今回ご紹介するのは、USB充電器とモバイルバッテリーの1台2役をこなしてくれる「CIO SMARTCOBY Pro PLUG」という製品です。
コンセントに挿せば単ポートで最大30WのUSB充電器として、コンセントから抜けば10000mAh・最大30Wのモバイルバッテリーとして活躍してくれる便利な2-in-1充電器です。
最大30WとパワフルなのでMacBook Airなどの一部のノートPCも充電可能ですが、基本的にはスマホやタブレットの充電メインの方におすすめ。「USB充電器もモバイルバッテリーも1台で済ませたい」という方にぴったりです。
- 最大30WのUSB充電器、10000mAh・最大30Wのモバイルバッテリーの1台2役
- 合計最大42WでUSB-Aポートを使用してもUSB-Cポートの出力が落ちない
- モバイルバッテリーとして使用時に充電性能が落ちない
- ユニークなシボ加工の外装、シンプルでおしゃれなデザイン
- 他の2-in-1充電器と比較してバランスがとれた仕様(スマホ・タブレットの充電メイン)
- 約79 x 79 x 26 mm、約265 gとそこそこのサイズと重量がある
- バッテリー残量を知らせるLEDランプが分かりづらい、眩しい
- USBポート挿し込み口のつくりが甘い(個体差?)
- 長時間にわたる充電時にはそれなり発熱がある(バッテリーの劣化が心配)
CIO SMARTCOBY Pro PLUGの特徴と仕様
CIO SMARTCOBY Pro PLUGの最大の特徴は、これひとつでUSB充電器にもモバイルバッテリーにもなるということ。コンセントの有無に関係なく、スマホやタブレットを充電できます。
▼ 左右にスワイプもしくはドラックすることで回転させられます。
USB充電器とモバイルバッテリーの2-in-1充電器
普段からUSB充電器とモバイルバッテリーを持ち歩いている方であれば、これ1台でカバーできます。これひとつ持ち出せば、コンセントの有無関係なく充電できる安心感があります。
この手の2-in-1充電器は他にもありますが、そのなかでもCIO SMARTCOBY Pro PLUGの充電性能は高い部類。USB-Cポートは最大30Wに対応しますし、10000mAhと普段使いには十分なバッテリー容量を備えます。
仕様
CIO SMARTCOBY Pro PLUGの仕様をまとめました。
製品名 | CIO SMARTCOBY Pro PLUG |
---|---|
型番 | SMARTCOBYPRO-30W-PLUG |
バッテリー容量 | 10000 mAh |
搭載ポート | USB-C x 1 USB-A x 1 |
USB-C出力 USB-C PPS出力 | V⎓3A / 9V⎓3A / 9V⎓3A / 12V⎓3A / 15V⎓2A / 20V⎓1.5A(最大30W) PPS:3.3-11.0V⎓3A |
USB-A出力 | 5V=3A / 9V=2A / 12V=1.5A(最大18W) |
合計 | 最大42W(30W + 12W) |
充電時間 | 約2時間30分 |
サイズ | 約79 x 79 x 26 mm |
重量 | 約265 g |
カラー | ブラック ホワイト |
パッケージ内容 | CIO SMARTCOBY Pro PLUG 取扱説明書 |
仕様についてのポイントは、
- 最大30WのUSB-Cポートを搭載
- 10000mAhバッテリーを搭載
- モバイルバッテリーとして使用しても充電性能が低下しない。
- USB-Aポートを使用してもUSB-Cポートの最大30Wは変わらない。
この4点です。USB充電器としてもモバイルバッテリーとしても合計最大42W(30W + 12W)で充電できるのは便利ですね。スマホ + ワイヤレスイヤホンといった複数デバイスを充電したい場面は多々あります。
バッテリー本体の充電はコンセントからのみとなります(約2.5時間でフル充電)。USB-Cポートは入力には対応していません。
パッケージ内容にUSBケーブルは含まれていません。手持ちのケーブルを使用するか別途用意する必要があります。
上のような注意書きが入っていました。iPhone充電時に自動的に充電が開始されない場合があり、その際には「電源ボタン」を押してくださいとのこと。このような現象はCIO SMARTCOBY Pro PLUG以外のモバイルバッテリーでも起こることがあります。
