iPhoneをワイヤレス充電したときの発熱が気になる!という方は多いのではないでしょうか。
実際にワイヤレス充電中はiPhoneも充電器も発熱します。私自身も「けっこう熱くなるんだな」と感じることがあります。
高温状態はバッテリーにとって良くない状態。充電効率が低下するだけでなく、バッテリー劣化の原因にもなります。
そこで今回ご紹介したいのが、「冷却ファン」と「ペルチェ素子(電流を流すと片方が冷却、片方が過熱する半導体素子)」が採用されたTORRAS(トーラス)のワイヤレス充電器です。
実際に使ってみましたが、この充電器の冷却効果はスゴイですね。
充電時の発熱がしっかり抑えられており、その結果、充電速度も向上しました。詳しくはレビュー内でご紹介していますが、
- ゲームアプリで遊びながら充電することが多い
- 夏場での屋外や車内など、高温環境で充電したときの発熱が気になる
- バッテリー劣化の原因となる発熱を抑えたい
- ワイヤレス充電時の充電速度を向上させたい
まさにこのような方におすすめです。
一般的なワイヤレス充電器と比べると高価ではあるのですが、その冷却効果は絶大。ワイヤレス充電時の発熱が気になる方はぜひチェックしてみてください!
TORRAS Ostand PolarCircle ワイヤレス充電器の仕様と外観
TORRASは、リング付きのスマホケースや充電器、モバイルバッテリー、ガラスフィルムなどの主にスマホ関連アクセサリーを販売する人気ブランドです。
まずは「TORRAS Ostand PolarCircle ワイヤレス充電器」の仕様と外観からご紹介していきます。
仕様
製品名 | TORRAS Ostand PolarCircle ワイヤレス充電器 |
---|---|
外観 | |
ワイヤレス充電規格 | Qi2(Qiとの後方互換あり) |
ワイヤレス出力 | 最大15W |
冷却機能 | 冷却ファンとペルチェ素子による冷却機能 |
サイズ | 約61 x 61 x 27 mm |
重量 | 約190 g |
カラー | ホワイト ブラック |
パッケージ内容 | 充電器本体 USB-Cケーブル(1.5 m) 取扱説明書 |
メーカー保証 | 3年間 |
価格(税込) | 9,999円 |
ワイヤレス充電規格「Qi2(チーツー)」に対応します。iPhone 12シリーズ以降にマグネットでくっつき、最大15Wと高速なワイヤレス充電が可能です。
Qi2はQiとの後方互換があるため、AirPodsやその他のワイヤレスイヤホンの充電もOK。ワイヤレス充電に対応するイヤホンをお持ちならそれも充電できます。
注意したいのは、USB-C充電器(30W以上推奨)が別途必要となること。パッケージ内容には含まれておらず、持っていない場合は用意する必要があるのでご注意ください。
お探しの方は記事内でも使用している「UGREEN Nexode Mini 30W」をチェックしてみてください。コスパ抜群でおすすめです。
外観
それでは「TORRAS Ostand PolarCircle ワイヤレス充電器」の外観をご紹介していきます!
カラーバリエーションはホワイトとブラックの2色あり、今回ブラックを選んだのですが、ブラックというより「ダークブルー」といった感じの色合い。
充電器のサイズは約61 x 61 x 27 mm、重量は約190 gとなっています。
一般的なワイヤレス充電器と比べるとサイズ・重量とも大きくなりますが、この程度の大きさなら気にならないですね。持ち運びに困ることはないかと思います。
充電器の上面に空気を取り込む「サークル状の吸気口」があり、側面部分が「排気口」となっています。
ペルチェ素子での冷却では、冷却と同時に片面が発熱します。その発熱を冷却ファンで側面の排気口から排気する、という構造となっています。
充電を開始すると本体側面にあるLEDが白く点灯。5秒程度で消灯するため、光が気になる寝室でも使用できるでしょう。
このLEDはボタンも兼ねていて、3秒間の長押しで冷却機能をオン/オフできます。
充電器の上部に360°回転するスタンドがあり、凹み部分を指で引っ掛けて起こすと、
こんな感じでスタンドが展開されます。スタンドは無段階に角度調節でき、縦置き・横置きともに対応します。
こんな感じですね。充電しながらの動画視聴も捗ります。
こちらが吸着面。この面をiPhoneの背面にくっつけることでワイヤレス充電します。
冷却ファン&ペルチェ素子による冷却効果は絶大!
