今回ご紹介するのは、Belkin(ベルキン)の7in1 USB-Cハブ「Belkin Connect USB-C Multimedia Hub(INC009btSGY)」です。
10Gbpsのデータ転送・100Wのパススルー充電・4K/60Hzの映像出力に対応、さらにSDカード/microSDカードスロットや有線LANポートも搭載する高機能・高性能なUSB-Cハブです。
詳しい仕様についてはこのあとご紹介していますが、Belkin 7in1 USB-Cハブは一般的に販売されているUSB-Cハブのなかでも高性能な仕様を持ちます。
USB-Cコネクタを搭載するノートPCやタブレット、Androidスマホで使えるUSB-Cハブをお探しの方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください!
Belkin 7in1 USB-Cハブの仕様・インターフェース
まずは、Belkin 7in1 USB-Cハブ(INC009btSGY)の仕様をチェックしてみます。
メーカー・製品名 | Belkin Connect USB-C Multimedia Hub(INC009btSGY) | |
---|---|---|
インターフェース | Type-C | USB 3.2 Gen2(最大10Gbpsデータ転送) 最大100Wのパススルー充電 ※1 |
Type-A1 | USB 3.2 Gen2(最大10Gbpsデータ転送) 5V ⎓ 1.5A | |
Type-A2 | USB 3.2 Gen2(最大10Gbpsデータ転送) 5V ⎓ 0.9A | |
SD | SD 3.0(UHS-I, 140MB/s) | |
microSD | SD 3.0(UHS-I, 140MB/s) | |
HDMI | HDMI 2.0(最大4K/60Hz) | |
有線LAN | 2.5Gbpsイーサネット | |
ケーブル長 | 24 cm | |
サイズ | 約12.4 x 5.1 x 1.5 cm | |
重量 | 約149 g(実測) | |
価格(税込) | 12,870円 | |
※ 入力最大100W、出力最大85W |
仕様について特に注目したいポイントをまとめると、
- USB Type-Cポートは最大100Wのパススルー充電に加えデータ転送にも対応する(出力は最大85W)。
- USBポートはUSB 3.2 Gen2対応で最大10Gbpsのデータ転送が可能。
- HDMIポートは最大4K/60Hzの映像を出力できる。
このようになります。
ちょっと珍しいなと思ったのは、USB-Cポートがパススルー充電に加えてデータ転送にも対応すること。他のUSB-Cハブでは、パススルー充電専用・データ転送専用それぞれのUSB-Cポートが用意されていることが多いので、必要に応じてデータ転送にも使えるのは便利!
また映像・音声を出力できるHDMIポートも、HDMI 1.4で最大4K/30Hzまでにしか対応しないUSB-Cハブが多いなかで、Belkin 7in1 USB-CハブはHDMI 2.0で最大4K/60Hzまで対応しています。
2.5GbpsイーサネットやSDカードスロットも使えますし、これひとつあればほとんどの用途においてこれひとつで対応できるかと思います。
Belkin 7-in-1 USB-Cハブ レビュー
それでは本題のレビューに入っていきます!USBポートのデータ転送速度や映像出力についてなど、実際に動作を確認しながら詳しくご紹介していきます。
高級感のあるアルミニウムデザイン
まずは外観から見ていきます。
▲ USB-Cハブのボディには、高級感のアルミニウム素材が使われています。
▲ かすかに光沢のある、手に持つとすぐに分かるアルミニウムの質感。アルミニウムっぽく見せたUSB-Cハブはよく見かけますが、やはり質感・手に持った感触は全然違います。
▲ 側面に、左からUSB-Cポート、SD/microSDカードスロット、USB-Aポート x 2、HDMIポートが並びます。
▲ 有線LANポートは、USB-Cハブの先端に配置されています。
▲ ケーブルの長さは24cmとなっています。他のUSB-Cハブではケーブルが短くておまけに硬く扱いにくい感じるものが多いのですが、これは長さに余裕がありほどほどに柔らかいので扱いやすいですね!
