのことです。
製品ページや本体に記載のある仕様と相違なく、特に問題はありませんでした。
PPS充電で対応スマホを急速充電できる
Anker Prime Wall Charger (67W, 3 ports, GaN)のUSB-Cポートは、USB PD 3.0のオプション機能である「PPS(Programmable Power Supply)充電」に対応しています。
PPS充電の仕様は「3.3-11V=5A」となっていましたので、Galaxyの超急速充電(25W)や超急速充電 2.0(45W)にも対応します。
Galaxyスマホは手元にないのですが、Xperia 1 IIIを充電してみると確かにPPS充電できていました。
PPS充電ではより高速・効率的に充電できるメリットがあります。
GalaxyやGoogle Pixel、Xperiaなど、PPS充電に対応するスマホをお持ちの方はこの恩恵を受けられます。
外観・デザイン
続いては外観・デザインについて見ていきましょう。
外装はプラスチック素材ですが、シルキーな質感や細かい切れ込みが入った加工、USBポート面のガラスのような光沢により、全体的に高級感のある雰囲気に仕上がっています。
側面に「ANKER」のロゴがあり、その下に「GaNPrime」と書かれています。
USB-Cポートが2つ、USB-Aポートが1つと合計3つのUSBポートが並びます。
USBポートの間隔は狭め。致命的ではありませんが複数ポート使用時は抜き差しのしづらさがあります。
構造的な事情があるのだろうと思いますが、もうちょっと間隔を空けて欲しいところ。
折りたたみ式プラグ採用で持ち運び時にはコンパクトに折りたたんでおけます。
プラグのある面には製品の仕様、PSEマークなどの各種マークが表示されています。
外観・デザインについての印象は、「いつにも増して高級感が凄い」ということに尽きます。
最近のAnker製USB充電器では、USBポートのある面に光沢加工が施されているものが多いのですが、なかでもこれは高級感に磨きがかかっていますね。
「USB充電器に高級感を求めても」という話ではありますがが、どうせ持ち歩くならおしゃれで愛着の湧く外観がいいですよね。
きっとあなたもAnker Prime Wall Charger (67W, 3 ports, GaN) の外観・デザインを気に入るはずです。
持ち運びしやすいサイズ・重量
Anker Prime Wall Charger (67W, 3 ports, GaN)のサイズは約50 x 40 x 39 mm、重量は約144 gです。
手に持ってみると、それなりに大きくずっしり感じられます。
重量をスケールで計測してみると、146.32 gでした。公称では「約144 g」となっています。ほぼ公称値どおりの重量と言っていいでしょう。
ハイパワーなUSB充電器だけにそれなりのサイズ・重量ではありますが、持ち運びに困るほどではありません。
むしろ最大67WのUSB充電器にしてはコンパクトにまとめられているな、という印象です。
ただし、コンセントまわりの環境によっては隣の充電器に干渉してしまうことがあります。
それでもほとんどの場合は問題なさそうです。コンセントが連なる電源タップでも問題なく使用できるでしょう。
こちらは、MacBook Airに付属されているApple 30W USB-C電源アダプタとのサイズ比較です。
充電性能に2倍以上差があるのにもかかわらず、Anker Prime Wall Charger (67W, 3 ports, GaN)のほうが約12.8%コンパクトとなっています。
ほぼ同じ充電性能を持つApple 67W USB-C電源アダプタ、Apple 70WUSB-C電源アダプタとのサイズ比較です。
67W ⇒ 70WととなりコンパクトになったApple純正充電器ですが、こうやって並べてみるとAnker Prime Wall Charger (67W, 3 ports, GaN)のコンパクトさが際立ちます。
Apple 70WUSB-C電源アダプタと比較して、Anker Prime Wall Charger (67W, 3 ports, GaN)は約35.5%コンパクトという計算。サイズに関しては文句なしでしょう。
iPhone 13(131.5 x 64.2 x 7.65 mm)とのサイズ比較です。
iPhone 13のサイズは、iPhone 14やiPhone 12とほぼ同じサイズ感。もしお手元にあればサイズをイメージしていただきやすいかと思います。
充電性能的には、スマホ + タブレットの組み合わせにも最適です。iPadのお供として持ち出せば大活躍してくれるはずです。
M2 MacBook Air 13のお供にも最適ですね!充電性能的には十分ですし、サイズ的にもノートPCバッグに一緒に収まってくれます。
ただ立方体に近い形状なので、ノートPCバッグのようなスリムなバッグに収納すると膨らみができてしまいます。「収まりが悪いな」と感じてしまう場合もあるでしょう。
上はオウルテック ウルトラスリムAC充電器(65W)・CIO NovaPort SLIM 65Wです。カバンへの収まりについては、このようなスリムな充電器のほうがいいですね。
記事内の「65WクラスのUSB-C充電器と比較」で仕様を比較していますので、こちらも参考にしてみてください。
最大67Wであらゆるデバイスを急速充電
Anker Prime Wall Charger (67W, 3 ports, GaN) は、最大67W出力が可能なUSB-Cポートを搭載します。
上ではM2 MacBook Air 13インチを充電していますが、約62Wと高速に充電できています。
6月13日発売されたM2 MacBook Air 15インチでも、同じように約65Wと高速に充電できていました。
Anker Prime Wall Charger (67W, 3 ports, GaN) を使えば、MacBook Air 13インチ/15インチをフルスピード充電できます。
15インチ/16インチクラスのノートPCには基本的に100W以上のUSB充電器がおすすめですが、いざとなればAnker Prime Wall Charger (67W, 3 ports, GaN)で充電可能です。
Anker Prime Wall Charger (67W, 3 ports, GaN) ほどの充電性能があれば、スマホ・タブレットのほとんどすべてをフルスピードで充電できます。
複数デバイスの同時充電は仕様に注意