別売のUSB-C充電器に接続し、さらにワイヤレス充電器をiPhoneにくっつけると、冷却ファンが回り出します。
TORRASによると、「充電開始から約10秒で冷却パッドの温度が10℃低下」とのこと。充電器の吸着面を触ると、確かにひんやり冷えています。
この冷却効果を確認するために、TORRASのワイヤレス充電器とApple純正の「MagSafe充電器」のそれぞれでiPhone 16 Proを30分間充電したときの表面温度を比較してみます。
USB-C充電器は「UGREEN Nexode Mini 30W」を使用し30分間充電、充電器が吸着していた「iPhone本体の表面温度」を計測します。室内で計測し、室温は約25℃の環境です。
まずAppleの「MagSafe充電器」から。
30分充電後のiPhoneの表面温度は、「約41℃」でした。お風呂のお湯くらいの温度ですから、そこそこの発熱です。
続いてTORRASの充電器で計測します。
その結果は「約33℃」でした。明らかに発熱が抑えられています。これだけ違えば体感的にもかなり違います。
レビュー前はちょっと疑心暗鬼な部分はあったものの、実際に確認してみると、確かにワイヤレス充電時の発熱は抑えられていました。
これは「冷却効果あり」と言っていいでしょう。
ちなみに、TORRASの公式ページには冷却効果に関するグラフが掲載されています。ただどんな環境で何を充電して、何と比較しているのかがさっぱり分からないんですよね。
おそらく充電器側の表面温度を計測したものだと思われるのですが、大事なのは充電器の発熱ではなく、充電デバイスの発熱ですからね。うまく放熱してくれているのなら、別に充電器が多少発熱しても何ら問題ありません。
冷却効果によって充電速度が31.3%向上した
発熱を比較するのと同時に、30分間の充電でiPhone 16 Proのバッテリー残量がどれほど増えるのかも合わせて調査しました。
結果は以下のとおり。
- Apple MagSafe充電器:19% → 51%(32%アップ)
- TORRASワイヤレス充電器:19% → 61%(42%アップ)
※ 充電上限100%、バッテリーの最適化設定をオフで計測。
Apple純正充電器と比較して充電速度が31.3%向上しました。正直、発熱を抑えることでここまで充電速度が向上するとは思っていませんでした。
iPhoneは高温状態になるとソフトウェア制御によって充電速度が抑えられます。冷却することでその充電速度低下が回避され、結果的に充電速度が速くなったと考えられます。
夏場の屋外や車内といった過酷な環境では試せていませんが、これはかなり期待していいのではないでしょうか。あと発熱しやすい充電しながらの動画視聴やゲームアプリの使用ですね。
発熱によるバッテリーへの負担を軽減しながら、充電速度も向上するという、文句なしの結果となりました。
唯一の不満点 → 冷却機能が自動的にオフにならない
絶大な冷却効果で充電速度も向上、個人的にも使用頻度が高くなりそうなワイヤレス充電器ですが、唯一の不満に感じたのは「充電完了後に冷却機能が自動的にオフになってくれない」こと。
冷却機能は充電器本体のボタンを押すことでオフにできます。しかし、充電完了後に自動でオフになってくれないため、充電器を取り外すか冷却機能を手動でオフにしない限り、冷却が継続されてしまいます。
そこで気になるのが「結露」ですね。
充電中はiPhoneが発熱するため、露点に達するまで冷やされることはありません。しかし、充電が完了しても冷却が続くと、特に温度差が大きく湿度の高い夏場は結露が発生するリスクが高くなります。
iPhoneは防水性能を備えていますが、防水シールの劣化や外装の損傷などの影響で防水性能は徐々に低下していきます。そうすると、内部で結露が発生してしまう可能性はゼロではないでしょう。
ということを考えると、就寝時の充電などでは使いにくいですね。ちょっと心配しすぎかもしれませんが、充電完了後はそのまま放置せずに充電器を取り外しておいたほうがいいでしょう。
まとめ:発熱対策&充電速度向上に効果的なワイヤレス充電器
「自動オフ機能さえあれば完璧なのに……」と惜しい点はあるものの、発熱対策と充電速度向上には非常に効果的なワイヤレス充電器だと感じました。
iPhone 16 Proではまだ経験はないですが、iPhoneが高温状態になると「高温注意」や「充電保留中」と表示され、充電がストップしてしまう場合があります。
今回ご紹介した冷却ファン付きのTORRAS製ワイヤレス充電器なら、高温が原因で充電が止まることはないはず。特に夏場での充電に活躍してくれそうです。
夏場でなくても、高温がバッテリーにとって良くないというのはいつでも同じ。本充電器を使えばバッテリー劣化を軽減できますし、充電速度も向上するわけですから1年中活躍してくれるでしょう!
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