急速充電規格
USB充電チェッカーをを使い、CIO SMARTCOBY Pro PLUGのUSB-Cポート・USB-Aポートが対応する急速充電規格をチェックしました。
USBポート | 急速充電規格 |
---|---|
USB-C | USB PD 3.0 / PPS Adaptive Fast Charging(Samsung) Fast Charge Protocol(Huawei) Super Charge Protocol(Huawei) Quick Charge 4+(下位互換あり) Apple 2.4A |
USB-A | Adaptive Fast Charging(Samsung) Fast Charge Protocol(Huawei) Super Charge Protocol(Huawei) Quick Charge 3.0 Apple 2.4A |
このようにUSB PD以外の急速充電規格にも幅広く対応しています。Quick Charge 4+はUSB PDと互換性が保たれているため問題ありませんが、その他の急速充電規格への対応は、本来では規格違反となるところ。
といっても実際に使用する上で特に問題が出てくるわけではありません。個人的には気にしていませんが、気になる方はご注意ください。
USB PDのPDOもあわせてチェックしました。商品説明ページや本体に記載のある仕様と相違ありません。PPS充電(3.3-11.0V⎓3A)に対応し、GalaxyやXperia、Google Pixelなど、PPS充電に対応するAndroidスマホはこの恩恵を受けられます。
CIO SMARTCOBY Pro PLUGレビュー
それではCIO SMARTCOBY Pro PLUGのレビューに入っていきます。以下の点に注目してレビューしています。
- 外観・デザイン
- サイズ・重量
- 充電性能のチェック
- 充電時の発熱
- 他社製品との比較
外観・デザイン
まずは外観・デザインをチェックしていきます。
このとおり、CIOのロゴがあるだけのシンプルなデザインです。
ロゴは光沢のあるメタリックなデザインとなっています。外装に施されたユニークなシボ加工と相まって、USB充電器らしからぬ高級感のある雰囲気があります。シボ加工のおかげで指紋汚れや傷も目立ちません。
USB充電器に対して「ブラックで無骨なデザイン」というイメージを持つ人が多いかと思いますが、最近では充電性能だけでなくデザインにもこだわったものが多くなってきています。
USB-Cポート・USB-Aポートが並び、その近くに「電源ボタン」とバッテリー残量の目安を教えてくれるLEDランプがあります。
バッテリー残量によってLEDランプの色が変化し、充電中は点滅・充電完了時には点灯します。
- 紫:76% 〜 100%
- 緑:51% 〜 75%
- 青:26% 〜 50%
- 赤:25%以下
うーん、ちょっと分かりづらい……という感想です。使い慣れるまでは色を覚えておかないといけないのですからね。ここはシンプルにLEDランプの点灯数で表示してくれたほうが分かりやすいですね。
あと、このLEDランプは割と明るめです。デバイス充電中、バッテリー本体充電中とも点滅・点灯しっぱなしなので、寝室など光が気になる環境では注意です。
プラグは折りたたみ式です。持ち運び時にはコンパクトに折りたたんでおけます。
そこそこのサイズ・重量があることもあって、コンセントに挿してみると少しおじぎする格好となりますね。ただ抜け落ちてしまうようなことはありません。
プラグのある面には仕様やPSEマークなどが表示されています。
外観・デザインの評価は好みによるところが大きいですが、CIO SMARTCOBY Pro PLUGのユニークな質感・シンプルなデザインが気に入る方はきっと多いのではないでしょうか。
他のCIO製品と統一感のあるデザインもいいですね!「CIO NovaPort Trio 65W(中)」と「CIO NovaPort DUO 45W(右)」は別記事でレビューしています。興味のある方は上のリンクからレビュー記事をチェックしてみてください!
