今回は、Belkin(ベルキン)のUSB PD充電器「BOOST↑CHARGE PRO 4ポートGaN充電器108W」のレビューです。
- 据え置きのケーブルタイプUSB充電器
- USB PD(Power Delivery)3.0に対応
- 96W + 30WのUSB-Cポート× 2、12WのUSB-Aポート × 2を搭載
- 合計最大108W
Belkinの108W充電器は、ズバリ「USB PD充電が可能なノートPCを含む複数のデバイスを同時に充電したい」という方です。
USB-Aポートが最大12Wと非力なのが気になる……。
こう思われた方もいらっしゃるかもしれません。しかし、Belkin 108W充電器のこの仕様がいいんです!記事内では、充電性能についても詳しく検証・ご紹介しています。
USB充電器本体を好きな場所に持ってこれる据え置きのケーブルタイプだということもポイント。気になる方はぜひチェックしてみてください!
Belkin「BOOST↑CHARGE PRO 4ポートGaN充電器108W」の仕様
Belkin(ベルキン)は、米カリフォルニアに本社を置く、Apple関連アクセサリーで有名なブランドです。個人的には「Belkin製品はちょっと高いけど、高品質で間違いない」というイメージがあります。
さて、まずはBelkin 108W充電器の仕様をまとめましたのでご覧ください。
belkin BOOST↑CHARGE Pro 4ポート GaN充電器108W | |
USB-C1 | USB Power Delivery 3.0対応5V/3A、9V/3A、15V/3A、20W/4.8A(最大96W) |
USB-C2 | USB Power Delivery 3.0対応5V/3A、9V/3A、15V/2A、20V/1.5A(最大30W) |
USB-A1 | 5V/2.4A(最大12W) |
USB-A2 | 5V/2.4A(最大12W) |
合計最大 | 108W |
サイズ | 98.5 × 80 × 31.5 mm |
重量 | 320 g(AC電ケーブル除く) |
カラー | ホワイト |
メーカー保証 | 2年間 |
同梱物 | 製品本体AC電源ケーブル(2m)取扱説明書(英語) |
複数ポート同時使用時における、電力の振り分けは以下のようになります。
USB-C1 | USB-C2 | USB-A1 | USB-A2 | 合計 | |
1ポート | 96W | ─ | ─ | ─ | 96W |
2ポート | 65W | 30W | ─ | ─ | 95W |
96W | ─ | 12W | (12W) | 108W | |
3ポート | 96W | ─ | 12W共有 | 108W | |
65W | 30W | 12W | (12W) | 107W | |
4ポート | 65W | 30W | 12W共有 | 107W |
ポイントは、USB-Aポートの使用・未使用にかかわらずUSB-Cポートの出力が落ちないこと。USB-Cポートを2つ同時に使用したときは65W + 30Wという振り分けになるのですが、それでもUSB-Cポートだけで合計95Wは維持されます。
同梱品は以下のとおりです。
USBケーブルは付属していないので注意しください。手元のケーブルを使うか、別途用意する必要があります。
Belkin「BOOST↑CHARGE PRO 4ポートGaN充電器108W」レビュー
それではレビューに入っていきましょう!私はこれまで、たくさんのUSB充電器を購入してきましたが、「メインのUSB充電器として使いたい」と思わせてくれる製品です。
外観とサイズをチェック
まずは、Belkin 108W充電器の外観とサイズについてチェックしていきます。
▲ Belkin 108W充電器のサイズは98.5 × 80 × 31.5 mmとなっており、ハイパワーなUSB充電器だけあって、そこそこ大きいです。上はサイズ比較のためにiPhone 12 Pro(146.7 × 71.5 mm)を隣に置いています。
最近ではパワー半導体としてGaN(窒化ガリウム)を使うUSB充電器が主流ですが、Belkin 108W充電器もGaN(窒化ガリウム)を採用しています。GaNを採用することで効率よく充電でき、その結果としてコンパクト化を実現できるわけですが、Belkin 108W充電器のサイズは大きめ。
▲ USBポートが配置されている反対側に、AC電源ケーブルを挿すためのメガネ型の端子があります。高出力ということもあり、ケーブルは太めです。
▲ 底面の四隅には滑り止め用のゴム足があります。また、底面には細かい字でPSEマークや仕様が書かれています。
▲ 本来の使い方ではありませんが、縦置きもありですね。自立してくれます。100均の滑り止めのゴムなどを貼って対策すれば、縦置きのUSB充電器としても使えるでしょう。
▲ キッチンスケールで重さをはかってみると、320gと表示されました。AC電源ケーブルの重さは107gでしたので、合計の重量は427gとなります。
▲ 決して持ち運びやすいサイズ・重量ではありませんが、長期の旅行や出張のお供として持ち出すのもありでしょう。Belkin 108W充電器ならノートPCからタブレット、スマホ、カメラなどの充電を一手に引き受けてくれます。
▲ このようなコンセントに直で挿すタイプのUSB充電器だと、大きいものだと隣り合うコンセントやアダプタなどに干渉してしまうことがあります。Belkin 108W充電器のようなケーブルタイプのUSB充電器なら、出先のコンセント周りの環境によって使える・使えないが左右されることがありません。
▲ サイズはコンパクトとは言えないものの、デスクの上に置いても邪魔に感じない程度のサイズ感です。
各ポートの仕様をチェック
充電に関する仕様が商品説明やパッケージに書かれている内容と違う!なんてことがたまにあるので、各USBポートの仕様をUSBテスターで確認してみます。
▲ 対応する急速充電規格はUSB PDのみ。なかには、USB PDに加えQuick Chargeにも対応するUSB-Cポートをもつものもありますが、厳密に言うとこれはルール違反なんです。そういう意味では、Belkin 108W充電器はピュアな仕様を持ったUSB充電器です。
