キーボード沼とまではいかないものの、長かったキーボード探しの旅が、ついに終わったような気がしています。その旅の終着点が、東プレの「REALFORCE for Mac」です。
「for Mac」という名のとおり、リアルフォースのMac向けキーボードで、キーボード配置がMacに最適化されています。MacでもWindows向けキーボードを使うことはできるのですが、キー配置をカスタマイズする必要があったり、そもそもWindows向けのキートップの印字が違和感になります。Mac向けキーボードの発売を喜んだ人も多いかもしれませんね。
東プレ「REALFORCE for Mac」について
この「REALFORCE for Mac」ですが、大きく分けてテンキー付きのフルキーボードとテンキーレスタイプの2種類あります。僕はテンキーを使うことがないのと、省スペース化のためにもテンキーレスタイプを選びました。
その他、等荷重(30g)や変荷重とさらに分かれます。少しややこしいので、まとめておきましょう。
REALFORCE for Mac ラインアップ | 荷重 | 静音・APC | 配列 | 型番 |
---|---|---|---|---|
テンキーレス | 等荷重(30g) | 〇 | 日本語(JIS) | R2TLSA-JP3M-WH R2TLSA-JP3M-BK |
等荷重(30g) | 〇 | 英語(US) | R2TLSA-US3M-WH R2TLSA-US3M-BK | |
変荷重 | ー | 日本語(JIS) | R2TL-JPVM-WH R2TL-JPVM-BK | |
変荷重 | ー | 英語(US) | R2TL-USVM-WH R2TL-USVM-BK | |
フルキーボード | 等荷重(30g) | 〇 | 日本語(JIS) | R2SA-JP3M-WH R2SA-JP3M-BK |
変荷重 | ー | R2-JPVM-WH R2-JPVM-BK |
今回僕が選んだのは、上の表の一番上のモデル。ブラックを選びました。夜中に黙々と作業することが多いので、家族に迷惑をかけないためにも静音モデルにしました。キーボード配列は、馴染みのある日本語配列。冒険はしません。
「APC(アクチュエーションポイントチェンジャー)」というのは、キースイッチのオン位置を1.5mm/2.2mm/3mmの3段階に調節できる機能のこと。スピードを取るなら1.5mm、誤入力を減らしたいなら3mm、といった具合に調節します。
僕のキーボード歴
「REALFORCE for Mac」のレビューを書く前に、かんたんに僕のキーボード歴をご紹介しておきましょう。そんな立派なキーボード歴ではありませんが、どんなキーボードを使ってきた人が書いているのかが分かったほうがいいので、念のため。
WindosからMacに乗り換えて、初めて使用したキーボードが「Magic Keyboard」でした。
「なんておしゃれなキーボードなんだ!」と、しばらくは気に入って使っていたのですが、Magic Keyboardはキーストロークが浅く、「長時間使うには疲れる」と感じ、約1年使用し乗り換え。
その乗り換え先として選んだのが、東プレと同じく高級キーボードメーカーで知られるPFU社の「HHKB Professional BT」。「仕事で使うんだから、思い切っていいものを買おう」ということで購入。当時有線キーボードという選択肢はなかったため、必然とBluetooth接続に対応したこのモデルになりました。
約2年ほど、大きな不満なく使ってきましたが、ある日、家族にこう言われました。
ずーーっと思ってたんだけど、キーボードがカチャカチャと、ずいぶん大きい音だね。
要するに、「うるさい」ということだと思いますが、その後も無言の圧力を感じ、買い換えることに。音の大きさもそうですが、タイプミスが減らないこともあって、さらにキーボード探しの旅に出ます。
そして辿り着いたのが、リアルフォースというわけです。詳しいレビューに入っていきたいと思いますが、結論を先に言えば、めちゃくちゃ気に入っています。
REALFORCE for Macレビュー
HHKB Professional BT使用時に感じていた不満点は、主に3つ。
- 打鍵音が大きく、うるさい
- キー荷重が重め(45g)
- 接続がまれに不安定になる
HHKB BTは愛用者が多い、優良キーボード。肝心のキーの押し心地に関しては満足していたものの、不満がないわけではありませんでした。
これを踏まえた上で、リアルフォースをレビューしていきます。
リアルフォースとHHKBの打鍵音を比較
僕が購入したのは静音タイプ。実際に、かなり静かに感じました。HHKB BTもリアルフォース同様「静電容量無接点方式」。スコココと気持ちいい押し心地ではあるものの、同時にカチャカチャ音も割とあったりします。
文字で説明するのは難しいので、動画で比較してみました。
このように、音の大きさはかなり差があります。リアルフォースのほうがカチャカチャ感は少なく、マイルドな打鍵音。これがまた気持ちいい。価格も高いですが、音さえも高級感があります。
フェザータッチを体感!やっと出会えた感覚
