本記事では、Anker(アンカー)のモバイルバッテリー「633 Magnetic Battery(MagGo)」をレビューとしてご紹介!
- iPhone 13 / 12シリーズにマグネットでくっつくモバイルバッテリー
- 10000mAhバッテリー搭載(iPhone 13/12を約2回フル充電可能)
- 最大7.5Wのワイヤレス充電に対応
- 有線では最大20Wの急速充電が可能
- 卓上で便利な「スタンド」付き
Anker 633 Magnetic Battery(MagGo)は、現在進行系で人気の前モデル「Anker 622 Magnetic Battery(MagGo)」と比較して充電性能は変わりませんが、バッテリー容量が2倍にアップしています(サイズもアップしています)。
実際に使ってみるなかで、おすすめできるポイントだけでなく「うーん、微妙かも」と感じるデメリットも見えてきましたので、検討中の方はぜひ参考にしてみてください!
Anker 633 Magnetic Battery(MagGo)の仕様・同梱品
▲ Anker 633 Magnetic Battery(MagGo)は、MagSafe(マグセーフ)対応のiPhone 13/12シリーズにピタッとマグネットでくっつくモバイルバッテリーです。Qi(チー)規格のワイヤレス充電(最大7.5W)に対応し、くっつけるだけで充電開始されます。
▲ ピタッとくっつけた状態で使用するには、ケース未装着状態か、あるいはMagSafe対応のケースを使用する必要があるのでご注意ください。なお、モバイルバッテリー本体のUSB-Cポートを使用すれば、USB Power Dliver(PD)による最大20Wの急速充電(有線)が可能です。
カラーは「ブラック」「ホワイト」「ブルー」の3種類。今回私はブルーを購入しました。
Anker 633 Magnetic Battery(MagGo)の仕様
製品名 | Anker 633 Magnetic Battery(MagGo) |
搭載バッテリー | 10000mAh |
ワイヤレス充電(Qi) | 最大7.5W |
USB-C | 出力:5V/3A、9V/2.22A(最大20W)入力:5V/3A、9V/2.22A(最大20W) |
USB-A | 5V/3A、9V/2A(最大18W) |
単ポート使用時 | USB-C:最大20WUSB-A:最大18Wワイヤレス出力:最大7.5W |
複数ポート使用時 | 合計最大18W |
パススルー充電 | 〇 |
サイズ | 約107 x 66 x 18 mm |
重量 | 約218g |
カラー | ブラック/ブルー/ホワイト |
パッケージ内容 | Anker 633 Magnetic Battery (MagGo)USB-C & USB-C ケーブル (0.6m) 取扱説明書最大30ヶ月保証(登録要) |
▲ USB-Cポート以外にUSB-Aポートも搭載するので、ワイヤレスイヤホンなどの小型デバイスの充電にも対応できます。
▲ それでは開封、同梱物を確認していきます。
▲ 取扱説明書のほかに、充電用の充電用のUSB-C to Cケーブル(0.6m)が同梱されています。iPhoneを有線で充電する場合は、USB-C to Lightningケーブルを別途用意する必要がありますのでご注意ください(iPhone付属のUSB-C to LightningケーブルでもOKですよ)。
▲ 付属のUSB-C to Cケーブルは、一応データ転送にも対応するようです。USB2.0(理論値最大480Mbpsのデータ転送)。3Aケーブルですので、60Wを超える充電には使用できません。本題とはズレますが、ご参考まで。
Anker 633 Magnetic Battery(MagGo)をレビュー
それではレビューに入っていきましょう!冒頭でも書きましたが、便利だと感じる一方で、「これは微妙だ」と不満に感じる点もありました。
「すべてのiPhone 13/12ユーザーにおすすめできるモバイルバッテリーではない」というのが、正直な感想です。
もちろん、ハマる人にはハマります。レビューを参考にしていただき、「自分の使い方に合っているか?」を判断していただければと思います。
Anker 633 Magnetic Battery(MagGo)の外観
まずは、外観についてご紹介していきます。
▲ 丸く描かれている部分がワイヤレス充電部分。背面にフリップスタンドがあります。
表面はマットな質感です。ブルー色では指紋汚れは気になりませんが、「指紋汚れが気になる」という方は、ブラック以外のカラーを選んだほうがいいかも。
▲ 背面のフリップスタンドを立てれば、卓上で活躍してくれます。角度調節はできません。
▲ 入出力に対応するUSB-Cポートのほかに、まだまだ使うことの多いUSB-Aポートを搭載。
▲ バッテリー残量を教えてくれるLEDインジケーターを搭載します。
▲ 充電中はLEDインジケーターが点滅し、充電が完了すると消灯します。
片手操作がつらいサイズ感と重量
