今回ご紹介するのは、BLUETTI(ブルーティー)の小型ポータブル電源「EB3A」という製品です。
搭載するバッテリー容量は268.8Whと控えめではありますが、そのぶん機動性は抜群。「持っていっておきたいけど、重いしどうしようかな」と迷う場面でも、躊躇なく持ち出せるサイズ感が魅力のポータブル電源です。
BLUETTI EB3Aを使ってみて、私は、ポータブル電源というよりコンセントが使える大型モバイルバッテリー、という表現がぴったりな印象を受けました。
ポータブル電源は必要なときにそこにないと意味がありません。そういう意味では、「持ち出すまでのハードルの低さ」はポータブル電源選びの大事なポイントです。BLUETTI EB3Aは、まさにそのポイントのをカバーしてくれるコンパクトなポータブル電源です。
もちろん、サイズと同じくらい重要な電源供給性能もばっちり。BLUETTI EB3Aは最大600W(電力シフト機能で最大1200W)のAC出力に対応、小型ポータブル電源のなかでもパワフルな性能を備えます。
小型でもしっかり使えるポータブル電源をお探しの方に、BLUETTI EB3Aはハマるはずです。また、比較的選びやすい価格で初めてのポータブル電源にもいいでしょう。興味のある方はぜひチェックしてみてください!
BLUETTIの小型ポータブル電源「EB3A」
BLUETTI(ブルーティ)とは?
BLUETTIは、ポータブル電源やソーラーパネルなどで有名なブランドです。
BLUETTIブランを展開する会社(パワーオークグループ)は中国深センにありますが、日本法人の「BLUETTI JAPAN」が神奈川県にあります。保証などのアフターフォローを行ってくれる拠点が日本国内にあることは安心要素です。
BLUETTIではEB3Aのような小型ポータブル電源から、5000Whを超えるものまで、さまざまなバッテリー容量のポータブル電源がラインアップされています。それらにすべて、より安全性が高く長寿命な「リン酸鉄リチウム電池」が採用されています。これもBLUETTIの特徴のひとつです。
BLUETTI EB3Aの仕様
BLUETTI EB3Aの仕様は以下のとおりです。
製品名 | BLUETTI EB3A |
---|---|
バッテリー種類 | リン酸鉄リチウムイオン電池 |
バッテリー容量 | 268.8 Wh |
入力 | AC:最大430W PV(ソーラー):12-28V, 最大200W シガーソケット:12V/24V |
出力 | AC x 2(正弦波、50/60Hz切り替え可能、最大600W) 5521 x 2(12V/10A) シガーソケット x 1(12V/10A) USB Type-A x 2(5V/3A) USB Type-C x 1(最大100W) Qiワイヤレス充電(最大15W) |
その他機能 | 電力シフト機能(最大1200W) 簡易UPS LEDライト |
サイズ | 約255 x 180 x 183 mm |
重量 | 約4.6 kg |
カラー | カラー:ブラック/ベージュ |
パッケージ内容 | EB3A本体 ACアダプタ充電用ケーブル 取扱説明書 保証カード・合格証明書 |
モバイルバッテリーやUSB充電器をレビューすることが多い私にとっては、やはりUSBポートやワイヤレス充電の充電性能が気になるところ。充電性能についてはこのあと詳しくレビューしています。
安全性が高く長寿命のリン酸鉄リチウム電池を採用
BLUETTI EB3Aに採用されているリン酸鉄リチウムイオン電池は、複数あるリチウム電池のなかでも安全性の高い種類です。他と比べてエネルギー密度が低いことから耐熱性に長け、さらに充放電サイクル数が多く長寿命という特徴があります。つまり、安全でエコな素材ということですね!
BLUETTI公式サイトによると、EB3Aの充放電サイクル数はなんと2500回以上。
仮に毎日充放電を繰り返したとしても、6.9年以上使える計算になりますね。実際の仕様では10年以上はもってくれるでしょう。
モバイルバッテリーの充放電サイクル数は、一般的に300回~500回ほどと言われています。2日1回の充放電で約2年使える計算になるのですが、体感的にも2、3年を超えると「バッテリー残量が減ってきたな、そろそろ買い換えか」という感じ。
その点、リン酸鉄リチウム電池を採用し充放電サイクル数が2500回以上のBLUETTI EB3Aなら長く使えますね。長く使えるということは、環境にもサイフにも優しい!
バッテリー容量「268.8Wh」で何をどれくらい充電できる?
