今回ご紹介したいのは、Anker(アンカー)の超大容量 & 超パワフルなモバイルバッテリー「Anker 737 Power Bank (PowerCore 24000)」です。
これ、ただのモバイルバッテリーじゃありません。USB PD 3.1に対応し、なんと単ポートで最大140Wの出力が可能なモバイルバッテリーなんです。
私の環境では、MacBook Pro 16インチ(2021)が最大140Wの充電に対応しています。
MacBook Pro 16インチのほかにも、USB PD 3.1による100Wを超える充電に対応するノートPCが登場しはじめていますが、Anker 737 Power Bankは、ズバリこのような方におすすめです。
- USB PD 3.1による充電に対応するデバイスをお持ちの方
- 2台のノートPCを同時に充電したいという方
- 本体を超高速で充電できるモバイルバッテリーをお探しの方
大容量・パワフルなモバイルバッテリーはたくさんありますが、Anker 737 Power Bankはそのなかでもあたまひとつ抜き出たスペックを持ちます。
ただ超高スペックな製品だけに、万人におすすめできるモバイルバッテリーではないということには注意です。
例えば「MacBook Airとスマホを同時充電できればいい」という方にはAnker 737 Power Bankはおすすめできません。その組み合わせの同時充電なら、最大100W程度の出力に対応するモバイルバッテリーで事足ります。Anker 737 Power Bankは完全にオーバースペックですね。
それでもロマンのあるモバイルバッテリーであることには違いありません。興味のある方はぜひ最後までご覧ください!
Anker 737 Power Bankの仕様・特徴
まずは、「Anker 737 Power Bankってどんなモバイルバッテリーなの?」というところをご紹介させていただきます。
Anker 737 Power Bankの仕様
↓ 左右にスワイプ・ドラックして回転させられます。
Anker 737 Power Bankの仕様をまとめました。
製品名 | Anker 737 Power Bank (PowerCore 24000) |
---|---|
バッテリー容量 | 24000 mAh |
搭載ポート | Type-C x 2 Type-A x 1 |
Type-C1 / C2出力 | 5V=3A / 9V=3A / 15V=3A / 20V= 5A / 28V=5A (最大140W) |
Type-A出力 | 5V=3A / 9V=2A / 12V=1.5A (最大18W) |
合計出力 | 最大140W |
Type-C1入力 | 5V=3A / 9V=3A / 15V=3A / 20V= 5A / 28V=5A (最大140W) |
サイズ | 約156 x 55 x 49 mm |
重量 | 約632 g |
カラー | ブラック(A1289011) |
パッケージ内容 | Anker 737 Power Bank (PowerCore 24000) 140W Type-Cケーブル (0.6m) 専用収納ポーチ 最大30か月保証(24か月保証、条件付きで+6か月) |
価格 | 19,990円(税込) |
バッテリー容量は24000mAhとなっています。Ankerによると、MacBook Proを約1回、iPhone 13を5回以上充電可能とのこと。ノートPCへの充電にも活用できる超大容量モバイルバッテリーです。
パッケージ内容には、140W充電に対応するType-Cケーブル(0.6m)、専用の収納ポーチが含まれます。
Type-Cケーブルにはコネクタ部分に「MAX 140W」と表示があります。USB PD 3.1に対応するType-Cケーブルは別で買うと高価ですので大切に置いておきましょう。
USB PD 3.1で最大140Wの入出力に対応
Anker 737 Power Bankの最大の特徴であり魅力が、最大140Wの入出力に対応することでしょう。
USB PD 3.0では最大100Wまでの充電となっていましたが、USB PD 3.1では、規格上最大240Wに引き上げられています。Anker 737 Power Bankは、このUSB PD 3.1に対応します。
Anker 737 Power Bankなら、USB PD 3.1による充電に対応する16インチMacBook Pro(2021)を140Wで急速充電できます。
出力だけでなく入力も最大140Wに対応することもポイントです。USB PD 3.1に対応する140W充電器を使用すれば、爆速でモバイルバッテリー本体を充電できます。
その爆速ぶりはレビュー内でご紹介しています。
対応する急速充電規格
USB充電チェッカーを使って、Anker 737 Chargerが対応する急速充電規格を確認してみました。
手元のUSB充電チェッカーでもUSB PD 3.1に対応することが確認できました。PPS充電にも対応するので、GalaxyやXperia、Google Pixelの一部のモデルが対応するPPS充電もカバーします。
あわせてPDOもチェック。商品説明ページに記載のある内容と相違ありません。
入出力のワット数を表示する「スマートディスプレイ」
Anker 737 Power Bankには、バッテリー残量や各USBポートの出力を確認できる「スマートディスプレイ」が搭載されています。
「期待するワット数で充電できているか」は、スマートディスプレイを見れば一目瞭然です。
また、バッテリーの劣化状況や充電サイクルの回数なども確認できます。
- バッテリー残量
- バッテリー残量がなくなるまでの目安時間
- バッテリー本体の充電が完了するまでの目安時間
- 各USBポートのリアルタイムな入出力状況
- モバイルバッテリーの温度
- トータルの出力容量
- トータルの入力容量
- バッテリーの状態(劣化状況)
- バッテリーの充電サイクルの回数
- スマートディスプレイ表示回数
Anker 737 Power Bankをレビュー
ということで、Anker 737 Power Bankのレビューに入っていきましょう!
