コンパクトで軽量なLogicool(ロジクール)の人気ワイヤレスマウス「MX Anywhere 3」が、2020年10月29日に発売されました。
前モデルの「MX Anywhere 2S」を愛用している身としては、新しく登場したMX Anywhere 3の存在は非常に気になる存在。買い換えの必要性は感じていませんでしたが……「マウスは毎日使うものだしな」と自分に言い訳をつけ購入、実際に使ってその使い心地を確認してみました。
Logicool「MX Anywhere 3」
まずMX Anywhere 3の特徴をまとめてみましょう。
MX Anywhere 3の特徴
- コンパクトで軽量
- 「MagSpeed電磁気ホイール」で自動的に高速スクロールにシフト
- ガラス面でも正確にトラッキング(ダークフィールドセンサー)
- 6ボタン
- 充電用USB-Cポート
- 1回のフル充電で70日間使用可能
- 「Logicool Options」でボタンカスタマイズ
- 最大3台のデバイスをシームレスに切り替えられる「Flow機能」
前モデルMX Anywhere 2Sとの大きな違いは、「MagSpeed電磁気ホイール」の搭載です。
MX Anywhere 2Sのホイールは機械式で、高速スクロール(フリースピン)に切り替えるためには、ホイールを強めに押し込む必要がありました。MX Anywhere 3のMagSpeed電磁気ホイールなら、通常の一行ごとのスクロールと高速スクロールが、スクロールする指の力の強弱によって自動的に切り替わります。
さらにMX Anywhere 3では充電用のUSBポートが「Type-C」に変更されています。これは当然の流れですね!
なお、MX Anywhere 3には「通常版」と「for Mac」の2種類あります。基本的な仕様は同じですが、付属品などが一部異なります。
MX Anywhere 3「通常版」と「for Mac」の違い
通常版 | for Mac | |
MacOSに最適化されたBluetooth接続 | ─ | 〇 |
Unifyingレシーバー対応 | 〇 | ─ |
付属充電用ケーブル | Type-A to Type-C | Type-C to Type-C |
カラー | グラファイト ペイルグレイ ローズ | ペイルグレイ |
僕はMac・WindowsどちらのOSでも使いたかったので「通常版」を購入しました。通常版をMacにBluetooth接続していますが、目立つ遅延もなく快適に使えているので、さほど気にしなくていいかと思います。
MX Anywhere 3の仕様
その他MX Anywhere 3の細かい仕様をまとめておきます。
MX Anywhere 3の仕様
通常版 | for Mac | |
MagSpeed磁気スクロール | 1行ごとのスクロールから、フリースクロール(1秒に最大1,000行スクロール)に自動的にシフト | |
センサー | ダークフィールドセンサー(1000dpi)ガラス面でも正確に認識 | |
DPI | 200dpi~4000dpi(50dpi刻みで設定可能) | |
ボタン | 6ボタン | |
Bluetooth | Bluetooth low energy10mのワイヤレス動作距離 | |
Unifyingレシーバー | 付属 | 付属なし |
バッテリー | 2時間のフル充電で70日間1分間の充電で最大3時間 | |
サイズ | 高さ: 34.4mm、幅: 65mm、奥行き: 100.5mm | |
重量 | 99g | |
カラー | グラファイト/ペイルグレイ/ローズ | ペイルグレイ |
なお、MX Anywhere 3のシステム要件は以下のとおりです。
MX Anywhere 3のシステム要件
USBレシーバー | 必須:USBポート Windows 10 以降 macOS 10.15 以降 ChromeOS Linux |
Bluetooth | 必須:Bluetooth low energyテクノロジー Windows 10 以降 macOS 10.15 以降 iPadOS 13.4 以降 Chrome OS Linux |
MX Anywhere 3 レビュー!
ということで、レビューに入っていきましょう!
筆者の一軍マウスに即昇格!
