どっちがいい?Apple Watch使いがWear OSスマートウォッチを使ってみた。違いと比較

どっちがいい?Apple Watch使いがWear OSスマートウォッチを使ってみた。違いと比較

スマートウォッチと聞くと「Apple Watch」を思い浮かべる人は多いのではないでしょうか。実際にApple Watchはスマートウォッチ、ウェアラブル市場では世界トップ。世界で一番選ばれているスマートウォッチと言えます。

ただどうやらGoogleのウェアラブルデバイス向けOSである「Wear OS by Google(旧Android Wear」搭載のスマートウォッチも頑張っている様子。

いまどきのWear OSスマートウォッチ事情も知りたかったのもあり、今回はWear OSスマートウォッチを入手。2週間ほどメインのスマートウォッチとして使用してみました。そのなかで感じた「Apple Watchと比べてどうなの?」というところを紹介していきたいと思います。

目次

「Apple Watch Series 4」とWear OSスマートウォッチ「TicWatch Pro」

どっちがいい?Apple Watch使いがWear OSスマートウォッチを使ってみた。違いと比較
「Apple Watch Series 4」と「TicWatch Pro」

僕がメインで使メインでスマートウォッチは「Apple Watch Series 4」です。前モデルのSeries 3と比べてもさらに使い勝手や快適さが向上しています。Apple Watchをいかに便利に気に入って使っているかは「Apple Watchでできること」を読んでいただければ分かるかと思います。

そして今回試すのは「TicWatch Pro」というWear OSスマートウォッチ。

中国Mobvoi社の人気スマートウォッチで、「コストパフォーマンスがいい」と評判が良かったのでこれを選択しました。

TicWatch ProとGalaxy S9
TicWatch ProとGalaxy S9

Wear OSスマートウォッチの機能をフルに活用できるのはAndroidスマホということで、TicWatch ProをGalaxy S9に接続、しばらくの間Apple WatchではなくTicWatch Proをメインに使ってみました。

Apple WatchユーザーがWear OSスマートウォッチを使ってみた

僕の周りにはiPhoneをはじめApple製品が多いのですが、先入観を捨てできるだけフラットな感覚でApple WatchとWear OSスマートウォッチを比べてみました。

やっぱり丸形はかっこいい!好きなデザイン・ブランドを選べるのはWear OS

Apple Watchのデザインは…はっきり言ってダサい。それは僕も否定しません。余計な装飾がないのでスポーツシーンやスポーツファッションには向いていますが、四角くのっぺりした立体感のないデザインをネガティブに捉えている人は多いでしょう。

立体感がなくのっぴりした印象を受けるApple Watch
立体感がなくのっぴりした印象を受けるApple Watch

「手首に付けるコンピューター」と考えるとApple Watchのデザインはありなのかもしれません。しかし時計(ウォッチ)であることを考えると、どうしてもファッション性が求められます。流行がもう一周か二周すればこの消しゴムデザインがかっこいいとなるかもしれませんが、今のところそうではありません。

その点Wear OSスマートウォッチは、自分好みのデザインやブランドを選べるという大きなメリットがあります。なかには「ちょっとこれはダサいな」というものがあっても、それを選ばなければいいだけです。

TicWatch Proを装着
やっぱり丸型か!かっこいいぞ!

TicWatch Proを付けてみて「やっぱり時計は丸型だな」と思う自分がいます。このあと紹介していきますが、Wear OSスマートウォッチよりもApple Watchにアドバンテージがあるポイントも多くあります。しかしスマートウォッチとしてかっこいいと思えるものがどっちにあるか?という問いに対してはWear OSスマートウォッチという答えになるでしょう。

NFC決済が使えないのはちょっとつらい

Wear OSスマートウォッチの多くはNFC決済に対応しています。今回僕が選んだTicWatch ProもNFCを搭載しています。しかし、現時点は日本では使えません。

これはどういうことかというと、日本で普及しているNFC決済の方式は「Type-F」というもので、海外で多く使われている「Type-A/B」と異なります。今後Wear OSのアップデートによりType-Fに対応してくれる可能性がありますが(ものによってはハードウェア的な問題もある)、とりあえずいまのところ日本ではNFC決済は使えません。

スマホが手元になくとも手首をかざすだけで決済できるNFC決済は、一度味を知るとなくてはならない存在になります。Apple Watchならちょっと近所のコンビニに買い物に、というシーンならスマホを持たずにでかけられます。現状Wear OSスマートウォッチでNFC決済できません。電子マネーはスマートウォッチだけでなく、これからさらに使われるであろう決済方法なので、日本での対応を「早めに」期待したい!

