今回ご紹介するのは、Baseus(ベースアス)の最大100WのUSB-Cポートを搭載するUSB-C充電器です。
Baseusが「世界初のQC(Quick Charge)5.0充電器」とうたうように、QC 5への対応がこの製品のセールスポイントのひとつ。しかし、QC 5に対応するデバイスは現状ほぼないため、実際には恩恵を受けられる人はほぼいません。
それよりも、実際に使ってみて私が感じたメリットが、「数ある100W充電器のなかでも小さい!」ということ。ズバリ、「複数ポートは要らないから、コンパクトな100W充電器がいい」という方におすすめです。
USB PD(Power Delivery)による100W充電が可能で、ノートPCなどの大型デバイスの充電もこなしてくれます。記事内では「MacBook Pro 16」をどれくらいの速度で充電できるかについても検証しています。持ち運びしやすい100W充電器をお探しの方は、ぜひ本記事をチェックしてみてください!
Baseus「100W USB PD充電器(CCGAN100CS)」の仕様
Baseus「100W USB PD充電器(CCGAN100CS)」の仕様をまとめました。
Baseus 100W USB PD充電器(CCGAN100CS) | |
USB-C | 5V/3A、12V/3A、9V3A、15V/3A、20V/5A |
PPS出力(USB-C) | 3.3V–20V/5A |
急速充電規格 | USB PD 3.0、Quick Charge 5.0(後方互換性あり) |
サイズ | 約30 × 55 × 67 mm |
重量 | 約170 g |
折りたたみ式プラグ | 〇 |
カラー | ブラック/ブラック |
メーカー保証 | 12か月 |
同梱物 | CCGAN100CSUSB-C to Cケーブル(1.5 m)取扱説明書 |
このとおり、高い充電性能をもつUSB-C充電器となっています。USB PDのPPS充電にも対応するため、Galaxyスマホの「超急速充電(Super Fast Charging)」も可能です。
▲ USB-C to Cケーブル(1.5m)が付属されています。ケーブルを付属してくれているのは嬉しいですね!
▲ 60W(20V/3A)を超えるUSB PD充電を行うには、「5Aケーブル」が必要になります。付属のUSB-Cケーブルの仕様を確認してみると、商品説明どおり5Aに対応しE-Markerチップも内蔵していることが確認できました。問題なく100W充電に使用できます。なお、規格は「USB 2.0」となり、データ通信も可能です(最大480Mbps)。
Baseus「100W USB PD充電器(CCGAN100CS)」レビュー
それではレビューに入っていきましょう!
Baseus「100W USB PD充電器」の外観・サイズ
▲ サイズは約30 × 55 × 67 mmとなっています。100WとパワフルなUSB-C充電器ながらコンパクトにまとめられています。
▲ 折りたたみ式プラグ採用。折りたたみできるかどうかで、持ち運びしやすさが違います。
▲ きちんとPSEマークがあります。「株式会社神州」というのは国内向けの販売代理店なのでしょうか。福岡県に本社を置く企業のようです。
▲ 通電中はLEDランプが青く光ります。かなり控えめな明るさなので、真っ暗な環境でも眩しいと感じることはないでしょう。
▲ iPhone 12 Proとのサイズ比較。iPhone 12 Proの縦横のサイズは、iPhone 12/13・iPhone 13 Proと同じです(146.7 × 71.5 mm)。お手元にあればサイズ感をイメージしていただきやすいかと思います。
▲ MacBook Pro 13付属のApple「61W UBS-C電源アダプタ」とのサイズ比較です。
▲ AUKEY(オーキー)の4ポート100W充電器「PA-B7-BK」とのサイズ比較です
▲ UGREEN(ユーグリーン)の2ポート搭載100W充電器とのサイズ比較です。
ポート数の違いはあれど、100WクラスのUSB PD充電器では最小クラスと言っていいでしょう。複数ポート搭載なら複数のデイバスを同時に充電できますが、どうしてもサイズはそれなりに大きくなってしまいます。
▲ コンパクトであることで、電源タップ使用時でも干渉しづらいかと思います。ただコンセントの向きや隣り合うUSB充電器の大きさによっては干渉してしまうことがあるので、事前にどのコンセントに挿し込むかをチェックしておいたほうがいいでしょう。
Baseus「100W USB PD充電器」の充電仕様をチェック
続いて、充電の仕様をチェックしてみます。
▲ USBテスターを使い、対応している充電規格を確認してみました。USBテスターがQuick Charge 5に対応していないので検出できていませんが、最大100WのUSB PD 3.0 PPSに対応していることが確認できました。
商品ページには「対応の充電器規格:PD 2.0/3.0、PPS、QC 5.0、QC 4.0/4+、QC 2.0/3.0、FCP、AFC、SCP、MTK PE+、Apple 2.4 A、BC 1.2、Type-C DFP」とあるのですが、一部USBテスターで検出できない充電規格があります。
「FCP/SCP」はファーウェイ独自の急速充電規格。手元に実機がないので確認できていませんが、対応していない可能性があります。
▲ 同様にUSBテスターでUSB PD充電時におけるPDOも確認してみました。これもUSB充電器本体に書かれている内容とは若干異なるのですが、特に問題があるわけではないので気にする必要はないでしょう。
MacBook Pro 16(M1 Max/Pro)の代用充電器としても使えるパワー
100Wもの出力に対応するUSB-C充電器。MacBook Pro 16の充電も楽ラク行えるほどのパワーがあります。
ここでは、MacBook Pro 16(M1 Maxモデル)を使って、付属の「140W USB-C電源アダプタ」とBeaseusの100W充電器で1時間充電したとき、充電速度にどの程度差が出るかを確認してみました。
MacBook Pro 16付属の140W充電器とどれくらい差が出る?
