今回ご紹介するのは、最大40W & 2つのUSB-Cポートを搭載する充電器「Anker 521 Charger (Nano Pro)」です。
あえて先に結論を書きます。実際に使ってみた感想としては、「Anker 521 Chargerを選ぶ理由はない」というものでした。
その具体的な理由はこのあとご紹介しますが、充電性能・機能・サイズ・価格などを総合的に見て、他社製品も含め数多くのUSB充電器があるなかで、あえてAnker 521 Chargerを選ぶ理由が見当たりませんでした。
Anker 521 ChargerにUSB充電器として何か欠陥があるわけではありません。最大40W & 2ポート搭載USB-C充電器として問題なく機能しますし、Amazonのレビューを見ても多くの使用ユーザーが高評価を付けています。
本記事では「では他の充電器も含め何がおすすめなの?」というところについてもご紹介していますので、USB充電器をお探しの方はぜひ参考にしてみてください。
- 単ポートで最大40W出力に対応
- 2ポート同時使用時は20W + 20Wの出力が可能
- メタリック加工が施されたユニークなデザイン
- プラグを折りたためない
- 他製品と比較して割高感がある
- 他製品と比較して強みがない
Anker 521 Charger (Nano Pro)の仕様
- 2つのUSB-Cポートを搭載する充電器
- 合計最大40Wに対応(2ポート使用時は20W + 20W)
- ほとんどのスマホ・タブレットを急速充電できる十分な充電性能
仕様
詳しいAnker 521 Chargerの仕様は以下のとおりです。
Anker 521 Charger (Nano Pro)の仕様
製品名 | Anker 521 Charger (Nano Pro) |
---|---|
外観 | |
入力 | 100-240V 1.0A 50-60Hz |
USBポート | USB-C x 2 |
USB-C1/C2出力 | 5V=3A / 9V=3A / 15V=2.66A / 20V=2.0A(最大40W) 【PPS】3.3-16V=2.5A |
合計出力 | 最大40W(20W + 20W) |
サイズ | 約46 x 35 x 34 mm(プラグ含まず) |
重量 | 約85 g |
カラー | ブラック/ホワイト/ブルー/パープル |
パッケージ内容 | Anker 521 Charger (Nano Pro) 取扱説明書 |
保証 | 18か月 + 6か月(Anker会員登録後) |
価格(税込) | 4,790円 |
製品ページ | Amazon Anker公式 |
カラーバリエーションは全色4色あります。
私が今回購入したのは「ブラック」です。
パッケージ内容はAnker 521 Charger本体と取扱説明書のみ、USB-Cケーブルは別売となります。
対応する急速充電規格
USB充電チェッカーを使用して、Anker 521 Charger (Nano Pro)が対応する急速充電規格を確認しました。
- USB PD 3.0 / PPS(最大40W)
- Quick Charge 4+(下位互換あり)
- Apple 2.4A
USB PDのPDO(Power Data Object)は以下のとおりです。
PDOとは、充電器と接続デバイスの間でやり取りされる電流・電圧の組み合わせリストのことです。このリストの中から最適な組み合わせが選択され充電される仕組みです。
Anker 521 Charger は、PPS(Programmable Power Supply)充電に対応します。これはより効率よく充電できる機能のことで、主にAndroidスマホの一部がこれに対応します。
ただし、Anker 521 ChargerのPPSの仕様は「3.3-16V 2.5A」であるため、Galaxyスマホの一部が対応する超急速充電(25W)には対応しないので注意です。
Anker 521 Chargerの外観・デザイン
このように、USBポートのある面にメタリックな加工が施されたデザインとなっています。
鏡のように反射するメタリック加工ということもあり高級感がありますね。またユニークです。
メタリックな前面だけでなく、全面的に光沢のある質感となっています。ブラックを選んだこともあって、指紋汚れが目立ちますね。これはどの充電器もそうですが、気になる方はホワイトやブルーなどの明るいカラーを選んだほうがいいでしょう。
Anker 521 Chargerのプラグは折りたたみできません。プラグを折りたためるものとできないものとでは、持ち運びのしやすさがずいぶん違います。
私は持ち運び用の充電器には折りたたみ式プラグが必須だと考えています。固定場所で挿しっぱなしで使用するのであればOKですが、持ち運ぶことがあるのならプラグを折りたためる他製品を選んだほうがいいでしょう。
プラグのある面に製品の仕様やPSEマークなどが表示されています。
サイズはやや大きめ
Anker 521 Chargerのサイズは約46 x 35 x 34 mmとなっています。ただしこれはプラグを含まないサイズ。
プラグ込みのサイズを計測してみると、「約62 x 35 x 34 mm」でした。プラグ込みで見ると、40Wクラスの充電器としてはやや大きめのサイズとなります。
iPhone 13(146.7 x 71.5 mm)とのサイズ比較です。iPhone 14や12と同じサイズですので、もしお手元にあればサイズをイメージしていただきやすいかと思います。
MacBook Airに付属されている「Apple 30W USB-C電源アダプタ」とのサイズ比較です。
製品名 | Anker 521 Charger (Nano Pro) | Apple 30W USB-C電源アダプタ |
---|---|---|
サイズ | 約62 x 35 x 34 mm(プラグ込み) | 約56 x 56 x 28.5 mm |
体積 ※3辺を掛けた単純計算となります。 | 73.78 ㎤ | 89.38 ㎤ |
あえてプラグを含むサイズで計算してみると、Anker 521 Chargeのほうがコンパクトであることが分かります。やや大きめではあるものの、決して大きいサイズではありません。