外観・サイズ・重量について
Anker 737 Power Bankのサイズは、約156 x 55 x 49 mmとなっています。240000mAh搭載、さらにハイスペックということもあって、かなり大きめサイズ。
側面のボタンを押すことでスマートディスプレイを表示させられます。
2つのUSB-Cポート、1つのUSB-Aポートが並んでいます。上部のType-C1ポートのみ入出力に対応します。
裏面には充電に関する仕様とPSEマークなどが表示されています。
キッチンスケールに乗せると630gと表示されました。公称は「632g」ですので、公称値どおりですね。
500mlのペットボトルを軽く超える重量ですから、手に持つとずっしりきます。手持ちバッグに入れて持ち運ぶにはキツイ重量。
MacBook Pro 16インチ(355.7 x 248.1 x 16.8 mm)とのサイズ比較です。
M2 MacBook Air(304.1 x 215 x 11.3 mm)とのサイズ比較です。
他の25000mAhクラスのモバイルバッテリーと並べてみると、Anker 737 Power Bankはやや大きめですね。
製品名 | バッテリー容量 | サイズ | 重量 |
---|---|---|---|
Zendure SuperTank(左) | 27000 mAh | 約119 x 73 x 42 mm | 約500 g |
Anker 737 Power Bank(中) | 24000 mAh | 約156 x 55 x 49 mm | 約632 g |
Anker PowerCore III Elite 25600 87W(右) | 25600 mAh | 約184 x 82 x 24 mm | 約573 g |
前提として充電性能に差があります。なので一概にAnker 737 Power Bankが大きいとは言えませんが、持ち運ぶ上でそれなりのサイズ・重量があることは覚悟しておいたほうが良さそうです。
入出力が見えるスマートディスプレイが便利
バッテリー残量を数値で表示してくれるモバイルバッテリーは珍しくありませんが、入出力時のワット数まで表示してくれるものはなかなかありません。
このように、Anker 737 Power Bankでは各USBポートの入出力のワット数を確認できます。どのデバイスにどれくらいのワット数で充電できているか、きちんと急速充電できているかが丸わかりです。
バッテリー残量に加えて、充電中の出力に応じて「あとどれくらいの時間充電可能なのか」という目安も表示してくれるのは便利です。
そのほか温度や充電サイクルの回数や劣化状況を確認できたところでどうなんだ?という話ではありますが、参考にはなりますし、細かくバッテリーの状態を確認できるのは単純に面白いですね!
