今回ご紹介するのは、USB PD 3.1・単ポートで最大140Wに対応するUSB充電器、MATECH(マテック)「Sonicharge 140W」のレビューです。
USB PD 3.1による100Wを超える充電に対応するデバイスは限られるものの、MacBook Pro 16インチ(2021)やゲーミングノートPCの一部が最大140WのUSB PD充電に対応するなど徐々に増えつつあります。
充電性能や外観、「他のUSB PD 3.1対応充電器と比較してどうなの?」というところについてもご紹介していますので、興味のある方はぜひ参考にしてくてみださい!
MATECH Sonicharge 140W レビュー
MATECH(マテック)は、USB充電器などを販売する京都発のブランドです。同ブランドのUSB充電器をいくつかレビューしましたが、どれも強みがはっきりしていて魅力的な製品ばかりでした。
MATECH Sonicharger 140Wの強みは、まさに最大140Wと超パワフルな充電性能です。MacBook Pro 16インチ(2021)など140W充電に対応するデバイスをお持ちの方は要チェックです!
MATECH Sonicharge 140Wの仕様
まず、MATECH Sonicharge 140Wの仕様をまとめました。
製品名 | MATECH Sonicharge 140W(MT-SC140) |
---|---|
搭載ポート | USB-C1 x 1(最大140W) USB-C2 x 1(最大100W) USB-A x 1(最大30W) |
USB-C1出力 | 5V=3A / 9V=3A / 12V=3A / 15V=3A / 20V=5A / 28V=5A(最大140W) PPS出力:3.3V-21V=5A |
USB-C2出力 | 5V=3A / 9V=3A / 12V=3A / 15V=3A / 20V=5A(最大100W) |
USB-A出力 | 5V=3A / 9V=3A / 12V=2.5A / 20V=1.5A(最大30W) |
合計出力 | 最大140W |
入力 | 100-240V ~ 2.3A 50-60Hz |
サイズ | 約73.2 x 73 x 29 mm |
重量 | 約257 g |
折りたたみ式プラグ | 〇 |
パッケージ内容 | MATECH Sonicharge 140W 最大100W充電対応USB-C to Cケーブル(2m) 収納ポーチ 取扱説明書(日本語対応) |
価格(税込) | 8,980円 |
パッケージ内容・付属USB-C to Cケーブルについて
パッケージ内容は以下のとおりです。
USB-C to Cケーブル(2m)に加え、USB充電器には珍しく収納ポーチが付属します。
付属USB-C to Cケーブルの仕様ををUSB Cable Checker 2で確認してみたところ、eMarker内蔵で最大100Wまでの充電に対応しています。
USB 2.0対応でデータ通信は可能ですが、基本的には充電メインの性能ですね。ただし、USB PD 3.1には未対応で最大100W充電までという点にはご注意ください。
複数ポート同時使用時のワット数
MATECH Sonicharge 140Wには、2つのUSB-Cポート・1つのUSB-Aポートの合計3つのUSBポートが搭載されています。
複数ポートを同時使用したときは電力が振り分けられることになります。その際の「電力の振り分け方」についてまとめました。
同時使用ポート数 | ポートの組み合わせ | 出力 |
---|---|---|
単ポート | USB-C1 | 最大140W |
USB-C2 | 最大100W | |
USB-A | 最大30W | |
2ポート | C1 + C2 | 100W(C1) + 20W(C2) |
C1 + A | 100W(C1) + 18W(A) | |
C2 + A | 10W(C2) + 10W(A) | |
3ポート | C1 + C2 + A | 100W(C1) + 10W(C2) + 10W(A) |
USB-C1とUSB-C2を同時に使用したとき、100W + 20Wという振り分けになります。ノートPC + スマホの同時充電なら十分使えますが、2台のノートPCを充電するのには向いていない仕様ですね。
また、USB-C2とUSB-Aの組み合わせにおいて最大20Wとなってしまう点に注意です。
対応する急速充電規格
続いて、MATECH Sonicharge 140Wが対応する急速充電規格をまとめました。
USBポート | 対応する急速充電規格 |
---|---|