▲ キッチンスケールで重量を測ってみると、約149gでした。軽めのスマホくらいの重さですね。アルミニウムデザインということもあり、手に持つとそれなりにずっしりと感じますが、持ち運びに困るほどではありません。
100Wのパススルー充電に対応するUSB-Cポート
Belkin 7in1 USB-Cハブが搭載するUSB-Cポートは、最大100Wのパススルー充電に対応します。
▲ 上では、最大100WのUSB PD充電器を7in1 USB-CハブのUSB-Cポートに接続、USB-Cハブを通じてMacBook Pro 16インチを充電しています。
Belkin 7in1 USB-Cハブの仕様を見ると、入力は最大100Wでも出力は最大85Wとなっています。15Wぶんの電力は7in1 USB-Cハブの動作にとられてしまう、ということになりますね。
▲ 100W USB PD充電器接続時、MacBook Pro 16インチをどれくらいのワット数で充電できているかを確認してみると、約78Wで充電できていました。
▲ Belkin 7in1 USB-Cハブを挟まずに充電してみると、約87Wで充電できていました。100Wに対応するUSB PD充電器を接続していますが、実勢の充電ワット数はこんなもんですね。パススルー充電時のワット数とさほど差はありません。
▲ 上では、30W USB PD充電器を7in1 USB-Cハブに接続、M2 MacBook Airを充電しています。充電時のワット数を確認してみると、約14Wでした。一応充電できていますが、このワット数だと充電速度が遅いですね。
注意点はあるものの、最大100Wのパススルー充電(出力は最大85W)に対応するUSB-Cハブはそう多くありません。充電時にある程度のワット数が必要になる16インチクラスのノートPCをお使いの方にぴったりです。
同じUSB-Cポートでデータ転送も可能
USB-Cポートがパススルー充電に対応することはご紹介したとおりですが、Belkin 7in1 USB-Cハブではパススルー充電可能なUSB-Cポートでデータ転送することも可能という便利な仕様。
一般的なUSB-Cハブだと「パススルー充電用」「データ転送用」と、それぞれ専用のUSB-Cポートが用意されていることが多いのですが、Belkin 7in1 USB-Cハブは同じUSB-Cポートが2役をこなしてくれます。
USB-CポートはUSB 3.2 Gen2に対応、最大10Gbpsのデータ転送が可能です。
▲ 上はサンディスクのポータブルSSD(読出最大1050MB/s、書込最大1000MB/s)を接続しています。
▲ Belkin 7in1 USB-Cハブ接続時、M2 MacBook Air接続時におけるポータブルSSDの速度を確認してみましたが、上のとおりほぼ差は出ませんでした。
USB 3.2 Gen2対応でUSB-Aポートも高速データ転送
USB-AポートもUSB 3.2 Gen2対応、最大10Gbpsのデータ転送に対応します。
▲ USBメモリや外付けHDDの接続など、データ転送の速度を求められる利用シーンも難なくこなしてくれるスペック。
USB-Aポートは以前よりは出番が減ったとはいえ、USB-Aが必要になるシーンはまだまだあります。私の環境ではほぼUSB-Cに移行してしまっているため、正直なところUSB-Aポートの出番は少ないのですが、カメラ周辺機器のアップデートなど一時的に必要になる場面があるんですよね。そんなときにUSB-Cハブがあれば助かります。
SDカードスロットはUHS-Iまで
カメラをよく使う方にとっては欠かせないSDカードスロット。Belkin 7in1 USB-Cハブは、SD/microSDカードスロットを搭載します。
▲ SDカードだけでなくmicroSDカードにも対応するのは便利ですね!microSDカードはAndroidスマホやアクションカムなどの小型カメラでもよく使います。
▲ 私はiPadとカメラをセットで持ち出すことが多いので、出先でSDカードからiPadに画像の取り込み、そのままRAW現像できるのは便利。
SDカードスロットに関して残念なのは、対応するのはUHS-Iまでということ。より高速なUHS-IIには対応していません。数十枚のRAW画像の取り込み程度であれば気になりませんが、数百枚のRAW画像や4Kビデオの取り込みといった場面では、UHS-Iまでという仕様がネックになる可能性があります。
4K/60Hz出力が可能なHDMIポート
Belkin 7in1 USB-Cハブ搭載のHDMIポートは、最大4K/60Hzの映像出力に対応します。
60Hzと30Hzとでは分かるほどの見え方の違いがあります。最近では安価な4Kディスプレイでも60Hzに対応するものが多いですし、「60Hz対応」というのはポイントですね!
▲ 上ではM2 MacBook AirにBelkin 7in1 USB-Cハブを接続、そこに4Kディスプレに映像・音声を出力しています。4K/60Hzで表示できるか、ということは出力元のデバイスの機能・性能にもよりますが、ここ数年に発売されたノートPCであればほぼ対応しているかと思います。
▲ 上ではiPad Pro 12.9インチから映像・音声を出力しています。問題なくBelkin 7in1 USB-Cハブを介して4K/60Hzで表示できます。
▲ 4K HDRの出力も問題なくできています。Netflixなど動画配信サービスで配信されている4K HDRビデオの再生にも活用できます。
2.5Gbpsイーサネットに対応する有線LANポート
Belkin 7in1 USB-Cハブに搭載される有線LANポートは、2.5Gbpsイーサネットに対応。
普段はほぼWi-Fiのみの私ですが、Belkin 7in1 USB-Cハブを使って有線LAN接続、スピードテストサイトで計測してみると、高速な値が出ていました。
使っている回線はドコモ光1GBプランですので、1GBを超えるプランを契約されている方なら、さらに高速な速度に期待できるでしょう。
一般的なUSB-Cハブだと1GBまでのものが多いんですよね。USB-Cハブを介しても1GBを超える有線LANを使用できることも、Belkin USB-Cハブを選ぶ理由になりそうです。
レビューまとめ:いま選べるUSB-Cハブなかではトップクラスの性能
本記事では、「Belkin Connect USB-C Multimedia Hub(INC009btSGY)」をご紹介させていただきました。
100Wのパススルー充電に、USB 3.2 Gen2の10Gbpsデータ転送、4K/60Hz出力が可能なHDMIポート、2.5Gbpsイーサネットの有線LANポートと、いま選べるUSB-Cハブのなかではトップクラスの性能です。
これ以上の性能を求めるとなると、AC電源付きのドッキングステーションという選択になってきますが、AC電源が必要なので持ち運びするものではないですし、価格も数万円と上がります。
「持ち運べる高性能・高機能なUSB-Cハブ」ということなら、このBelkin 7in1 USB-Cハブが正解でしょう!
ただ一点残念なのは、SD/microSDカードスロットがUHS-IIに対応しないこと。大量のRAWデータや4Kビデオを転送することがある私にとっては、どうしてもこの点が惜しいと感じてしまいます。
UHS-IIに対応しないとはいえ、普段使いには十分ですし、これひとつで様々な用途に対応できることを考えると大評価にきく影響する部分ではないのかな、とも考えています。
高性能・高機能だけあって安くないUSB-Cハブですが、ひとつ持っておくとなにかと便利ですし、長く最前線で使えるUSB-Cハブとして活躍してくれるはずです!
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