使用した充電器 | 0分 | 30分 | 60分 | |
MacBook Pro 16(M1 Maxモデル) | Apple 140W USB-C電源アダプタ + MagSafe 3ケーブル | 5% | 60% | 89% |
Baseus 100W充電器 + 付属USB-Cケーブル | 4% | 44% | 81% |
結果は上のようになりました。初速は140W充電器のほうが速いですが、満充電が近づく60分時点を見ると、大きな差がないことが分かります。
▲ 大きくて重い140W USB-C電源アダプタの代用充電器としては最高ではないでしょうか。
▲ なお、Baseusの100W充電器でMacBook Pro 16を充電した際には「実効90W程度」で充電できていました。
スマホ・タブレットなどあらゆるデバイスを急速充電
続いて、Baseusの100W充電器で以下のデバイスで充電、「何ワット程度で充電できているか」をチェックしてみました。
- iPhone SE(第3世代)
- iPhone 12 Pro Max
- Xperia 1 III
- iPad Pro 12.9(第5世代)
- ニンテンドースイッチ
1. iPhone SE(第3世代)を充電
▲ iPhone SE(第3世代)では、12W程度で充電できていました。第2世代でも同じ程度のワット数でしたので、iPhone SEではこのあたりのワット数がフルスピード充電かと思われます。
2. iPhone 12 Pro Maxを充電
▲ iPhone 12 Pro Maxでは、22W程度で充電できていました。iPhone 8以降のモデルであれば、Baseusの100W充電器でiPhoneをフルスピード充電できます。
3. Xperia 1 IIIを充電
▲ Xperia 1 IIIでは、24W程度で充電できていました。効率よく充電してくれるPPS充電が行われています。
Galaxyスマホの一部などのPPS充電に対応するデバイスであれば、Baseusの100W充電器を使用することでその恩恵を受けられます。未対応のスマホでもUSB PD充電に対応していれば高速に充電できます。
4. iPad Pro 12.9を充電
▲ iPad Pro 12.9(第5世代)では、36W程度で充電できていました。iPhoneと同じようにiPad各モデルをフルスピードで急速充電できます。
5. ニンテンドースイッチを充電
▲ ニンテンドースイッチでは、16W程度で充電できていました(本体への充電)。スイッチ付属の充電器でも同じような数値。Baseusの100W充電器でも同等の速度で充電できます。
発熱とコイル鳴きについて
気になる「発熱」と「コイル鳴き」についてです。
まず、発熱については心配不要です。MacBook Pro 16インチを連続して1時間充電したときも、手で触れられるほどの温度。温度を計測できていないので体感にはなりますが、他社の100W充電器よりも発熱が少ない印象を受けました。
また、コイル鳴きについても気になることはありませんでした。充電中、5cmほどの距離に耳を近づけてもほぼ無音。寝室に設置してもコイル鳴きが気になることはないでしょう。
Baseus 100W充電器はコンパクトさを重視する方におすすめ
Baseusの100W充電器は、サイズ・重量・充電性能・価格どれを見ても、弱点という弱点が見当たらない優秀なUSB-C充電器だと感じました。搭載ポート数が1つのみではあるものの、必要ない人からすると必要ないですし、「その代わり小さい」というメリットがあります。
冒頭でも書きましたが、Baseusの100W充電器は、「複数ポートは要らないから、コンパクトな100W充電器がいい」という方におすすめです。コンパクトさを重視したい方は、ぜひチェックしてみてください!
ただ サイズが約30.5 × 54.8 × 85.2mmと、本記事でご紹介した100W充電器(約30 × 55 × 67 mm)よりも少し大きくなります。サイズは少し大きくなりますが、複数ポートをお求めの場合はこちらのチェックしてください。
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