USB-C1 | USB PD 3.1 / PPS Quick Charger 3.0/2.0 Fast Charge Protocol Smart Charge Protocol Adaptive Fast Charging Samsung 2.0A Apple 2.4A |
USB-C2 | USB PD 3.0 Quick Charger 3.0/2.0 Fast Charge Protocol Smart Charge Protocol Adaptive Fast Charging Samsung 2.0A Apple 2.4A |
USB-A | Quick Charger 3.0/2.0 Fast Charge Protocol Smart Charge Protocol Adaptive Fast Charging Samsung 2.0A Apple 2.4A |
USB電流・電圧チェッカーで取扱説明書にある内容と相違ないかどうか確認してみましたが、大丈夫ですね。相違ありません。
USB-C1ポートはUSB PD 3.1に加えPPS充電にも対応します。GalaxyやXperia、Google Pixelの一部モデルといったPPS充電対応デバイスをお持ちの方は、その恩恵を受けられます。
外観・サイズ・重量をチェック
本体サイズは約73.2 x 73 x 29 mmです。
MATECH Sonicharge 140W単体で見るとそれなりのサイズなのですが、同じ最大140WのUSB-Cポートを搭載するApple 140W USB-C電源アダプタと比較してみると、実はコンパクトであることが分かります。
プラグは持ち運びに便利な折りたたみ式です。
プラグがある面には充電に関する仕様とPSEマークなどが表示されています。
重量をスケールで量ってみると、270gと表示されました。公称では「約257 g」となっており、10gちょっとの差があります。これくらいの差であればほぼ公称値どおりと言っていいでしょう。
そこそこ重量はあるものの、特にコンセントから抜け落ちたりということはありません。Apple 140W USB-C電源アダプタと比べれば、コンセント差し込み口が連なる電源タップでも使いやすいかと思います。
単体で見るとそれなりに大きく感じますが、最大140Wという充電性能を持つ充電器と考えれば、コンパクト & 軽量にまとめられているかと思います。
これくらいなら持ち運びも容易にできますし、USB-Cポートに加えUSB-Aポートも搭載されているので、ワイヤレスイヤホンやワイヤレスマウスなどの小型デバイスの充電にも対応できます。
USB PD 3.1 & 最大140Wの高い充電性能
USB PD 3.1 & 最大140Wの充電性能を確かめるために、最大140W充電に対応するMacBook Pro 16インチ(2021)を充電、どれくらいのワット数で充電できているかを見てみます。
すると、100Wを超える約115Wで充電できていました。140Wには届いていませんが、実際に充電されるワット数はこのあたりです。
MacBook Pro 16インチをApple 140W USB-C電源アダプタで充電したときも、実際のワット数は110W前後となります。MATECH Sonicharge 140WはApple 140W USB-C電源アダプタと同等の速度で充電できると言っていいでしょう。
次に、MATECH Sonicharge 140Wで、最大140Wの入出力に対応するモバイルバッテリー「Anker 737 Power Bank (PowerCore 24000)」を充電してみます。
Anker 737 Power Bankには、各USBポートの入出力状況を確認できるスクリーンが搭載されています。MATECH Sonicharge 140Wで充電してみると、約118Wでモバイルバッテリー本体を充電できていることが分かります。
24000mAh搭載の大容量モバイルバッテリーにかかわらず、140W充電なら50分かからずにフル充電できちゃいます。
Anker 737 Power Bankは、USB PD 3.1 & 最大140W充電に対応する超パワフルなモバイルバッテリー。興味のある方はこちらもチェックしてみてください。
ノートPCとスマホを同時に急速充電できる
2つのUSB-Cポートを同時に使用したとき、100W + 20Wという電力振り分けになります。ということは、USB PD充電に対応するノートPC + スマホを同時に急速充電できます。
最大100WのUSB PD充電に対応するASUSのゲーミングノートPCとiPhone 12 Pro Maxを同時充電しています。
ノートPCでは約93Wで充電できています。仕様どおり20V/5A(100W)でネゴシエーションされていました。