BLUETTI EB3Aのバッテリー容量は268.8Whとなっています。
スマホ(10W) | 約15〜20回 | GoPro(47Wh) | 約46回 |
---|---|---|---|
LEDライト(20W) | 約10〜12時間 | Osmo Pcket(6.378wh) | 約32回 |
タブレット(30Wh) | 約7回 | ドローン(60Wh) | 約3.6回 |
Switch(13.6Wh) | 約16回 | 電動工具(80W) | 約2〜2.3時間 |
ノートPC(50Wh) | 約4.3回 | ミキサー(100W) | 約2時間 |
デジカメ(16.4Wh) | 約13回 | CPAP(40W) | 約5.4時間 |
上はBLUETTI公式サイトで紹介されていた目安です。1泊以上のキャンプに持っていくとなると心もとないバッテリー容量ですが、日帰りのデイキャンプや釣り、ロングドライブなどの比較的ライトなら必要十分でしょう。
BLUETTIアプリで入出力を確認・操作できる
AppleのApp Store・Google Playで配信されている「BLUETTIアプリ」を使うことで、アプリからBLUETTI EB3Aの入出力状況を確認したり、AC・DCオン/オフを操作できます。
LEDライトや本体のバージョンアップなどを行えます。
BLUETTI EB3AとスマホがBluetooth圏内にあれば遠隔での操作が可能。リモコンのように操作できるので、車内など狭い空間での操作に便利です。
BLUETTI EB3Aレビュー
それでは本題のレビューに入っていきましょう!まずは外観からチェックしていきます。
外観
- EB3A本体
- ACアダプタ充電用ケーブル
- 取扱説明書
- 保証カード
- 合格証明書
パッケージ内容は本体を含め上記の5点です。
AC・DCオン/オフボタンやバッテリー残量・出力状況を表示するスクリーンなど、表示・操作系はすべて前面に集約されています。
上部のマークされている部分でワイヤレス充電できます。ワイヤレス充電対応のスマホやワイヤレスイヤホンなどの対応デバイスを最大15Wで充電できます。
持ち運び時にはこのようにハンドルを立てられる構造となっています。ハンドルを寝かせると完全なフラットになります。
吸排気口は左右側面に配置されています。
底面の四隅には滑り止め用のゴムがあります。また、中央部分には製品の仕様が表示されています。
決して高級感がある外観・デザインというわけではありませんが、安っぽさはありません。デジタル表示のスクリーンは見やすく分かりやすいですし、ボタンの操作性も問題なしですね!
持ち出すハードルが低いサイズと重量
BLUETTI EB3Aのサイズは約255 x 180 x 183 mm、重量は約4.6 kgとなっています。
iPhone 14とiPhone 14 Plusと並べてみました。両者は過去モデルの「小さいほう」と「大きいほう」とほぼ同じサイズですので、お手元にあればサイズをイメージしていただきやすいかと思います。
実際のところ、コンパクトなポータブル電源はたくさんあります。しかし、このサイズでAC出力が600Wに対応するものはなかなかありません。600Wでこのサイズ、となるとやはりコンパクト。
このように子供でも楽ラク持てます。ポータブル電源を持ち出すとき、保管場所から車に持っていくまでが第一のハードルになります。約4.6 kgと軽くはないものの、難なく片手で持てる重さ。「使わないかも知れないけど、一応もって行っておくか」という場面でも迷いなく持ち出せます。
私はノートPCやiPad、カメラ、モバイルディスプレイなどのガジェット類をよく車内に持ち込みます。いつもはそれらを充電するのにモバイルバッテリーを使うのですが、BLUETTI EB3Aならこれ1台で済むので便利。サイズ的にも邪魔になりません。
ポータブル電源本体を充電するのに巨大な電源アダプタが必要になることが多いですが、BLUETTI EB3Aは付属のAC電源ケーブル1本で充電できます。本体と一緒にラクに持ち出せます。
ポータブル電源本体の充電は1時間で完了
付属のAC電源ケーブルをAC入力コネクタに接続、BLUETTI EB3A本体を充電します。
充電には「標準モード」「静音モード」「高速モード」の3つのモードがあり、デフォルトでは標準モードに設定されています。
- 標準モード:最大268W(約2時間でフル充電)
- 静音モード:ファンの動作を抑えるモード(約100Wで充電)
- 高速モード:最大430W(約1時間でフル充電)
BLUETTI EB3A本体をフル充電するのにかかる時間は、高速モードでたったの1時間。40分の充電で70%も充電可能。持ち出す当日に充電し忘れに気付いても、まるでスマホ感覚でサクッと急速充電できてしまうのは便利ですね!