▲ Anker 633 Magnetic Battery(MagGo)のサイズは、約107 x 66 x 18 mmとなっています。10000mAh & ワイヤレス充電対応のモバイルバッテリーなので致し方ないですが、なかなかでかいです。
▲ iPhoen 12 Pro・iPhone 12 Pro Maxにそれぞれくっつけてみました。厚さが18mmということもあり、横から見るとなかなかのボリュームです。iPhone 12 Proはお尻が少し出てますね。
▲ iPhoneにくっつけた状態で片手操作するのは厳しいですね。できなくはないのですが、しっかりホールドすることはできず、手に乗っけて親指を頑張って伸ばす、という感じになってしまいます。私の手は小さいほうですが、手が大きい方でも安定した状態で片手操作するのはキツイんじゃないかな、と思います。
▲ 机に平置きすると、iPhoneが宙に浮いたような感じになります。結構ぐらつきます……。
▲ スケールで確認してみると重量は218 gでした。公称値どおりです。10000mAh搭載モバイルバッテリーということもあり、重量はそこそこあります。
▲ iPad(第9世代)の重量が487 gですから、それに近いくらいの重さがあります。
▲ 同じ10000mAhクラスのモバイルバッテリー、Zendure(ゼンデュア)の「SuperMini(ワイヤレス充電には非対応)」と並べてみました。SuperMiniのサイズは79 x 56 x 26 mm、重量は約180 gです。
もちろん、Anker 633 Magnetic Battery(MagGo)はワイヤレス充電に対応するので、多少大きく重くなるのは仕方のないところかもしれません。
ワイヤレス充電もあれば便利だとは思うけど、コンパクトさ・軽さのほうがいちばん大事!
Anker 633 Magnetic Battery(MagGo)は、このような方には向いていない印象です。「ワイヤレス充電とコンパクトさのどっちがより重要?」というところを天秤にかける必要がありますね。コンパクトさ・軽さを最重視するなら、ほかの選択肢のほうがいいでしょう。
縦向き・横置きに固定できるフリップスタンドを搭載
▲ iPhone 12 Pro・iPhone 12 Pro Maxをくっつけた状態でスタンドを立ててみました。磁力は強力で滑り落ちてしまう不安はありません。細かく角度調節できないことは少し残念ですが、卓上で使う分にはちょうどいい角度かと思います。
▲ このように低い位置で横向きに固定することも可能です。充電しながらの動画視聴が捗ります。
ワイヤレス充電性能をチェック
Anker 633 Magnetic Battery(MagGo)は、最大7.5WのQiワイヤレス充電に対応します。
気になるのは、実際どれくらいの速度で充電できるのか?というところ。そこで、iPhone 12 Proをワイヤレス充電したときに、どれくらいのペースでバッテリー残量が増えるのかを確認してみました。
Anker 633 Magnetic Battery(MagGo)でiPhone 12 Proをワイヤレス充電(7.5W)
経過時間 | 0分 | 30分 | 60分 | 90分 |
バッテリー残量 | 7% | 26% | 41% | 59% |
▲ 結果は上のようになりました。iPhoneにくっつけるだけで充電できるのは便利ですが、充電速度は遅く充電に時間がかかります。
Anker 633 Magnetic Battery(MagGo)には、最大20Wの出力に対応するUSB-Cポートが搭載されています。最大20Wの充電では、たった30分間の充電でiPhone 13/12のバッテリー残量を50%も回復できます。
急ぎの場合は有線で充電し(別途USB-C to Lightningケーブルが必要)、そうでない場合はワイヤレス充電、というように使い分けるといいでしょう。
▲ AirPods(第3世代)やAirPods Pro(現行モデル)など、MagSafeに対応した充電ケースでは、iPhoneと同じようにピタッとくっついてくれます。 MagSafeに対応していなくても、Qiワイヤレス充電に対応するワイヤレスイヤホンの充電も可能です。
有線での充電性能をチェック
USBチェックカーを使い、Anker 633 Magnetic Battery(MagGo)のUSB-Cポートの充電性能を確認してみました。
▲ USB PD 3.0に対応し、最大20W(9V/2.22A)出力。仕様はスペックどおりですが、商品説明の仕様には書かれていませんでしたが、USB PD 3.0のPPS充電に対応していますね。iPhoneはPPS充電には対応していないものの、Androidスマホの一部などPPS充電に対応するデバイスでは恩恵を受けられます。
▲ 有線でiPhone 12 Proを充電してみると、9V/2.22(最大20W)でネゴシエーションされ最大出力の20W付近で充電できています。
▲ USB PDに対応するので、もちろん、iPhone以外のPD充電対応デバイスの充電もOKです(上はXperia 1 III)。
▲ ワイヤレスイヤホンの充電などでたまに必要になるUSB-Aポートが使えるのは地味にありがたい!