一時「マウス沼」にハマっていたことがあって、Logicool製のワイヤレスマウスをずいぶんと買い集めてしまいました。
MX Anywhere 3を手にする前までは、前モデルのMX Anywhere 2Sをメインのマウスとして愛用していました。上位モデルの「MX Master 3」は僕の手には大きいですし、コンパクトな「M590」は機能的に物足りません。
いろいろ試した結果、コンパクトで高性能なMX Anywhere 2Sを愛用していたわけですが、MX Anywhere 3の登場でこれが即一軍マウスに昇格、お気に入りのマウスになりました。
見た目の高級感がアップ
MX Anywhere 3は、前モデルより高級感がアップしています。
新しく搭載されたスチール製のMagSpeed電磁気ホイールが光ってますね!シルバーの部分はプラスチック製ですが、安っぽくはありません。
シリコン製のサイドグリップのデザインもモダンで良い感じです。
MX Anywhere 3とMX Anywhere 2Sのサイズ・重量比較
MX Anywhere 3 | MX Anywhere 2S | |
高さ | 34.4 mm | 34.4 mm |
横幅 | 65 mm | 61.6 mm |
奥行き | 100.5 mm | 100.3 mm |
重量 | 99 g | 106 g |
MX Anywhere 3を初めて手に持ったとき、「少しグリップしやすくなったかな?」と感じたのは、2Sより少し横幅が大きくなったからですね。僕は人差し指と小指でつまむようにしてマウスを操作するのですが、より操作しやすくなりました。
さらに使い勝手が向上
MX Anywhere 2Sのホイールは、ホイールを押し込むことで1行ごとのスクロールと高速スクロールを切り替えられる構造になっています。
一方でMX Anywhere 3搭載のMagSpeed電磁気ホイールは、その切り替えが自動的に行われます。高速スクロールしたいときは、ホイールをはじくようにして操作します。
WEBページのほとんどは縦に長いですから、この高速スクロールが便利なんです。1秒間に1,000行スクロールできるほど高速で、どんなに縦に長いWEBページでも瞬時で最上部・最下部に移動できます。
ちなみに、親指でサイドボタンを押しながらスクロール操作することで「水平スクロール」が可能です。地味ながらこの機能も便利なんですよね。頻繁じゃないにしても、水平スクロールができないと作業効率が下がってしまいます。
MX Anywhere 3はバッテリー充電式。前面のUSB-Cポートを使って充電します。1回のフル充電で70日間の使用が可能。
バッテリー持ちが良すぎると逆に充電を忘れてしまうことがありますが、MX Anywhere 3は1分間充電するだけで最大3時間の使用が可能です。バッテリー持ちに関して困ることはないでしょう。
便利なボタンカスタマイズとFlow機能
「Logicool Options」アプリによるボタンカスタマイズ、最大3台までのデバイスをシームレスに切り替えられる「Flow機能」と、便利な機能はMX Anywhere 3でも健在です。
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作業効率アップに必要不可欠の「ジェスチャー機能」
特にLogicool Optionsによるボタンカスタマイズは、MX Anywhere 3を便利に使う上で、ぜひ使いこなしたい機能です。
僕がLogicool製マウスを好んで選ぶ理由が、まさにこれなんですよね!特にボタンを押しながらの上下左右の操作に、それぞれ機能や操作を割り当てられる「ジェスチャー機能」が便利過ぎます。
ジェスチャー機能は左右クリック以外の4つのボタンに設定できます。
よく使う操作、例えばコピペやウインドウ操作などのショートカットを設定しておけば、作業効率アップに役立てられます。
シームレスに接続先を切り替えられる「Flow機能」
MX Anywhere 3の裏面にあるボタンを押して、接続先のデバイスをかんたんに切り替えられます(最大3台)。
ボタンによる接続先切り替えは珍しい機能ではないのですが、「Flow機能」を使えば、ボタン操作なしに接続先を切り替えられます。これがまたすごい機能なんです。
上のように、画面の端にカーソルを持っていくだけで、シームレスに接続先を切り替えられるんです。しかも「Windows + Windows」のように同じOS間だけでなく、「Windows + Mac」という組み合わせでもOK。
さらに、Flow機能を使えば「コピーしたテキストやファイルを、切り替えた先のデバイスで貼り付ける」なんてことも可能です。例えばWindowsパソコンに入っている画像データをコピー、そのままMacにカーソルを持っていき貼り付けて画像編集する、ということができるわけです。
ここまでくると、まるでデュアルディスプレイ環境が組まれているかのようですね!Flow機能では、最大3台までのデバイスを接続できます。「複数台のデバイスを同時に扱うことが多い」という人なら、ぜひ活用したい機能です。
大きめのクリック音が気になる
マウスにとっては肝心の「使い勝手のよさ」については、正直一切の文句のつけようがありません。大満足です。
ただ一点、気になるのは、「大きめのクリック音」です。
これはMX Anywhere 2Sでも気になっていたんですよね。コンパクトで軽量なマウス、ということは、必然と持ち出して出先で使うことも多くなります。「むしろ、出先での使用がメイン」という人もいるかもしれません。
出先で使うときの環境によっては、このクリック音が邪魔になるわけです。クリック音が大きいと、自分は気にならなくても周りに迷惑がかかってしまいますよね。
決して「めちゃくちゃうるさい」というわけではありません。一般的なマウスと同じレベルではあります。ただ静かなカフェで使うには厳しいかな、という印象です。
MX Anywhere 2SよりはMX Anywhere 3のほうが少し静かになっていますし、MagSpeed電気磁気ホイールはほぼ無音です。その点はまだ「マシ」ですね。個人的にはMX Anywhere 3の静音モデルを出して欲しい!
MX Anywhere 3 レビューまとめ
「もうちょっとクリック音が静かになれば」という不満点があるものの、自宅で使うぶんには気になりません。自分が使っていてクリック音が気になることもないですし、僕としては許容範囲内ですね。
その他の「手に馴染むコンパクトなサイズ」や「軽さ」、「使い勝手のよさ」には大満足しています。MagSpeed電磁気ホイールの便利さはMX Masterシリーズで知っていましたが、高速スクロールはやはり便利です。
すでにMX Anywhere 2Sをお持ちの方は、無理に買い換える必要はないかと思います。もちろんMagSpeed電磁気ホイールに魅力を感じればアリですが。
「コンパクトで高性能なワイヤレスマウス」の購入を検討しているのなら、MX Anywhere 3を強く推します!ぜひ使ってみてください!