iPhoneでは約19Wで充電できていますね。仕様では最大20Wですから、こちらも仕様どおりです。
複数ポートを搭載する100WクラスのUSB充電器のなかには、60W + 60Wというような振り分けになるものがあります。ノートPC + スマホという組み合わせだと、ノートPCの充電は60Wだとパワー不足ですし、スマホの充電は60Wだとオーバースペックとなってしまいます。
MATECH Sonicharge 140Wの場合は、100W + 20Wという振り分けになるので、ノートPCとスマホの同時充電にはちょどいいですね。複数デバイスを同時充電する方は、この同時充電時の電力の振り分けをチェックしておきましょう。
最大140Wクラスの他の充電器とサイズ・重量を比較
USB PD 3.1 & 単ポートで140W充電に対応するUSB充電器は、MATECH Sonicharge 140W以外にもあります(数は少ないですが)。
ここでは、MATECH Sonicharge 140Wを含む、最大140W充電に対応する4つのUSB充電器のサイズ・重量を比較してみます。
140W充電器 | 搭載ポート | サイズ | 重量 | 価格(税込) |
---|---|---|---|---|
MATECH Sonicharge 140W | USB-C1:最大140W USB-C2:最大100W USB-A:最大30W | 約73.2 x 73 x 29 mm | 約257 g | 8,980円 |
UGREEN Nexode 140W充電器 | USB-C1:最大140W USB-C2:最大100W USB-A:最大22.5W | 約75.9 x 75.9 x 34.7 mm | 約294.5 g | 14,980円 |
Apple 140W USB-C電源アダプタ | USB-C:最大140W | 約96 x 75 x 28 mm | 約278 g | 13,800円 |
Anker 717 Charger | USB-C:最大140W | 約68 x 59 x 31 mm | 約235 g | 9,990円 |
MATECH Sonicharge 140Wと同じ3ポートを搭載し、充電性能も近い「UGREEN Nexode 140W充電器」と比較してみると、サイズ・重量はMATECH Sonicharge 140Wのほうが小さいですね。
サイズ・重量だけでなく価格もMATECH Sonicharge 140Wのほうが安いですし、両者で迷ったならMATECH Sonicharge 140Wでいいでしょう。
「よく持ち運ぶのでサイズ・重量を重視したい」という方であれば、「Anker 717 Chareger(最大140W)」がおすすめです。
1ポートのみとなりますが、140Wクラスでは最小・最軽量クラスです。持ち運ぶことが多いのならAnker 717 Charger(140W)がおすすめ。
ただ一緒に持ち歩くデバイスによってはUSB-Aポートが必要な場合もありますし、このへんは使い方次第といったところでしょうか。
MATECH Sonicharge 140W レビューまとめ
本記事では、USB PD 3.1 & 最大140Wに対応する「MATECH Sonicharge 140W」をご紹介させていただきました。USB PD 3.1のUSB PD充電に対応するデバイスは限られるものの、お持ち方であれば本製品が活躍してくれるはずです。
実際に使ってみて注意したほうがいいと感じたのは、複数ポート同時使用時の電力の振り分けられ方です。
同時使用ポート数 | ポートの組み合わせ | 出力 |
---|---|---|
単ポート | USB-C1 | 最大140W |
USB-C2 | 最大100W | |
USB-A | 最大30W | |
2ポート | C1 + C2 | 100W(C1) + 20W(C2) |
C1 + A | 100W(C1) + 18W(A) | |
C2 + A | 10W(C2) + 10W(A) | |
3ポート | C1 + C2 + A | 100W(C1) + 10W(C2) + 10W(A) |
先でもご紹介しましたが、2つのUSB-Cポートを同時に使用したときには100W + 20Wになります。ノートPC + スマホの同時充電には向いていますが、たとえばノートPC + ノートPCといった組み合わせには向いていません。
実際のところ2台のノートPCを同時充電することはほぼないかと思いますので、私としては100W + 20Wの振り分けのほうが便利ですね!ハマる人にはハマる超パワフルなUSB充電器。ぜひチェックしてみてください!