サイズ・重量
CIO SMARTCOBY Pro PLUGのサイズは約79 x 79 x 26 mmとなっています。
このとおりの大きめサイズ。それでも厚さが26 mmと薄いのでバッグのポケットなどには収納しやすいかと思います。
タイトめなポケットでなければ、だいたいは収まってくれるでしょう。
スマホ・タブレット・ノートPCと並べてみました。お手元に近いサイズのデバイスがあれば、CIO SMARTCOBY Pro PLUGのサイズ感をイメージしていただけるかと思います。
スケールに乗せてみると重量は約264 gでした。メーカーの公称値(約265 g)どおりです。手持ちのバッグに入れて毎日持ち運びするにはちょっとキツイかな、という印象です。ただ背負えるバックパックに収納して持ち運ぶなら気にならない重量ですね。
スマホ・タブレットをフルスピード充電できる性能
CIO SMARTCOBY Pro PLUGは最大30Wに対応するUSB-Cポートを搭載、ほぼすべてのスマホ・タブレットをフルスピードで充電できます。
iPhoneでは現行のiPhone 14シリーズを含むモデルをフルスピードで充電できます。iPadでは、iPad Pro 12.9インチを除くモデルをフルスピード充電OK。
Xperia 1 IIIでのPPS充電も問題なく行えています。Galaxyでの「超急速充電(最大25W)」の要件も満たしています(ただし最大45Wの超急速充電2.0は不可)。
そしてCIO SMARTCOBY Pro PLUGがいいのは、モバイルバッテリーとして使用してもスペックダウンしないところ。
この手の2-in-1充電器では、製品によってUSB充電器として使用したときとモバイルバッテリーとして使用したときに充電性能が変化する場合があります。その点、CIO SMARTCOBY Pro PLUGはモバイルバッテリーとして使用時でもパワフルに充電してくれます。
合計最大42Wの仕様が秀逸
CIO SMARTCOBY Pro PLUGは、USB-CポートとUSB-Aポート合計最大42Wの出力が可能です。2ポート同時使用時は30W(USB-C)と12W(USB-A)に振り分けられます。
このようにスマホとワイヤレスイヤホンなどの小型デバイスを同時に充電したい場面は多いかと思います。同時にUSB-Aポートを使用してもUSB-Cポートの出力が30Wから落ちないのは便利です。
同時にUSB-Aポートを使用するとUSB-Cポートの充電性能がガクッと落ちちゃう、という仕様は、USB充電器やモバイルバッテリーではあるあるです。CIO SMARTCOBY Pro PLUGではUSB-Aポートを気にせず使えるのはいいですね!
ノートPCも充電できるが十分ではない
USB-Cポートが最大30Wに対応するということは、USB PD充電に対応するノートPCも充電可能です。
上ではM2 MacBook Airを充電しています。M1/M2 MacBook Airには「Apple 30W USB-C電源アダプタ」が付属されていますが、CIO SMARTCOBY Pro PLUGならそれと同等の速度で充電できます。
ただ、「スマホやタブレットの充電よりも、どちらかというとノートPCの充電がメイン」という方には、CIO SMARTCOBY Pro PLUGではなく他の選択肢をおすすめします。
そもそも、30Wで充電できるノートPCは限られます。そのノートPCによりますが、だいたいは60W〜100Wに対応するUSB-Cポートが必要ですね。MacBook Airでも、30Wを超えるUSB充電器を用意することでさらに高速に充電できます。
上は同じ2-in-1充電器のAnker 733 Power Bank (GaNPrime PowerCore 65W)です。USB充電器として使用したときは最大65Wと十分な速度でノートPCを充電できます。
ただAnker 733 Power Bankは高価ですので、ノートPCの充電がメインの方は、USB充電器・モバイルバッテリーそれぞれ単体での購入も検討してみてください。
充電時の発熱をチェック
続いて、充電時の発熱をチェックしました。CIO SMARTCOBY Pro PLUGをコンセントに挿して、最大30Wの出力をキープさせるためにMacBook Pro 16インチに接続、充電開始から約1時間後の表面温度を測定しました。測定時の室内の温度は22℃です。
やはりそれなりに発熱がありますね。USB充電器のなかにはCIO SMARTCOBY Pro PLUG以上に発熱するものも珍しくありません。ある程度の発熱は仕方ありません。
ただ、CIO SMARTCOBY Pro PLUGは熱に弱いリチウムイオンバッテリーを内蔵します。ノートPCの充電などで長時間にわたり熱を持つ状況が続いたときのバッテリーの劣化が心配です。
確実なのは、熱はバッテリーを劣化させる原因になること。長期レビューはできていませんが、ハードな使い方だとバッテリーの寿命がわりと早くきてしまう、という可能性はありそうです。
USBポート挿し込み口の組み付け精度が気になる
CIO SMARTCOBY Pro PLUGを使ってみてちょっと気になったのは、USBポートにケーブルを挿したときの感触がちょっとヘンだということ。だいたいは挿し込んだときに「カクッ」という感触があるものですが、CIO SMARTCOBY Pro PLUGはぬるっと入っていく感じ。感触がないのでちゃんと挿し込めたかどうか不安になることがあります。
Amazonのレビューを拝見してみると、やはり「挿し込み口が固い」であったり、「抜けやすい」といったものが見られました。もしかすると個体差があるのかもしれません。細かいところではありますが、ちょっと気になりました。
