今回レビューするのは、Anker(アンカー)のモバイルバッテリー、「Anker 523 Power Bank (PowerCore 10000)」という製品です。10000mAhバッテリーを搭載し、スマホと重ね持ちしやすいスリムな形状が特徴の人気モバイルバッテリー。
10000mAhというと、スマホを約1回~2回フル充電できるほどのバッテリー容量になります。サイズ・重量を考えると持ち歩くのにちょうどいいバッテリー容量で、普段使い用のモバイルバッテリーをお探しの方にぴったりです。
最大20WのUSB-Cポート搭載で、iPhone・Androidスマホの急速充電もOK。スリムなモバイルバッテリーでありながらパワフルな充電性能を備えます。
記事後半では10000mAhクラス・20Wの他製品とも比較しています。モバイルバッテリーをお探しの方はぜひ参考にしてみてください!
- スマホを1回~2回フル充電できる10000mAhのバッテリー容量
- 最大20WのUSB-Cポート搭載でスマホ・タブレットを急速充電できる
- スリムな形状でスマホと重ね持ちしやすく、バッグへの収まりがいい
- スリムだが他製品と比較して特別コンパクトなわけではない
- 重量は約250 gと重め
- 本体の充電に時間がかかる(5時間)
- パススルー充電に未対応
パッケージ内容
それでは開封していきます。いつもどおりのAnkerの外箱ですね。
パッケージ内容は、Anker 523 Power Bank本体のほかにUSB-C to Cケーブル、USB-C to Aケーブル、専用収納ポーチ、取扱説明書の合計5点です。
たまにAnker製品でこの黒い専用ポーチが付いてくるのですが、個人的にはあまり好きではないんですよね。
というのは、上のように細かい糸くずが大量に出てくるんですよね。以前、このタイプのポーチに入れたモバイルバッテリーを持ち運んだとき、収納していたノートPCバッグの内側が糸くずだらけになってしまったことがあります。
よかれと思って付属してくれているものに対して文句を言うのは気が進みませんが、この大量のいとくずはずっと前から気になっていました……。この手の収納ポーチはAnkerだけじゃなく他のブランドでもたまに見かけます。せっかく付属してくれるならちゃんと使えるものがいい!
仕様
Anker 523 Power Bankの仕様をまとめました。
製品名 | Anker 523 Power Bank (PowerCore 10000) |
---|---|
バッテリー容量 | 10000 mAh |
搭載ポート | USB-C x 1 USB-A x 1 |
USB-C入力 | 5V⎓3A / 9V⎓2A(最大18W) |
USB-C出力 | 5V⎓3A / 9V⎓2.22A(最大20W) |
USB-A出力 | 5V⎓4.5A / 4.5V⎓5A(最大22.5W) |
合計出力 | 最大18W(2ポート同時使用時) |
パススルー充電 | ✕ |
低電流モード | 〇 |
サイズ | 約153 x 72 x 16 mm |
重量 | 約250 g |
カラー | ホワイト(A1245023) ブラック(A1245013) |
パッケージ内容 | Anker 523 Power Bank (PowerCore 10000) USB-C & USB-C ケーブル USB-A & USB-C ケーブル 取扱説明書 |
価格(税込) | 4,690円 |
製品ページ | Amazon |
Anker 523 Power Bankにはホワイトとブラックの2色あり、私は今回ホワイトを購入しました。
どっちのカラーを選ぶかは好み次第ですが、ホワイトはホワイトいい感じ。外観についてはのちほど詳しくご紹介しています。
対応する急速充電規格
Anker 523 Power BankのUSB-Cポートは、最大20WのUSB PD(Power Delivery)に対応しています。他の急速充電規格への対応の状況をUSB充電チェッカーで確認してみました。
USBポート | 対応する急速充電規格 |
---|---|
USB-C | USB PD 3.0 Quick Charge 2.0/3.0 Fast Charge Protocol(Huawei) Pump Express 2.0 Apple 2.4A |
