今回ご紹介するのは、最大100W & 3ポートを搭載するパワフルなUSB充電器、「Anker 736 Charger (Nano II 100W)」です。
最大100WのUSB-Cポートでスマホからタブレット、ノートPCまでさまざまなデバイスを急速充電できます。スマホなどの小型・中型デバイスなら複数台同時に急速充電することも可能です。またGaN(窒化ガリウム)採用でコンパクトで軽量なUSB充電器なので持ち運び用途にも最適です。
- この記事で分かること
-
- Anker 736 Charger (Nano II 100W)の特徴と仕様
- 対応する急速充電規格
- 負荷を掛けたときの発熱
- 他の100WクラスUSB充電器とのサイズ・重量・コスパ比較
記事内では同じ100Wクラスの充電性能を持つUSB充電器も比較し、「本当にコンパクトなのか?」「コスパは?」というところについても確認しています。
さまざまなデバイスを急速充電できるパワフルなUSB-C充電器をお探しの方に参考となる内容となっていますので、ざひ最後までご覧ください!
- GaN採用でコンパクト & 軽量、折りたたみ式プラグで持ち運びに最適
- 合計3つのUSBポートを搭載(USB-C x 2、USB-A x 1)
- USB-Cポートは最大100W(USB PD)・PPS充電に対応
- 60W + 40Wで複数デバイスを同時に急速充電できる
- 負荷をかけても発熱が少ない
- 充電性能は高いが価格も高い。
- コストパフォーマンスを重視する方には他の選択肢がおすすめ
Anker 736 Chargerの仕様と対応する急速充電規格
Anker 736 Chargerの仕様は以下のとおりです。
Anker 736 Chargerの仕様
製品名 | Anker 736 Charger (Nano II 100W) |
---|---|
外観 | |
入力 | 100-240V~ 2.1A 50-60Hz |
USBポート | USB-C x 2 USB-A x 1 |
USB-C1/C2出力 | 5V⎓3A / 9V⎓3A / 15V⎓3A / 20V⎓5A(最大100W) 【PPS】3.3-16V⎓5A(最大80W) |
USB-A出力 | 4.5V⎓5A / 5V⎓4.5A / 5V⎓3A / 9V⎓2A / 12V⎓1.5A(最大22.5W) |
合計出力 | 最大100W |
サイズ | 約67 x 57 x 32 mm |
重量 | 約206 g |
カラー | ブラック(A2145N11) ホワイト(A2145N21) |
パッケージ内容 | Anker 736 Charger (Nano II 100W) 取扱説明書 |
価格(税込) | 8,990円 |
製品ページ | Amazon |
なんといっても最大100Wのパワフルさが光ります。サイズや重量についてはのちほど詳しくご紹介しますが、最大100W & 3ポートをこのサイズ感で持ち運べることも魅力です。
搭載する3つのUSBポートを複数同時に使用したときの振り分けは以下になります。
複数ポート使用時の振り分け
ポート使用数 | USB-C1 | USB-C2 | USB-A | 合計出力 |
---|---|---|---|---|
1ポート | 100W | ─ | ─ | 最大100W |
─ | 100W | ─ | 最大100W | |
─ | ─ | 22.5W (SCP) | 最大22.5W | |
2ポート | 60W | 40W | ─ | 最大100W |
80W | ─ | 18W | 最大98W | |
─ | 60W | 22.5W (SCP) | 最大82.5W | |
3ポート | 45W | 30W | 18W | 最大93W |
2つのUSB-Cポートを同時に使用しても60W・40Wの出力ですから非常にパワフル。13インチクラスのノートPCなら2台同時に充電することも可能です。
続いて手持ちのUSB充電チェッカーを使って、Anker 736 Charerが対応する急速充電規格をチェックしてみました。
対応する急速充電規格
USBポート | 急速充電規格 |
---|---|
USB-C1 / C2 | USB PD 3.0 / PPS Fast Charge Protocol(Huawei) Smart Charge Protocol(Huawei) Quick Charge 4+(下位互換あり) Pump Express+ 2.0 Apple 2.4A |
USB-A | Adaptive Fast Charging(Samsung) Fast Charge Protocol(Huawei) Smart Charge Protocol(Huawei) Quick Charge 3(下位互換あり) Pump Express+ 2.0 Apple 2.4A |
スマホベンダー系独自の急速充電規格を含むさまざまな規格に対応しています。、さまざまな急速充電規格に対応しています。Ankerが独自の急速充電技術とうたう「Power IQ (Gen2)」の中身がこれです。
続いてUSB PDの「PDO(Power Data Object)」を確認しました。
Anker 736 ChargerはUSB PD 3.0のオプションであるPPS(Programmable Power Supply)充電に対応しますね。GalaxyやGoogle Pixel、Xperiaなど一部のAndroidスマホはこのPPS充電により、効率よく高速に充電できます。
またPPSの仕様を見るとGalaxyの「超急速充電(25W/45W)」にも対応します。対応スマホをお持ちの方が恩恵を受けられるのは嬉しいポイントです。45Wの超急速充電時には100W充電に対応するUSB-Cケーブルを別途用意する必要があるのでご注意ください。