USB-Aポートも同様に確認してると、「Apple 2.4A」に対応していました。最大12WとUSB PDやQucik Chargeと比較すると非力ではあるものの、スマホを十分な速度で充電できるほどのパワーがあります。
最大96WのPD充電でノートPCの充電を任せられる
最大96WのUSB-Cポートを持つBelkin 108W充電器。ノートPCの充電だって可能です。
ここでは、MacBook Pro 16(M1 Maxモデル)とMacBook Pro 13(M1モデル)をどれくらいの速度で充電できるかを確認してみました。
0分 | 30分 | 60分 | 90分 | |
MacBook Pro 16(M1 Max) | 3% | 46% | 81% | 98% |
MacBook Pro 13(M1) | 4% | 44% | 71% | 88% |
※Belkin 108W充電器の96W USB-Cポートで充電 |
結果は上のようになりました。どちらとも高速に充電できていますね。
▲ バッテリー残量の増え方がMacBook Pro 16とMacBook Pro 13で逆転してしまっているのは、MacBook Pro 16のほうがより大きいワット数で充電できているからです。MacBook Pro 16は93W程度、MacBook Pro 13は53W程度で充電できていました(バッテリー残量の状況によって変化します)。
ちなみに、Appleの「140W USB-C電源アダプタ」でMacBook Pro 13を充電しても同じ程度のワット数の充電でした。つまり、この辺りのワット数がMacBook Pro 13のフルスピードかと思われます。
次に、MacBook Pro 16(M1 Pro/M1 Max)付属の「140W USB-C電源アダプタ」とどれくらい充電速度に差が出るのか?ということですが、実はそう大きい差はありません。
使用した充電器 | 0分 | 30分 | 60分 | |
MacBook Pro 16(M1 Maxモデル) | Apple 140W USB-C電源アダプタ + MagSafe 3ケーブル | 5% | 60% | 89% |
Belkin 108W充電器 + USB-Cケーブル | 3% | 46% | 81% |
充電開始から30分時点では差が出ましたが、60分時点では数%の差。満充電が近づくと充電速度が緩やかになることもあり、30分以上の充電であれば大きい差はないと言っていいでしょう。Belkin 108W充電器は、Apple 140W USB-C電源アダプタの代替として十分使えるほどのパワーがあります。
あらゆるデバイスを同時に急速充電
Belkin 108W充電器は、接続されたUSBポートやその数に応じ、自動的に電力を振り分けてくれます。
上のようにパターンを挙げると一見ややこしく見えますが、実際にはそうややこしくありません。
- USB-Cポート1つのみ使用時は最大96W
- USB-Cポート2つ使用時は最大65W & 最大30W
- USB-Aポートは、USB-Cポートの使用有無に関わらず最大12W、あるいは最大12W共有
複数ポート搭載のUSB-C充電器でよくあるのは、USB-Aポートを使用するとUSB-Cポートの充電可能ワット数が下がってしまうというパターン。
MacBookと一緒にワイヤレスマウスとワイヤレスキーボードも充電しておきたいな、でも同時にUSB-Aポートを使っちゃうとMacBookの充電速度が落ちるし、後にするか。
日常的にUSB充電器を使って、このようなことがよくあります。しかし、Belkin 108W充電器の場合は、USB-Aポートの使用状況に関わらず、USB-Cポートの最大ワット数が落ちないんです。細かいところですが、これが地味に便利!
Belkin 108W充電器は「USB-Aポートが非力」ではあるものの、私はそこまでデメリットだとは感じていません。「USB-Aポートで急速充電したい」なんてシーンはいまどきないですし、速く充電したいという場合は、隣にあるUSB-Cポートを使えばいいだけですからね。
USBケーブルの抜き差しによる「接続の瞬断」はなし
これもあるあるなのですが、複数ポート搭載のUSB充電器によって、USBケーブルの抜き差しで接続の瞬断が発生することがあります。これは使用ポート数が変化することにより、電力の振り分けが行われるためかと思われます。充電が中断された2、3秒後には充電が再開されるので、充電に支障が出るわけではありませんが、私にとってこの挙動はちょっと気になるんですよね。
Belkin 108W充電器に関しては、使用ポート数の変化による接続の瞬断は確認できませんでした。
全体を通して、Belkin 108W充電器はすごく安定していますね。接続したのに充電できてない?なんてことは起こらないですし、充電と停止を繰り返すようなよく分からない挙動もありません。
発熱とコイル鳴きは心配不要
「充電時の発熱」について。ここまででも少し書きましたが、96Wのフルスピード充電時にも気になるほどの発熱はありませんでした。私が所有している100WクラスのUSB充電器のなかでも、ダントツ発熱が少ない!
コンパクトさを謳う100WクラスのUSB充電器の場合、充電中は5秒触れていられないレベルの発熱があることが珍しくありません。Belkn 108W充電器は、多少暖かくはなるものの驚くほど発熱が少なく、使っていてとても安心感があります。
そして「コイル鳴き」についてですが、これも全くありません。寝室といった静かな環境でも気になることはないでしょう。
ノートPCをPD充電できるパワーと動作の安定性を求める方におすすめ
Belkin 108W充電器は、USB PD充電に対応するノートPCをお持ちの方におすすめです。最大96Wと高速に充電できますし、マウスやキーボードなどの細々したデバイスも、USB-Cポートのワット数を落とさずに充電できます。
なにより、動作が安定しているので使っていて安心感があります。よく分からない挙動が見られるUSB充電器にもよく出会うのですが、Belkin 108W充電器ではそのような挙動は一切見られません。発熱が少ないという面でも安心感があります。100WクラスのUSB充電器はイチオシの製品。ぜひチェックしてみてください!
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