他製品とサイズ・重量・充電性能を比較
USB充電器とモバイルバッテリーを兼ねる2-in-1充電器において、筆者が所有している製品と比較してみます。
製品名 | CIO SMARTCOBY Pro PLUG | Anker PowerCore Fusion 10000 | Anker 733 Power Bank | Anker 521 Power Bank | Anker 511 Power Bank |
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サイズ | 約79 x 79 x 26 mm | 約82 x 82 x 35 mm | 約111 x 63 x 31 mm | 約71 x 60 x 31 mm | 約 113 x 30 x 30 mm |
重量 | 約265 g | 約278 g | 約320 g | 約200 g | 約170 g |
搭載ポート | USB-C x 1(最大30W) USB-A x 1(最大18W) | USB-C x 1(最大20W) USB-A x 1(最大12W) | USB-C x 2(最大65W) ※ モバイルバッテリー時は最大30W USB-A x 1 | USB-C x 2(最大45W) ※ モバイルバッテリー時は最大20W | USB-C x 1(最大20W) |
バッテリー容量 | 10000 mAh | 9700 mAh | 10000 mAh | 5000 mAh | 5000 mAh |
価格(税込) | 7,128円 | 5,990円 | 14,990円 | 8,990円 | 4,990円 |
製品ページ | Amazon | Amazon | Amazon | Amazon | Amazon |
△ スマホでは横スクロールできます。
もっともコンパクトで軽量なのは「Anker 511 Power Bank」ですね。5000mAh・最大20WとCIO SMARTCOBY Pro PLUGと比較するとスペックは落ちますが、そのぶんコンパクトで持ち運びしやすい製品です。
もっとも充電性能が高いのは、最大65W(USB充電器として使用時)のUSB-Cポートを搭載するAnker 733 Power Bankです。バッテリー容量も10000mAhですが、このなかではもっとも大きく重くなっています。
CIO SMARTCOBY Pro PLUGの仕様に近いのは、Anker Power Core Fusion 10000ですね。最大20Wと充電性能は劣るものの、9700mAhの十分なバッテリー容量に、1台で2役をになってくれると考えれば価格的にも選びやすいラインでしょう。
他製品を比較してみると、CIO SMARTCOBY Pro PLUGは「サイズ・重量・バッテリー容量・充電性能のバランスがとれた優等生」という印象です。スマホ・タブレットといった小型・中型デバイスの充電を前提にすれば、どのような環境にもハマるバランスのとれた製品でしょう。
ただCIO SMARTCOBY Pro PLUGがすべての人にハマるわけではないと思っています。充電性能を求めるならAnker 733 Power Bank、さらにコンパクトさ・軽量さを求めるならAnker 511 Power BankやAnker 521 Power Bankもチェックしてみてください。
2-in-1充電器 = 便利というわけではない
そもそもですが、利用シーンや環境によっては、USB充電器とモバイルバッテリーが合体した2-in-1充電器が必ずしも便利だとは限りません。
上は同じCIOのSMARTCOBY Pro 30W(10000mAh・最大30Wのモバイルバッテリー)、そしてAnker 511 Charger (Nano3, 30W)です。
CIO SMARTCOBY Pro PLUGをはじめとする2-in-1充電器は、よく言えば1台2役で便利なのですが、USB充電器としてもモバイルバッテリーとしても大きく重いとも言えます。
たとえば「USB充電器としての使用がほとんどで、たまにモバイルバッテリーとして使用する」という方だと、2-in-1充電器は便利だと言えませんよね。それならコンパクト・軽量なUSB充電器を単体購入したほうが便利です。
私の感覚だと、2-in-1充電器はUSB充電器・モバイルバッテリーの使用割合が半々ぐらいの方に合っていると考えています。使い方がどちらかに偏っているという方は、それぞれ別に購入する選択肢を検討してみてください。
レビューまとめ:CIO SMARTCOBY Pro PLUGはバランスのとれた優等生
今回は「CIO SMARTCOBY Pro PLUG」をご紹介させていただきました。記事内でも書いたように、サイズ・重量・バッテリー容量・充電性能のバランスがとれた優等生のような製品でした。
ただし、発熱やUSBポートの組み付けの精度(個体差?)、LEDランプの分かりづらさなど気になる部分もありました。特に発熱は気になりますね。ノートPCを長時間にわたって充電する、というシーンには向かないので、基本的にはスマホ・タブレットでの使用がいいでしょう。
それでもトータルでは優秀な2-in-1充電器と言っていいでしょう。人気なのも頷けます。USB充電器とモバイルバッテリーの購入を検討されている方は、CIO SMARTCOBY Pro PLUGがひとつの選択肢になります。ぜひチェックしてみてください!
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