USB-A | Quick Charge 2.0/3.0 Fast Charge Protocol(Huawei) Pump Express 2.0 Apple 2.4A |
Anker 523 Power Bankの商品説明には「最大22.5W出力のUSB-Aポート」とありますが、22.5Wで充電できるのはHuwaweiの対応デバイスのみですのでご注意ください(Fast Charge Protocol)。どのようなデバイスでも最大22.5Wで充電できるわけではありません。
UBS PDのPDOも確認しました。5V⎓3A / 9V⎓2.22Aの最大20Wとなっています。商品説明ページや本体記載の仕様と相違ありません。
外観・デザイン
続いては、Anker 523 Power Bankの外観・デザインをチェックしていきます。
このとおり非常にシンプルなデザインとなっています。外装はプラスチック素材で、表面には細かなテクスチャが施されています。
ちょっと見えづらいですが、さりげなく「Anker」のロゴマークが書かれています。
USB-CポートとUSB-Aポートがゆったりとした距離で配置されているので、特に抜き差しのしづらさはありません。
ボタンを押すとLEDランプが点灯し、バッテリー残量の目安を4段階で確認できます。
ボタンを2度押しすると、LEDランプの1つが緑色に点灯し、ワイヤレスイヤホンなどの小型デバイスの充電に最適な「低電流モード」に切り替わります。
本体裏側に製品の仕様とPSEマークやリサイクルマークなどが表示されています。
サイズ・重量
Anker 523 Power Bankのサイズは約153 x 72 x 16 mmとなっており、厚さ16 mmのスリムなフォルムが特徴です。
iPhone 14(146.7 x 71.5 x 7.8 mm)とほぼ同じくらいのサイズで、iPhone 14 Plus(160.8 x 78.1 x 7.8 mm)より少し小さいくらい。一般的に多い6〜7インチのスマホと同じくらいのサイズ感というイメージです。
充電しながらスマホを操作したいという場面は多々ありますが、Anker 532 Power Bankは厚さ16 mmとスリムなので、スマホと重ね持ちに最適です。
スリムなのでタイトめのポケットにも収まってくれます。この収まりの良さが、Anker 523 Power Bankの便利なところ。
Anker 523 Power Bankの重量は、公称では約250 gとなっていましたが、実測では約261 gでした。10 gほどの差がありますが、この程度であれば個体差と言っていいでしょう。
10000mAhバッテリーを搭載するモバイルバッテリーとしては、Anker 523 Power Bankは実は重めの部類にはいります。記事後半で同じバッテリー容量・充電性能を持つ他製品と比較していますので、そちらをチェックしてみてください。
20WのUSB-Cポートでスマホ・タブレットを急速充電
Anker 523 Power Bankは、USB PDに対応する最大20WのUSB-Cポートを搭載。ほとんどのiPhone・Androidスマホを高速に充電できます。
上ではiPhone 12 Pro Maxを充電していますが、約20Wで充電できています。
Xperia 1 IIIでも約19Wと高速に充電できています。AndroidスマホのほとんどがUSB PDの急速充電に対応します。お持ちのAndroidスマホもきっと対応しているはず。
上ではiPad(第10世代)を充電しています。20Wあればタブレットの充電も可能。Anker 523 Power Bankなら、iPadに付属されているApple 20W USB-C電源アダプタと同等の速度で充電できます。
USB-CポートでiPhone 12 Pro Maxを充電、同時にUSB-AポートでAirPodsを充電したとき、iPhone 12 Pro Maxは約11Wで充電されていました。充電できている状態ではありますが、11Wだと急速充電とは言えません。充電速度が欲しい場合には1ポートのみで充電するか、より合計ワット数の大きいモバイルバッテリーを検討するかになります。
複数のデバイスを同時に急速充電するにはパワーは足りませんが、スマホを充電するには十分な充電性能です。対応する最大ワット数やUSBポート数が増えるとサイズ・重量も大きくなってきます。持ち歩くことを考えると、やはり20Wあたりがちょうどいいですね!
