【レビュー】Appleの「MagSafeデュアル充電パッド」はスルーでOK!

【レビュー】Appleの「MagSafeデュアル充電パッド」はスルーでOK!

iPhone 12シリーズのモデルが対応するMagSafeアクセサリーに、「MagSafeデュアル充電パッド」が追加されています。価格はApple公式サイトで16,280円です。

iPhoneを充電するためのMagSafe充電器とApple Watchの磁気充電器がひとまとめになっており、折りたたむことでコンパクトになります。

「iPhoneとApple Watchを同時に充電できる!」
「これまで別々に持ち出す必要があった充電器がひとつになるなら便利!」
「これは旅行や出張時のいいお供になってくれるかも?」

と、一見は魅力的な充電器に見えます。しかし、このMagSasfeデュアル充電パッドはスルーでOK、税込で16,280円も出して買うもんじゃありません。

目次

MagSafeデュアル充電パッドでできること

MagSafeデュアル充電パッドは、MagSafeに対応するiPhone 12シリーズのモデル、そしてすべてのApple Watchモデルで使用できます。

Qi(チー)規格との互換性があるので、Qiワイヤレス充電対応のiPhone(iPhone 8以降のモデル)でも充電できるものの、その場合は極端に充電速度が遅くなってしまいます。わざわざMagSafeデュアル充電パッドを選ぶメリットはありません。iPhone 12シリーズのモデル向けの製品だと思っておいたほうがいいですね。

MagSafeデュアル充電パッド 付属品
USB-C充電器は別売

付属品はLightning – USB-Cケーブルのみで、USB-C充電器は別売です。

MagSafeデュアル充電パッドのLightningポート
側面のLightningケーブル差し込み口

側面にLightningケーブルの差し込み口があります。「USB-Cじゃないんだ……」とも思いましたが、iPhoneがLightinigであるうちは、これでよかったのかもしれません。

製品ページにサイズと重量の記載がなかったので、測ってみました。

MagSafeデュアル充電パッドのサイズ
MagSafeデュアル充電パッドとiPhone 12 mini

サイズは折りたたんだ状態で「約7.9 × 7.5 × 1.4cm」、広げた状態で「約16.1 × 7.5 × 7.8cm」でした。

MagSafeデュアル充電パッドの重量
重量は132gとずっしり

重量は約132g。iPhone 12 miniの重量が133gですから、軽いスマホ1台分の重さ。手に持ってみるとなかなかずっしり重みを感じます。

MagSafeデュアル充電パッドで最大14Wの充電を行うには、27W以上のUSB-C充電器が必要になる点には注意してください。最大11Wの充電には20W以上のUSB-C充電器が必要です。

MagSafeデュアル充電パッドをiPhone 12 miniで使用する場合、最大12W充電となります。これはMagSafe充電器も同じです。

MagSafeデュアル充電パッド AirPodsの充電
Qiワイヤレス充電対応のAirPods、AirPods Proも充電できる

Qi規格に対応するMagSafeデュアル充電パッドは、同じくQi規格に対応するAirPods(with Wireless charging Case)、AirPods Proの充電も行えます。

一台でiPhone、Apple Watch、AirPodsの充電をカバーできる点が、MagSafeデュアル充電パッドのメリットと言えます。

MagSafeデュアル充電パッドはスルーでOK!その理由

せっかく買ったのに、イライラしてまうほどMagSafeデュアル充電パッドの出番がありません。

僕が「スルーでOK」と思うのは、以下の3つの理由からです。

  1. そもそもMagSafe充電のメリットが少ない
  2. 荷物が減るわけじゃない
  3. 価格が高すぎる

理由1:そもそもMagSafe充電のメリットが少ない

MagSafe充電のセールスポイントは、確実かつ高速にワイヤレス充電できるところにあります。

MagSafeデュアル充電パッドのマグネット
大きいiPhone 12 Pro Maxがぶら下がるほどの磁力

このように強めにピタッとくっついてくれるので、Qiワイヤレス充電器でよくある位置ズレを起こすことはありません。

ただ、肝心の充電速度が中途半端なんですよね。確かにQiワイヤレス充電よりは速いんです。でも、有線での充電に比べると、充電速度はかなり見劣ります。

充電速度を比較してみる

そこでMagSafeデュアル充電パッドの充電速度を計測、他の充電方法と速度を比較してみました。ここでは分かりやすく、「30分間の充電で、バッテリー残量がどれくらいアップするか」を確認してみます。