続いては、複数デバイスの同時充電について見ていきます。
iPhone 13とiPad Pro 12.9インチを同時に充電してみると、それぞれ19W、約35Wで充電されていました。
M1 Max MacBook Pro 16インチとM2 MacBook Air 13インチを同時に充電してみると、それぞれ約41W、約19Wで充電されていました。
どうやら、複数ポート使用時においては、USB-C2の出力が最大20Wとなるようです。
製品ページや本体には、「2ポート使用時は合計最大65Wまで」としか書かれていませんでした。
Anker最新のUSB充電器でしたので、てっきり「複数ポート使用時はいい具合に電力を振り分けてくれるのだろう」と勝手に思っていたのですが、そうではないことが分かりました。
最大67W・3ポート搭載のUSB充電器ですから、「ノートPC2台を同時に充電したい」とこれをチェックする方もいるはず。
しかし、実際にはノートPC2台の同時充電には向かないのでご注意ください。
それにしても、この仕様をはっきりと書いてくれていないのは不親切ですね。これはちょっと残念です。
また3台同時に充電したとき、USB-C2の出力は約10Wほどとなるようです。
ちなみに、ちなみに、最大65W・3ポート搭載の充電器「Anker 735 Charger (GaNPrime 65W)」では、それぞれ約30Wで充電できます。
ノートPC2台同時充電、ノートPC+タブレットの同時充電をしたい方はこっちです。
気になる発熱をチェック
続いては、Anker Prime Wall Charger (67W, 3 ports, GaN) の発熱をチェックしました。
以下は、MacBook Pro 16インチを充電し始めてから約45分時点の表面温度です。
その後しばらく観察しましたが、表面温度が66℃前後からさらに上昇することはありませんでした。
ピーク時の表面温度で66℃前後ですので、発熱に関しては心配ありません。
それなりの発熱はあります。しかし、ひどいものだと80℃を越える温度まで上昇するもありますし、70℃越えは普通。これは66℃ですからむしろ優秀です。
65WクラスのUSB-C充電器と比較
65WクラスのUSB-C充電器は激戦区。優秀な製品がたくさんあります。
最後に、Anker Prime Wall Charger (67W, 3 ports, GaN)とライバルとなる製品をピックアップし、仕様を比較してみます。
製品名 | Anker Prime Wall Charger (67W, 3 ports, GaN) | UGREEN Nexode 65W | CIO NovaPort TRIO 65W | Anker 735 Charger (GaNPrime 65W) | CIO NovaPort SLIM 65W |
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搭載ポート | USB-C x 2 USB-A x 1 | USB-C x 2 USB-A x 1 | USB-C x 2 USB-A x 1 | USB-C x 2 USB-A x 1 | USB-C x 2 |
USB-C最大 | 67W | 65W | 67W | 65W | 67W |
サイズ | 約50 x 40 x 39 mm | 約66 x 39 x 29 mm | 約59 x 43 x 28 mm | 約66 x 38 x 29 mm | 約85 x 47 x 14 mm |
重量 | 約144 g | 約122 g | 約92 g | 約132 g | 約106 g |
価格(税込) | 8,490円 | 5,480円 | 6,589円 | 7,990円 | 5,980円 |
1Wあたりの価格 | 約126.72円 | 約84.31円 | 約98.34円 | 約122.92円 | 約89.25円 |
1Wあたりの体積 | 約1.16 cm³ | 約1.15 cm³ | 約1.06 cm³ | 約1.12 cm³ | 約0.83 cm³ |
1Wあたりの重量 | 約2.15 g | 約1.88 g | 約1.37 g | 約2.03 g | 約1.58 g |
販売ページ |
Amazon
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Amazon
Anker公式 | Amazon |
※ 記事執筆時点の価格です。サイズ・重量には実測値が含まれております。「体積」は単純に3辺の長さを掛け合わせた数値になります。丸みを帯びた形状などは考慮していません。 |
率直に書きますが、この中からAnker Prime Wall Charger (67W, 3 ports, GaN)を選ぶ理由としては弱いです。
上で挙げたどの製品よりも価格が高く、そして大きく重いです。選ぶ理由となるのは高級感くらい……。
このなかでおすすめをひとつ挙げるとすれば、CIO NovaPort TRIO 65Wですね。
Anker Prime Wall Charger (67W, 3 ports, GaN)と同じ3ポート搭載ですし、最大67Wという点も同じ(製品名は65Wですが仕様は最大67W)です。
さらに小さく軽いですし、価格も安い。どの面を見ても優秀なUSB-C充電器です。
「USB-Aポートは必要ない」ということならCIO NovaPort SLIM 65Wもチェックですね!収まりのいいスリムなUSB-C充電器で充電性能も十分。
使い勝手のいいスリムなフォルム。持ち運び用としては最高です。
Anker Prime Wall Charger (67W, 3 ports, GaN)レビューまとめ
本記事ではAnker最新のUSB充電器「Anker Prime Wall Charger (67W, 3 ports, GaN)」をご紹介させていただきました。
高級感のある外観・デザインで、充電性能は十分。3ポート搭載であらゆるデバイスを急速充電できます。
しかし、他製品を比較した限りでは、その中から本製品を選ぶ理由は見当たらないというのが私の結論です。
もちろん製品として問題があるわけではありませんが、推しどころがないんですよね。Anker最新のUSB充電器ということで購入してみましたが、インパクトに欠けるという点で残念な製品でした。
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