本体への充電も18Wに対応、でも5時間かかる
Anker 523 Power Bank本体は、USB PDに対応する充電器を使用することで最大18Wで充電できます。
Apple 20W USB-C電源アダプタで充電してみると、約15Wあたりで充電できていました。
Ankerによると、「USB Power Delivery対応の18W USB急速充電器 (別売り) と付属のケーブルを利用すると、わずか5時間で本体充電ができます」とのこと。5時間は「わずか」とは言えないですね。
本体への充電時間が気になる方は、入力が30W以上に対応するモバイルバッテリーがおすすめです。30W以上の出力に対応するモバイルバッテリーであれば、だいたいの場合は入力(本体への充電)も30W以上に対応します。
本体の充電にある程度の時間がかかることは、Anker 523 Power Bankを選ぶにあたって知っておきたいデメリットです。
20W・10000mAhクラスのモバイルバッテリーとの比較
20WのUSB-Cポート・10000mAhバッテリーを搭載するモバイルバッテリーは、コンパクトで軽量なものが多いことから選ばれることの多いライン。そこで、20W・10000mAhクラスのモバイルバッテリーを比較してみます。
▼横スクロールできます。
製品名 | Anker 523 Power Bank | Anker PowerCore 10000 PD Redux 25W | Zendure SuperMini | シリコンパワー C10QC | エレコム EC-C03BK | CIO SMARTCOBY DUO 20W | CIO SMARTCOBY Pro 30W |
---|---|---|---|---|---|---|---|
バッテリー容量 | 10000 mAh | 10000 mAh | 10000 mAh | 10000 mAh | 10000 mAh | 10000 mAh | 10000 mAh |
搭載ポート | USB-C x 1 USB-A x 1 | USB-C x 1 USB-A x 1 | USB-C x 1 USB-A x 1 | USB-C x 1 USB-A x 2 Micro B x 1(入力専用) | USB-C x 1 USB-A x 1 | USB-C x 2 | USB-C x 1 USB-A x 1 |
USB-C入力 | 最大18W | 最大18W | 最大20W | 最大18W | 最大18W | 最大20W | 最大20W |
USB-C出力 | 最大20W | 最大25W | 最大20W | 最大20W | 最大20W | 最大20W (合計40W) | 最大30W |
サイズ※1 | 約153 x 72 x 16 mm (約176.26 cm³) | 約107.3 x 52.3 x 27.2 mm (約152.64 cm³) | 約79 x 56 x 26 mm (約115.02 cm³) | 約90.5 x 62 x 22.2 mm (約124.56 cm³) | 約141 x 73 x 15 mm (約162.86 cm³) | 約99.5 x 51.5 x 25 mm (約128.11 cm³) | 約77 x 56 x 26 mm (約112.11 cm³) |
重量 | 約250 g | 約194 g | 約180 g | 約184 g | 約233 g | 約180 g | 約183 g |
価格(税込)※2 | 4,589円 | 4,490円 | 5,890円 | 2,490円 | 2,980円 | 3,938円 | 4,818円 |
製品ページ | Amazon | Amazon | Amazon | Amazon | Amazon | Amazon | Amazon |
※1 体積は単純に3辺を掛け合わせたものです。 ※2 記事執筆時点での価格です。 |
△ この表は横スクロールできます。
上のモバイルバッテリーはすべての10000mAhバッテリーを搭載します。CIO SMARTCOBY Pro 30Wのみ、最大30Wの出力に対応します(単ポートで)。それ以外はすべて最大20WのUSB-Cポートが搭載されています。
計7製品を比較してみると、
- もっとも小さく軽いのはZendure(ゼンデュア) SuperMini
- もっとも安いのはシリコンパワー C10QC
- パワフルなのはCIO SMARTCOBY Pro 30W、CIO SMARTCOBY DUO 20W(20W + 20Wで合計40Wに対応)
このようになりますね。
Anker 523 Power Bankは数字だけで見れば不利ですが、選ぶ理由になるのは厚さ16 mmのスリムな形状でしょう。実際に使っていて、スリムなおかげか数字以上にコンパクトに感じます。
上のモバイルバッテリーはどれもいい製品ですので、予算や使い方に応じて選んでみてください。
Anker 523 Power Bankレビューまとめ
今回はスリムなモバイルバッテリー「Anker 523 Power Bank」をご紹介させていただきました。スマホを1回〜2回フル充電できるバッテリー容量と、急速充電できる充電性能。そしてスリムで持ち運びしやすいフォルム。毎日持ち歩くような、普段使い用のモバイルバッテリーにぴったりです。
個人的にも持ち運びする機会のモバイルバッテリーでもあります。モバイルバッテリーをお探しの方は、ぜひAnker 523 Power Bankを選択肢に加えてみてください!
こちらの記事もおすすめです!