と言いつつ実際は「スマートウォッチでNFC決済できることを重視するかどうか」、というところでしょう。ほとんどの人は常にスマホを持ち歩いているわけで、そのスマホでNFC決済できますから。この辺は使い手がNFC決済を求めるか、求めないか、ということでしょうか。

文字盤(フェイス)の種類の多さはWear OSの魅力

選べる文字盤の種類が限られているのはApple Watchのネガティブポイント。Apple Watchはあらかじめ用意された文字盤しか選べません。表示させるコンプリケーション(文字盤にアプリの情報を表示させたり、ショートカットとして使えるもの)をカスタマイズすることはできるものの、いかんせん文字盤の種類が限られているので物足りなさは否めません。

一方でWear OSスマートウォッチは、Google Playストアからサードパーティ製の文字盤をダウンロードすることで、多くの文字盤から好みのものを探すことができます。文字盤は有料のものも多いのですが、その多くは200円前後で購入が可能です。ウォッチのデザインや気分に合わせて多くの種類の文字盤を選べるのはWear OSの魅力。文字盤に関してはWear OSの圧勝です。

また対応アプリの数もWear OSのほうが明らかに多いですね。Apple Watchも割とアプリが充実していたりするのですが、いろいろなアプリを試して冒険できるのはWear OSスマートウォッチでしょう。

バッテリー持ちはどっちもどっち

バッテリー持ちはApple WatchやWear OSスマートウォッチ、という問題ではなくスマートウォッチ全体の課題かもしれませんね。スマートウォッチはその性質上、充電する手間とは切っても切れません。

ざっくりですが、ワークアウトには使用せず普通に使ってApple Watch Series 4のバッテリー持ちは1日から2日くらい。同じ使い方でTicWatch Proは1日半から3日のバッテリー持ちです。TicWatch Proは数あるWear OSスマートウォッチでもバッテリー持ちはかなりいいほう。他のスマートウォッチでバッテリー持ちが悪いものだと、ぎりぎり1日もつかもたないか、というものもあります。

TicWatch Pro 省電力モード
最大30日バッテリーがもつ「省電力モード」

TicWatch Proは省電力モードをオンにして最大30日バッテリーをもたせるという機能がありますが、省電力モードでは時間の表示のみでただの時計化してしまいます。これではスマートウォッチとしての機能は使えません。確かにいざというときにはいいかもしれませんが。

スマートウォッチにとってバッテリー持ちは永遠の課題になるかもしれませんが、お風呂に入ってあれこれしている時間で(1時間くらい)でフル充電できるので、僕としてはそう不便には感じていません。TicWatch Proも1時間あればフル充電できます。いまのところバッテリー持ちに関してはどっちもどっち、引き分けといったところでしょう。

音声アシスタントの使いやすさはApple Watchの勝ち

「Siri」と「Google音声アシスタント」どっちが優秀か?という話は置いといて、音声アシスタントの使いやすさはApple Watchのほうが頭ひとつ抜けています。

そう思う理由のひとつとして、まず「起動が速い」こと。音声アシスタントを使いたいときって、たいてい手が離せない時や急いでいるとき。使いたい時にサッと使えないのはストレスになります。Apple Watchはサッと起動してくれるのでストレスを感じません。Apple Watch Series 4になってから起動がさらに速くなったような気がします。

一方でTicWatch ProでGoogle音声アシスタントを起動してみると、反応がワンテンポ遅れます。TicWatch Proは性能的には悪くないはず。TicWatch Proで遅れるわけですから、他のスマートウォッチではもっと遅いのかもしれません。

TicWatchでGoogle音声アシスタントを起動
TicWatch Proの音声アシスタント起動はワンテンポ遅れる

Siriのほうが使いやすいと思う理由はまだありまして、Apple Watchは「Hey Siri」というトリガーワードなしでSiriを起動する機能があります。Google音声アシスタントもボタンを押して起動すればトリガーワードなしで使えるのですが、そういうことではなく、Apple Watchはいきなり話しかけて使えるんですよ。

「手首を上げ話す」をオンにすると、Hey Siriなしで起動できる
「手首を上げ話す」をオンにすると、Hey Siriなしで起動できる

Apple Watchの「設定」から「Siri」>「手首を上げて話す」をオンにしておくと、操作したりトリガーワード言うことなく、Apple Watchを口元に持っていき話しかけるだけでSiriを使えます。いきなり「タイマー○分」と言っちゃっていいわけです。これはなかなか便利。

そういうわけで、音声アシスタントの使い勝手はApple Watchの勝ち、ですね。音声アシスタントはスマートウォッチととても相性がいい機能なので、Wear OSやWear OSスマートウォッチにはこれからに期待したいところです。