「リアルフォースのフェザータッチというのは、このことなのか」と感動しました。30gと荷重は軽めで、肩の力を抜いてリラックスした状態で打ち付けるので、HHKB BTと比べても疲労度が全然違います。HHKB BTの荷重は45g。たった15gの違いで、これほど違うのかとびっくり。
僕が購入したリアルフォースは、キーのオン位置(アクチュエーションポイント)を1.5mm/2.2mm/3mmと3段階で調節できるようになっています。僕はもともと、MacBookのバタフライキーボードのように、なでるように軽く打ち込める打ち心地は嫌いじゃありません。というか、好みです。キーのオン位置を一番浅い1.5mmに設定しておくのが、僕に合っているようです。
キーのオン位置は、「REALFORCEソフトウェア」アプリでキー毎に変換することができます。普段はタイプミスを減らすために3mmに、ゲームプレイ時はレスポンスを速めるために1.5mmに、という使い方ができます。こだわりたい方はキー単体で設定することも可能です。
キーのオン位置は、いつでもキーボード上でかんたんに切り替えられます。リアルフォースユーザーからするとお馴染みの機能かもしれませんが、リアルフォースが初めての僕にとっては、いろいろと驚かされることが多いですね。
操作方法に関しては、付属の「ユーザーズマニュアル」が分かりやすかったので、紹介しておきます。
マニュアルは下のリンクからダウンロードできます。
テンキーレスでもサイズは大きめ
もともとテンキーは使わないですし、省スペース化のためにもテンキーレスタイプを選びましたが、HHKB BTと比べるとひとまわり以上大きいですね。多分、これが普通なんだろうけど、Magic Keyboard→HHKB BTと使っている僕にとっては、リアルフォースがかなり大きく感じてしまいます。
HHKB BTはファンクションキーが数字キーと一体になっており、サイズは特に小さい。ただキーが少ないぶん、ファンクションキーを押しながら操作する必要がある場面が多いんですよね。
リアルフォースのファンクションキーの機能は、「切り替えキー」で通常FnキーとMac特殊キー(再生コントロールやディスプレイの輝度調節など)を切り替えられます。
キーボード上でかんたんに切り替えられるのは地味に便利ですね!もちろん、
そして、ちょっと気になるのが、リアルフォースの重さ。これまで、MacBookでがっつり作業したいときは、HHKB BTを一緒に持ち出していましたが、リアルフォースは厳しいですね。
重量を量ってみると、ケーブル込みでなんと1kg越え!軽めのノートパソコン並みの重量!持ち運びは諦めて、必要なときはHHKB BTを持って行くことにします。
初めて購入した有線キーボード
思い返してみれば、これまで購入してきたキーボードはすべてワイヤレス。マウスからイヤホン、ヘッドホンと、好んでワイヤレスを選んできました。ケーブルはないに越したことはないですしね。ワイヤレスは遅延というデメリットがつきまといますが、ワイヤレスというメリットは大きい。
いまのところ、リアルフォースでは有線という選択肢しかありません。有線キーボードは、遅延が少なく、充電の必要がないというメリットがあります。実際、ワイヤレスのHHKB BTでは、接続が不安定になるという不満点もありました。それでも、ワイヤレスというメリットも捨てがたい…。
この辺は賛否両論ありそうですが、ワイヤレスに対応したリアルフォースが発売されたとしたら、僕は即買いですね。
ついにキーボード沼から抜け出したか…!
REALFORCE for Macを手にしたいま、ついにキーボード沼から抜け出した…気がします。このフェザータッチと呼ばれる軽いキータッチ。スコスコスコと心地よい押し心地と高い静音性。約1か月ほど使用していますが、ほぼ不満なく使用していますし、明らかにタイプミスが少なくなりました。ミスが減ったのと同時に、タイプ速度も向上しているので、そういう意味では、安くない金額を投資した甲斐があります。
「ほぼ」満足していると書いたのは、やっぱり「このキーボードをワイヤレス環境で使えたら最高なのに」という思いがどっかにあるからかもしれません。キーボード入力に低遅延が求められるシーンは限られているだろうし、これまでワイヤレスキーボードしか選んでこなかった僕にとっては、「ケーブルが邪魔だな」と思ってしまうこともたまにあります。
とはいえ、この快適な入力を実現できるのはさすがです。「これが東プレ、リアルフォースなのか」と思いしらされました。しかも、Macに最適化されているキーボードは位置で使えるのは嬉しい。
価格は3万円超と、気軽に手を出せない高級キーボードですが、「生産性を高めてくれる道具」だと考えれば、投資してみる価値はあるかと思います。このキーボードが、価格以上に稼いでくれれば元が取れるわけですからね!
ちなみに、僕は楽天市場で購入しました。いつもAmazonを利用することが多いのですが、Amazonには「REALFORCE for Mac」はあったものの、テンキーレス版がありませんでした。Macユーザーで、Magic Keyboard以外の選択肢を探しているのなら、REALFORCE for Macを候補に加えて欲しい!その価格がゆえ、「全Macユーザーが使うべき!」とは言えませんが、使ってみれば分かるこの良さ、ぜひおすすめしたいキーボードです。
◎テンキーレス
◎テンキーあり