高速モードで充電中は、仕様どおり約430Wで充電されていました。
なお、充電モードの切り替えはBLUETTIアプリで行えます。
これはどのようなバッテリーにも言えることですが、一般的に急速充電はバッテリーに負担がかかります。通常は標準モードで充電し、急ぎの場合のみ高速モードに切り替えるのがいいでしょう。
最大600Wに対応するACコンセント
BLUETTI EB3AのAC出力は最大600W(電力シフトで最大1200W)に対応します。このサイズ感のポータブル電源で600Wはかなりパワフル。
このようにあらゆるものに給電できます。ちなみにスイッチは、BLUETTI EB3Aからスイッチのドックとモバイルモニターに給電しています。電源のないキャンプ先でスイッチで遊ぶ、プロジェクターで映画を観る、なんて使い方もできますね。
私の場合はガジェット系製品の充電が多いですが、小型の炊飯器やIHクッキングヒーターなども合計600W以内であれば使用できます。
BLUETTIアプリから電力シフト機能をオンにすれば、最大1200Wまでの家電を動かせます。これは600Wを超えて消費電力の高い家電を動作させられる機能。
この電気シフト機能、私は「へーそんなことができるんだ」と驚いたのですが、電力を余計に消費したり、電気ケトルでお湯を沸かすにしても通常より時間がかかったりといったようにメリットだけではないようです。あくまでもおまけ機能的に思っておいたほうがいいでしょう。
嬉しい最大100WのType-Cポート
BLUETTI EB3Aが搭載するType-Cポートは最大100Wに対応、スマホからタブレット、ノートPCまで充電できます。
USB充電チェッカーで対応する急速充電規格を調べてみると、USB PD 3.0のほかにサムスンやファーウェイなどのメーカー独自に急速充電にも対応しているようです。なんでもこいと言わんばかりの高い充電性能ですね。
- USB PD 3.0 / PPS(最大100W)
- Fast Charge Protocol
- Adaptive Fast Charging
- Smart Charge Protocol
- Pump Express+ 2.0
- Quick Charger 4+
- Apple 2.4A
USB PDに対応する15インチクラスのノートPCをポータブル電源単体で充電できるのは便利!
このとおり、約94Wと非常に高速に充電できています。
Type-CポートはUSB PD 3.0のPPS充電にも対応します。上ではXperia 1 IIIを充電していますが、しっかりとPPS充電できていることを確認できました。
Type-Cポートの充電性能は申し分ないのですが、欲を言えばもうひとつかふたつType-Cポートが欲しいですね。
もちろん使い方にもよりますが、「スマホとタブレット、ノートPCなど複数デバイスを同時に充電したい」というパターンはよくあるかと思います。小型デバイスの充電はType-Aポートでカバーできるものの、私の環境・使い方だともうひとつくらいType-Cポートが欲しいところ。
といっても、2口のACコンセントを搭載するBLUETTI EB3Aならこれができますからね。別途USB充電器を用意すればいくらでも拡張できます。
シガーソケットにUSBカーチャージャーを接続するのもありですね。これができるのはポータブル電源の大きな強みでしょう。
ワイヤレス充電が地味に便利
BLUETTI EB3Aが対応するQiワイヤレス充電が地味ながら便利だと感じました。
ワイヤレス充電の利点は、充電ケーブルがなくても置くだけで充電できること。とにかく楽チン。
iPhone 8以降の最大7.5Wワイヤレス充電に対応していますし、Androidスマホでは最大15Wのワイヤレス充電に対応。一般的に販売されているワイヤレス充電器と同等の充電性能です。
Qiワイヤレス充電に対応するデバイスならスマホでなくても充電できます。上ではAppleの完全ワイヤレスイヤホン「AirPods」をワイヤレス充電しています。ちょっと充電可能位置がシビアな気がしますが、充電ケーブルが手元になくても置くだけで充電できるは便利です。
BLUETTI EB3Aはモバイルバッテリー感覚で使えるポータブル電源
今回はコンパクトでパワフルなポータブル電源、BLUETTI EB3Aをご紹介させていただきました。サイズが約255 x 180 x 183 mm、重量が約4.6 kgと気軽に持ち出せるサイズ感のポータブル電源なのに、AC出力が最大600Wと非常にパワフルです。
バッテリー容量は268.8 Whと少なめではありますが、だからこそ実現できているサイズ・重量だと思いますし、普段からガシガシ使うポータブル電源としては、さまざまな面でちょうどいいスペックだと感じました。
冒頭でも書いたように、超大型のモバイルバッテリーという感覚で活用できるところに大きなメリットがありますね。
- 車での旅行時に家族共有のバッテリーとして。
- カメラやドローンなどでの撮影機材として活用。
- ソロキャンプや釣りなど比較的ライトな使い方。
- 車中泊などでのちょっとした調理。
- ゲームやプロジェクターなどのエンタメ用途。
- サブのポータブル電源として
- 初めてのポータブル電源として
とにかく小さく軽いので、どのようなシーンにも気軽に持ち出せます。それに安全性の高いリン酸鉄リチウム電池採用ですので、車内に持ち込むときにも安心感があります。
モバイルバッテリーの延長線のような感覚で使えるポータブル電源をお探しなら、BLUETTI EB3Aがハマるはず。ぜひチェックしてみてください!
- コンパクトで軽量、持ち運びしやすいサイズと重量
- AC出力が最大600Wに対応(最大1200Wの電力シフト付き)
- 安全性が高く長寿命のリン酸鉄リチウム電池を採用
- たった1時間の充電でフル充電できる(高速モード)
- 最大100WのType-Cポートを搭載
- アプリで入出力状況の確認や遠隔操作できる
- 比較的価格が安い
- バッテリー容量が268.8 Whと少なめ
- Type-Cポートが1つしかない(Type-Aは2つ)
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