スマートウォッチでの通話はスマホとペアリング時のみ

Apple Watch、Wear OSスマートウォッチいずれにおいても、スマホとペアリングしている状態であれば、そのスマホにかかってきた電話を取り、そのままスマートウォッチで通話することが可能です。そしてスマートウォッチから発信、通話できます。

TicWatchの着信通知
ウォッチでの通話はペアリング時しかできないが、それでも十分便利だ

「○○に電話をかけて」という音声コマンドからの通話は非常に便利なので、ぜひ使ってみてほしいのですが、気になるのは「スマートウォッチ単体で通話できるのか(スマホとペアリングしてない状態で)」ということではないでしょうか。

余談ですが、単体で通話が可能なスマートウォッチはあることにはあります。しかしそのほとんどが海外向けであること、並行輸入品を購入したとしても対応バンドの問題もあります。仮に使えたとしても、スマホとスマートウォッチの電話番号が分かれてしまうことになるわけで…。

ひとつの電話番号をスマホとスマートウォッチで共有し、スマートウォッチ単体で通話することができるのは、現状Apple Watchのセルラーモデルのみです。さらに、ドコモ・au・ソフトバンクで指定のオプションに加入する必要があります(主回線はキャリアである必要ある)。便利といえば便利なのですが、ほとんどの人は常にスマホを持っているでしょうから、スマートウォッチ単体で通話することはないでしょう。

動作は遅くはないが、場面によってはもっさりしストレスを感じる

これはあくまでTicWatch Proの場合ですが、場面によってはうごきがもっさりし「ん?固まった?それとも動いているの?」という瞬間があったりします。これはアプリに起動時によく見られます。2回目の起動などそのアプリがバックグラウンドで動いているときはサッと起動してくれますが、そうでないときはもっさり。

TicWatch Proにはクアルコム社の「Snapdragon Wear 2100」が搭載されています。その後継として「Wear 3100」がありますが、搭載されているのはFossil Sportなどまだまだ限られている状態です。そもそもWear 3100でどれほど体感速度が向上するのかは分かりませんが、それでもサクサクとはいかないでしょう。

誤解のないように書いておくと、これはApple Watchと比較したときにそう感じるということです。TicWatch Proでも基本サクサク動いてくれるのですが、アプリの起動など特定の場面でもっさりと感じてしまうのです。Wear OSはWear 3100の登場で盛り上がりつつあるので、さらにこれから進化していくでしょうから、この部分はおいおい解決されていくのかもしれません。

Apple WatchはiPhoneがないと使えない

Apple Watchの最大のネックとしては、「AndroidスマホではApple Watchを使えない」という点です。iPhoneがないとセットアップすらできません。

Apple WatchはiPhoneがないと使えない
Apple WatchはiPhoneがないと使えない

AndoridスマホユーザーがApple Watchを選びたい場合、iPhoneに乗り換えるしか方法がないというのは結構なハードルです。Apple Watchの良さを知っている僕からするとApple WatchのためにiPhoneに乗り換えるのもありだとは思っていますが、現実問題かんたんな話ではないでしょう。

ユーザーを囲い込みたいのは分かりますが、いい製品だからこそもうちょっとオープンにしてほしいな、と思いますね。機能は少し制限されてしまうけど、Androidスマホでも使えるよ、となればもっと多くの人が興味を持つはずなので。だからAppleは…ってそういう話ではないですね、はい。

Wear OSスマートウォッチは発展途上だが、十分実用的に使える

「完成度」という意味では、間違いなくApple Watchのほうが上です。「Watch OS」はApple Watchで使うことを前提に開発されているOS。当然対応アプリもWatch OS、Apple Watchに最適化されているわけで、完成度が高く感じるのは当然かも知れません。

一方でWear OSスマートウォッチに対して「これからに期待…」という言葉が多くなってしまうのは、まだまだ発展途上な印象を受けてしまうからでしょう。と言っても今の時点で十分実用的であり、スマートウォッチに求められることにはしっかり応えてくれます。現状日本ではNFC決済が使えないという痛いポイントはあるものの、これからどんどん進化していくという楽しみを感じさせてくれます。なによりWear OSスマートウォッチは様々なメーカーが競うように発展してきているという強みがあります。それを考えるとますますこの先が楽しみです。

Apple WatchはiPhoneでしか使えない、というのは上で書いたとおりです。もしあなたAndroidユーザーなら、迷いなくWear OSスマートウォッチを選んでいいでしょう。普通に使えるし、普通にいい。スマートウォッチの便利さを体感するには十分です。なによりApple Watchよりかっこいい。。。Wear OSスマートウォッチも負けてないですね!

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この記事の著者

Apple製品まわりのガジェットを中心にレビューしているガジェット専門家。元家電量販店員で元スマホ販売員。レビュー記事では「で、実際のところはどうなの?」と言うことを大事にしています。
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