結果は上のとおり。余談ですが、MagSafeデュアル充電パッドより高速に充電できるはずの「MagSafe充電器」の充電速度が遅いんですよね。これは体感としても感じているところなんですが、なぜでしょうか。

際立つのは有線での充電の速さ。たった30分間の充電にもかかわらず、バッテリー残量が51%もアップしています。

で、肝心のMagSafeデュアル充電パッドは、遅くもなく速くもなく、という感じですね。

MagSafe充電も有線充電も手間はかわらない

MagSafeデュアル充電パッドは、「Lightningケーブルを接続しなくちゃいけない」という点では有線充電と同じなんです。

MagSafeデュアル充電パッド どっちに挿す?

Lightinigケーブルを、MagSafeデュアル充電パッドではなくiPhoneに挿せば、より高速に充電できるわけです。

これが、僕自身MagSafeデュアル充電パッドの使用頻度が極端に低くなっている理由です。同じ挿すのなら、iPhoneに直接挿したほうが速いんです。おそらくほぼすべての人が、iPhoneに挿したくなるのではないでしょうか。

理由2:荷物が減りそうで減らない

「充電速度は有線に劣るけど、MagSafeデュアル充電器はApple Watchも充電できるんだぞ!」

確かにそのとおりです。初見時は、「これひとつでiPhoneとApple Watchが充電できるなら荷物が減るかも」と使い勝手の向上に期待しました。

iPhoneとApple Watchの充電器・ケーブルセット

iPhone、Apple Watchユーザーである僕が、旅行などで出掛ける際はだいたい上のようなセットになります。

これをMagSafeデュアル充電パッドに差し替えると、下のようになります。

iPhoneとApple Watchの充電器セット2
荷物が減るどころか重くなる

全然荷物が減ってませんよね。むしろ、MagSafeデュアル充電パッドはiPhone 12 mini一台分の重さがあるので総重量としては増えているはずです。

もしこの先、旅行にでかけられるようになっても、MagSafeデュアル充電パッドは家に置いてくるでしょう……。

理由3:価格が高過ぎる

そんなMagSafeデュアル充電パッドも、iPhoneもApple Watchもひとまとめにして充電できるというメリットがあります。ベッド脇や職場、愛車に置いておけば、活躍してくれる場面はあるでしょう。

しかし、MagSafeデュアル充電器の価格は16,280円と非常に高額です。気軽に「仕事場にひとつ置いておこうか」なんて思える価格ではありません。

19,580円出せばAirPodsが買えます。11,880円でHomePod miniが買えます。21,780円でApple Watch Series 3が買えます(税込)。

MagSafeデュアル充電パッドなんかを買わずに、HomePond miniを買ったほうがよっぽど幸せになれるはずです。

MagSafeデュアル充電パッド レビューまとめ

もしかすると、2020年でいちばん無駄な買い物だったかもしれません。使える使えないにしろ、ブログでご紹介するために購入するつもりではいたのですが、実際に使ってみて「これ、誰が得すんねん」という感想しかありません。

  • 充電速度が特別速いわけじゃない
  • 荷物は減らない上に、重い
  • 充電器としては高過ぎる価格設定

14,800円でMagSafeデュアル充電パッドを買うくらいなら、有線でiPhone高速に充電できる「20W USB-C電源アダプタ」を買って、残りでHomePod miniを買ったほうが絶対にいいです。

ちなみに、Apple Watchの磁気充電ケーブルの持ち運びには、Belkinのスタンドが便利ですよ(磁気充電ケーブルは別売)。

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この記事の著者

Apple製品まわりのガジェットを中心にレビューしているガジェット専門家。元家電量販店員で元スマホ販売員。レビュー記事では「で、実際のところはどうなの?」と言うことを大事にしています。
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