重量を確認すると実測で84.56 gでした。公称が「約85 g」ですので公称値どおりの重量です。
サイズ・重量的には持ち運びに困ることはないですが、やはり「折りたたみ式プラグでない」ことが惜しいですね。ポケットへの収まりが悪くなりますし、出っ張ったプラグが他のものを傷つけてしまう可能性もあります。
最大40Wの充電性能をチェック
Anker 521 Chargerでいくつかのデバイスを充電してみて、何ワット程度で充電できているのかをチェックしてみます。
M2 MacBook Airでは実測39Wで充電できていました。Anker 521 Chargerを使えば、付属のApple 30W USB-C電源アダプタよりも高速にM2 MacBook Airを充電できます。
iPad Pro 12.9インチ(第5世代)では実測34Wで充電できていました。フルスピード充電できている状態ですね。Anker 521 Chargerほどの充電性能があればスマホ・タブレットなの小型・中型デバイスのほとんどをフルスピード充電できるでしょう。
2台のiPhoneを充電してると、それぞれ実測18Wで充電できていました。2ポート同時使用時は20W + 20Wで振り分けられます。スマホ2台なら同時に急速充電できますし、スマホ + タブレットの同時充電もこなしてくれます。
同時充電時の注意点としては、ケーブルの抜き差しによって充電の瞬断が発生すること。1秒程度で充電が再開されるため使用には問題ありません。
Anker 521 Chargerと他製品の違いを比較
Anker 521 Chargerと同じ40Wクラス・45Wクラスの充電器とサイズや重量、価格を比較してみました。
製品名 | Anker 521 Charger (Nano Pro) | Anker 523 Charger (Nano 3, 47W) | Belkin BOOST↑CHARGE™ デュアルUSB-C PDウォールチャージャー40W | UGREEN Nexode Mini 45W | CIO NovaPort DUO 45W | Anker 313 Charger (Ace, 45W) |
---|---|---|---|---|---|---|
外観 | ||||||
搭載ポート | USB-C x 2 | USB-C x 2 | USB-C x 2 | USB-C x 2 | USB-C x 2 | USB-C x 1 |
USB-C最大 | 40W | 45W | 20W | 45W | 45W | 45W |
USB合計最大 | 40W | 47W | 40W | 45W | 45W | 45W |
折りたたみ式プラグ | ✕ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
サイズ ※プラグ込み | 約46 x 35 x 34 mm | 約53 x 35 x 35 mm | 約71.9 x 58.2 x 29 mm | 約49 x 39.5 x 39.5 mm | 約45 x 36 x 29 mm | 約41 x 38 x 35 mm |
重量 | 約85 g | 約87 g | 約104 g | 約95 g | 約78 g | 約69 g |
価格(税込) | 4,790円 | 5,490円 | 2,498円 | 3,980円 | 4,378円 | 3,890円 |
1Wあたりの価格 | 119.75円 | 116.81円 | 62.45円 | 88.44円 | 94.59円 | 86.44円 |
1Wあたりの体積 | 1.84 ㎤ | 1.38 ㎤ | 3.03 ㎤ | 1.70 ㎤ | 1.04 ㎤ | 1.21 ㎤ |
1Wあたりの重量 | 2.13 g | 1.85 g | 2.60 g | 2.11 g | 1.73 g | 1.53 g |
販売ページ | Amazon Anker公式 | Amazon Anker公式 | Amazon | Amazon | Apple公式 Amazon | Amazon Anker公式 |
△ スマホでは横スクロールできます。
注目していただきたい部分を赤文字にしています。
Anker 512 Chargerの価格は4,790円(税込)となっており、その充電性能・サイズを考えるとどうしても割高に感じてしまいます。
2ポート搭載で単ポート40W以上の出力が可能なUSB充電器では、UGREEN Nexode Mini 45Wがもっとも安くなっています。
UGREEN(ユーグリーン)製品はどれもそうですが、コストパフォーマンスは抜群ですね。他メーカーと比べるとサイズや重量などでやや劣る点はあるものの、お手軽に選べる価格が魅力です。
CIO NovaPort DUO 45Wは、価格が4,378円(税込)とそこそこのお値段ですが、2ポート搭載&単ポート40W以上ではダントツのコンパクトさ・軽さです。
持ち運びする機会が多いのであれば、コンパクトで軽いCIO NovaPort DUO 45Wを推します。
上の表を見ていただいても分かるように、Anker 521 Chargerを選ぶ理由になるポイントがありません。挙げるとすれば、メタリック加工が施されたユニークなデザインでしょうか。
Anker 521 Charger (Nano Pro)レビューまとめ
今回は最大40W & 2ポートを搭載する充電器「Anker 521 Charger (Nano Pro)」をご紹介させていただきました。
評価としては辛口にはなってしまいましたが、販売価格が高いとどうしてもハードルが上がってします。「この価格なら違う充電器を選ぶよね」というのが正直なところです。このような評価となってしまったのは、やはり「価格の高さ」が大きいですね。
USB充電器としては仕様どおりに問題なく使えます。折りたたみプラグでないことは残念ですが、もの自体になにか問題があるわけではありません。
USB-C充電器については以下の記事でおすすめをご紹介しています。Anker 521 Chargerのようなコンセント一体型から、AC電源ケーブル付きの据え置き型充電器まで幅広くオススメをご紹介していますので、興味のある方はぜひこちらもチェックしてみてください。
こちらの記事もおすすめです!