▲ ワイヤレス充電と有線の充電を同時に行うことも可能です。上のようにUSB-Cポートが塞がっていても、ワイヤレスでiPhoneを充電できるのは便利ですね!なお、Anker 633 Magnetic Battery(MagGo)は、Apple Watchの磁気充電には対応していません。
パススルー充電に対応
Anker 633 Magnetic Battery(MagGo)本体の充電には、入出力に対応したUSB-Cポートを使います。
▲ 出力だけでなく、入力(本体への充電)も最大20Wに対応します。USB充電器は別売です。普段スマホの充電に使っているものでOKです(15W以上に対応したUSB-C充電器)。
▲ Anker 633 Magnetic Battery(MagGo)はパススルー充電に対応しており、モバイルバッテリー本体を充電しながら、同時にワイヤレス充電を行えます。パススルー充電はバッテリーに負荷がかかるため常用はおすすめできませんが、いざというときには活躍してくれるはずです。
まとめ
これは冒頭でも書きましたが、Anker 633 Magnetic Battery(MagGo)を使ってみて感じたのは、ハマる人とハマらない人がはっきり別れるということです。
Anker 633 Magnetic Battery(MagGo)がハマる人
- 「モバイルバッテリーと一緒に充電ケーブルを持ち歩きたくない」という方
- スタンド機能に魅力を感じる方
Anker 633 Magnetic Battery(MagGo)がハマらない人
- モバイルバッテリーにコンパクトさ・軽量さを求める方
- ワイヤレスでも高速に充電したい方
- 手持ちしたときの重量が気になる方
- MagSafeに対応しないiPhoneケースを愛用されている方
私は、どちらかというと「ハマらない人」に入ります。手持ちしたときのサイズと重量が気になりますね。それなら有線でサクッと急速充電してしまって、身軽な状態でiPhoneを使いたい。ワイヤレス充電しないとなると、Anker 633 Magnetic Battery(MagGo)じゃないといけない理由がなくなります。ワイヤレス充電に対応しなくても、コンパクトで軽量なモバイルバッテリーはたくさんあります。
とはいえ、充電ケーブルなしにiPhoneをワイヤレス充電できるのは便利なことには違いないですし、スタンド機能は出先でも活躍してくれます。合うかどうかは求めるものによるでしょう。
ちなみに、「ワイヤレス充電でも充電速度にこだわりたい」という方は、最大15WのMagSafeワイヤレス充電に対応したモバイルバッテリー「Ezo Brick Terminus」がおすすめ。
▲ 同じ10000mAhバッテリーを搭載し、MagSafeに対応するiPhone 13/12シリーズでは最大15Wでワイヤレス充電を行えます。最大20WのUSB-Cポートのほかに、スタンド機能(横置きのみ)も搭載しています。
サイズは155 × 75 × 15.4 mm、サイズは235 gとなります。Anker 633 Magnetic Battery(MagGo)よりもさらに少し大きく重くなりますが、ワイヤレス充電時の充電速度を重視するならこっちです。
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