Anker 736 Chargerの外観・デザイン
Anker 736 Chargerの外観・デザインを見ていきます。ぐるっと360度から確認できる写真を撮りました。左右にスワイプして回転させられます。
カラーはブラックとホワイトから選択でき、私はブラックを購入しました。外装はプラスチックですが安っぽさは一切ありません。USB充電器に高級感を求めるか?というところですが、携行する上で所有欲を満たしてくれるデザイン・質感であることは大事です。
USB-Cポートは2つとも最大100Wですが、同時使用時はUSB-C1(上)が60W、USB-C2(下)が40Wと電力が振り分けられます。「いちばん上のパソコンマークあるUSB-Cポートを優先的に使う」と覚えておけばOKでしょう。
USBポートの間隔は余裕があります。複数ポート接続時も抜き差ししづらいということはありませんでした。
USBポートのある反対側の面に仕様やPSEマークなどの各種マークが表示されています。
電源プラグは折りたたみ式。持ち出すときには折りたたんでコンパクトに持ち運べます。
外観・デザインについては特に気になることはありませんでしたが、やはりブラックはベタベタと皮脂汚れが目立ってしまう印象を受けました。外装はマットな質感なので致命的に気になるレベルではないものの、テカリが気になる方はホワイトを選んだほうがいいでしょう。
100Wとパワフルなのにコンパクト&軽量
Anker 763 Chargerのサイズは約67 x 57 x 32 mmと充電性能を考えると非常にコンパクトです。
MacBook Pro 14インチに付属されている67W USB-C電源アダプタ、96W USB-C電源アダプタとサイズを比較してみるとこのとおり。充電性能・搭載USBポート数的にはAnker 736 Chargerが勝っているのにもかかわらず、Apple製USB充電器よりもコンパクトです。
近年ではUSB PD充電に対応するノートPCが多くなってきました。Anker 736 Chargerは、ノートPC付属の巨大な充電器の代替を探しているという方にぴったりでしょう。
Anker 736 Chargerの重量をはかってみると、公称の約206 gよりもわずかに軽い199.31 gでした。
約200 gですから手に持つとそれなりにずっしりきます。バックパックに詰め込んでおくなら気になりませんが、手持ちバッグだと重さが気になることも。
ただ、Anker 736 Chargerは100WクラスのUSB充電器としては軽い部類。3ポートを搭載することを考えても「軽量」と言っていいでしょう。詳しくは記事内の他のUSB充電器との比較でご紹介しています。
あらゆるデバイスを急速充電できる高い充電性能
Anker 736 Chargerは最大100WのUSB-Cポートを搭載、あらゆるデバイスを急速充電できる高い充電性能を備えます。
上ではM2 MacBook Airを充電しています。約68Wと高速に充電できていることが確認できます。これはM2 MacBook Airをフルスピード充電できている状態。約30分でバッテリー残量を0%から50%まで充電できます。
M1 Max MacBook Pro 16インチを充電してみると、約91Wで充電できていました。30分でどれほどバッテリー残量を回復させられるかを確認すると、30分で10% → 40%まで充電できました。必要十分な充電速度です。
MacBook Pro 16インチ(2021/2023)に付属されているApple 140W USB-C電源アダプタは、USB充電器としては超巨大。さらに超重量級で持ち運びには向いていません。Anker 736 Chargerは、Apple 140W USB-C電源アダプタの代替としてもおすすめです。
2つのUSB-Cポートを同時に使用したときは最大60W・最大40Wという振り分けになります。M1 Max MacBook Pro 16インチとM2 MacBook Airを同時に充電してみると、それぞれ約56W・約37Wで充電されていました。
PPS充電に対応するXperia 1 IIIを充電してみると、約21Wで充電できておりPPS充電もしっかり機能していました。
上ではM2 MacBook Air・iPad Pro 12.9インチ・iPhone 13の3台を同時に充電しています。Ankerによると、このとき最大45W(USB-C1)・最大30W(USB-C2)・最大18W(USB-A)という振り分けになります。
実勢の充電ワット数を確認してみると、以下の数値になっていました。
- M2 MacBook Air:約42W(USB-C1)
- iPad Pro 12.9インチ:約28W(USB-C2)
- iPhone 13:約8W(USB-A)
MacBook AirとiPad Pro 12.9インチは高速に充電できていますが、USB-Aポートで充電しているiPhone 13の充電速度は伸び悩んでいます。3台同時に急速充電したい場合は、合計出力が120Wや150Wなど100Wを超えるUSB充電器をチェックしてみてください。
負荷をかけたときの発熱をチェック
続いて気になる充電時の発熱を確認してみました。結論から言うと発熱に関しては心配不要です。
Anker 736 ChargerでMacBook Pro 16インチを充電し、ピーク時の表面温度を計測してみるともっとも熱い部分で69℃前後でした。このとき約100Wで充電されているので、Anker 736 Chargerにとってもっとも負荷がかかった状態です。