手元のUSB充電チェッカーで確認してみると、Anker 737 Power Bankのスクリーン表示とわずかな差はあるもののほぼ一致していました。
MacBook Pro 16インチを140W充電
MacBook Pro16インチ(2021 / 2023)は、MagSafe 3コネクタからの最大140W充電に対応します。
Anker 737 Power Bankで充電してみて、MacBook Pro 16インチをどれくらいの速度で充電できるか、どれくらいバッテリー残量を回復させられるかを確認してみました。
充電開始時のバッテリー残量(MacBook Pro) | 30分経過 | 52分経過 | 60分経過 | |
---|---|---|---|---|
Anker 737 Power Bank | 6% | 62% | 83% ※ここでバッテリー切れ | ─ |
Apple 140W USB-C電源アダプタ | 5% | 60% | ─ | 89% |
参考にMacBook Pro 16インチ付属の140W USB-C電源アダプタで充電したときの数値を並べています。
注目して欲しいのは、充電を開始してから30分経過時点。Anker 737 Power Bankを使えば、たった30分の充電で50%超もMacBook Pro 16インチのバッテリー残量がアップしています。まるでスマホです。
モバイルバッテリーとは思えない充電性能です。
52分経過時点でAnker 737 Power Bankのバッテリー残量がゼロとなりましたが、Apple 140W USB-C電源アダプタと同等の速度で充電できていることが分かります。
バッテリー残量が少なくなっても出力が落ちないのはGOOD
高出力なモバイルバッテリーにありがちなのは、「モバイルバッテリーの残量が一定のパーセンテージを切ると、出力が低下する」というもの。
たとえばZendure(ゼンデュア)の最大100Wに対応するモバイルバッテリー「SuperTank」は、バッテリー残量が50%を切ると出力が100Wから60Wに低下してしまいます。
Anker 737 Power Bankでは、バッテリー残量が少なくなっても出力が落ちず、ギリギリまで頑張ってくれます。
上では、16インチMacBook ProのUSB-Cポートに接続して100W充電しています。バッテリー残量は2%と残りわずかというところですが、それででも約73Wで充電できています。
その様子をUSB充電チェッカーでモニタリングしてみると、Anker 737 Power Bankのバッテリー残量が100%〜10%までは約93W出力を維持(100W充電時)、バッテリー残量が9%〜0%では約80Wから約73Wの範囲で出力されていました。
「140Wに対応するデバイスを持っていない」という方でも、バッテリー残量が少なくなってもて頑張って出力を維持してくれるという点では、Anker 737 Power Bankを選ぶ理由で出てくるかと思います。
あらゆるUSB PDデバイスを急速充電
Anker 737 Power Bankほどの充電性能となると、もうなんでもこいです。
上ではM2 MacBook AirとiPad Pro 12.9インチを同時に充電しています。それぞれ約65Wと約34W、合計99Wほどで充電されており、まだ余力があります。
上ではゲーミングノートPCを充電。約96Wで充電できています。USB PD充電に対応するノートPCは多くなってきましたが、Anker 737 Power Bankならそれらの充電を楽ラクこなしてくれます。
USB PD充電に対応するほぼすべてのデバイスをフルスピードで充電可能です。
Anker 737 Power Bank本体の充電は爆速
モバイルバッテリーにとって、「モバイルバッテリー本体をいかに高速に充電できるか」は超重要です。モバイルバッテリー本体の充電に何時間もかかるようでは、肝心なときにバッテリー残量がない、なんてこともあり得ます。
その点、出力だけでなく入力も最大140Wに対応しているAnker 737 Power Bankなら、本体への充電も爆速です。
最大140Wに対応する充電器「Anker 711 Charger (140W)」でAnker 737 Power Bankを充電、0%の状態からフル充電にかかる時間を計測してみると、なんとたったの46分でフル充電できてしまいました。
24000mAhの大容量モバイルバッテリーを1時間かからずで充電できるわけですからスゴい。これならモバイルバッテリーが必要になったときにサクッとフル充電して持ち出せます。
このとおり、100Wを超えるワット数で充電できていました。モバイルバッテリーのバッテリー残量がモリモリ増えていくさまを見ると、なんだか気持ちいいですね!
MacBook Pro 16インチ(2021 / 2023)をお持ちの方は、付属のApple 140W USB-C電源アダプタでAnker 737 Power Bankを140W充電できます。
ちなみに、100W充電器でAnker 737 Power Bankを充電したとき、0%からフル充電にかかった時間は約1時間でした。
まとめ:ノートPCを急速充電したい方におすすめ
ここまでの充電性能を持つモバイルバッテリーになると、スマホやタブレットの充電がメインであれば、はっきり言ってオーバースペックです。
おすすめしたいのは、ノートPCなど大型デバイスを充電したい方です。「140Wなんて必要ない」という方でも、ノートPC + スマホやタブレットを同時に急速充電できますし、入力が140Wに対応し爆速で本体を充電できるのは魅力です。
140W充電に対応するデバイスを持っていなくても、140Wの恩恵を受けられます。
24000mAhバッテリーのモバイルバッテリーをたった46分でフル充電できてしまうわけですからね。25000mAhクラスのモバイルバッテリーなら、フル充電に2時間や3時間かかるのが普通です。
大きめのサイズと重量には目をつむる必要があるにしても、これほどの充電性能を持つモバイルバッテリーは現状Anker 737 Power Bankだけ。万人受けするモバイルバッテリーではないものの、久々にワクワクさせてくれるモバイルバッテリーでした!
- USB 3.1対応で最大140W充電が可能
- 入力も最大140Wに対応し本体を爆速で充電できる
- 24000mAhと十分なバッテリー容量
- 入出力のワット数が見えるスクリーン表示
- 環境によってはオーバースペックとなってしまう
- サイズが大きく重い
- 価格が高い
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