コンパクトなUSB充電器ではピーク時に80℃近くまで表面温度が上昇するものが珍しくありません。69℃前後なら触れられるレベルですし、発熱しにくい部類と言っていいでしょう。
他の100WクラスUSB充電器との比較
100Wクラスで魅力的なUSB充電器は、Anker 736 Charger以外にもたくさんあります。そこで、最大100WのUSB-Cポートを搭載する合計8製品をサイズ・重量・コスパ面で比較してみます。
製品名 | Anker 736 Charger (Nano II 100W) | Apple 96W USB-C電源アダプタ | Baseus GaNBoost 100W | Spigen USB-C 100W 2ポート GaN 充電器 | UGREEN Nexode 100W 2ポート | Anker PowerPort III 2-Port 100W | Anker 737 Charger (GaNPrime 120W) | Anker 747 Charger (GaNPrime 150W) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
搭載ポート | USB-C x 2 USB-A x 1 | USB-C x 1 | USB-C x 1 | USB-C x 2 | USB-C x 2 | USB-C x 2 | USB-C x 2 USB-A x 1 | USB-C x 3 USB-A x 1 |
USB-C最大 | 100W | 96W | 100W | 100W | 100W | 100W | 100W | 100W |
USB合計最大 | 100W | 96W | 100W | 100W | 100W | 100W | 120W | 150W |
サイズ | 約67 x 57 x 32 mm | 約80.0 x 80.0 x 28.6 mm | 約67 x 55 x 30 mm | 約67.8 x 67.8 x 35.51 mm | 約69 x 69 x 33 mm | 約69 x 69 x 31 mm | 約80 x 43 x 32 mm | 約68 x 61 x 31 mm |
重量 | 約206 g | 約293.5 g | 約170 g | 約215 g | 約230 g | 約216 g | 約187 g | 約232 g |
価格(税込) | 8,990円 | 10,680円 | 6,499円 | 5,990円 | 6,980円 | 8,390円 | 12,990円 | 14,990円 |
1Wあたりの価格 | 89.90円 | 111.25円 | 64.99円 | 59.90円 | 69.80円 | 83.90円 | 108.25円 | 99.93円 |
1Wあたりの体積 | 1.22 cm³ | 1.91 cm³ | 1.11 cm³ | 1.63 cm³ | 1.57 cm³ | 1.48 cm³ | 0.92 cm³ | 0.86 cm³ |
1Wあたりの重量 | 2.06 g | 3.06 g | 1.70 g | 2.15 g | 2.30 g | 2.16 g | 1.56 g | 1.55 g |
販売ページ | Amazon | Apple公式 Amazon | Amazon | Amazon | Amazon | Anker公式 Amazon | Amazon | Amazon |
△ この表は横スクロールできます。
上記8製品でもっとも販売価格・1Wあたりの価格が安いは「Spigen USB-C 100W 2ポート GaN 充電器」です。Spigen(シュピゲン)はスマホケースで有名なブランド。知っているブランドのUSB充電器ということもありもっとも選びやすいかと思います。
複数ポートを搭載するUSB充電器でもっともコンパクト・軽量なのは「Anker 747 Charger (GaNPrime 150W)」となります。ただ手を出しにくい価格なのと、そもそも合計150Wもの充電性能が必要か?ということもあります。
複数ポートを搭載するUSB充電器で合計出力が100Wを超えるものを除外すると、もっともコンパクト・軽量なのは「Anker 736 Charger (Nano II 100W)」ですね。1ポートなら「Baseus GaNBoost 100W」がコンパクトで軽量。
充電性能・価格・サイズ・重量のトータルを見たときに、Anker 736 Charegerは優等生タイプのUSB充電器だと印象です。
非常にバランスがいいですね!そこそこコンパクトでそこそこ軽量。価格もそこそこしますが充電性能を考えると高過ぎるわけではありません。
Anker 736 Chargerレビューまとめ
今回は最大100Wとパワフルな3ポート搭載USB充電器「Anker 736 Charger (Nano II 100W)」をご紹介させていただきました。
スマホ・タブレットなら2台同時にフルスピード充電できますし、ノートPCでも組み合わせによっては2台同時に充電可能。PPS充電にも対応し最新スマホも恩恵を受けられます。これ1台あればあらゆるデバイスの充電をカバーできますね。充電性能については申し分ありません。
ただし、コストパフォーマンスを重視するなら他の選択肢もアリです。100WのUSB-Cポートを搭載かつ複数ポートを搭載するUSB充電器でコスパ重視ならSpigenですね。
Spigenはコスパに優れますがサイズ・重量は大きめ。ここに携帯性を考慮に入れると、Anker 736 Chargerがベストな選択肢になるでしょう。上でも書いたようにどの面をみても優秀な優等生タイプのUSB充電器です。
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