今回ご紹介するのは、2台のデバイスを同時に充電できる二股のUSB-Cケーブル「Anker USB-C & USB-C ケーブル (2-in-1, 140W)」です。
お持ちの充電器にひとつしかポートがなくても、このケーブルを使えば2台同時に充電可能。しかもいい具合に電力を分配してくれる機能付きです。
ユニークなUSB-Cケーブルということもあり万人におすすめできるものではないのですが2台同時充電することが多い私にとっては非常に便利だと感じました。
- 二股ケーブルで2台同時に充電できる。
- 接続されたデバイスに応じて適切に電力分配してくれる
- 1台のみ充電時は最大140Wまでの充電に対応
- 編み込み式ケーブルで優れた耐久性(1万回の折り曲げテストをクリア)
- ケーブルは硬めで二股、若干の取り回しの悪さを感じる
- ケーブルの抜き差し時に充電の瞬断が発生する
- USB 2.0(最大480Mbps)で大きいデータ転送には不向き
- MacBook2台の同時充電には向かない
ケーブルの外観
ケーブルは硬めで二股になっていることもあり、若干の扱いにくさを感じました。
長さも約1.2 mと長めですし、邪魔になるほど大きくはないですがケーブルの途中にアダプタも設置されています。頻繁に持ち運ぶ方だとストレスを感じてしまう可能性があるかもしれません。
ただ編み込み式で頑丈なぶん安心感があります。Ankerによると、Anker USB-C & USB-C ケーブル (2-in-1, 140W)は1万回の折り曲げテストをクリアしているとのこと。耐久性に関しては心配いらないでしょう。
ケーブルの仕様
Anker USB-C & USB-C ケーブル (2-in-1, 140W)の詳しい仕様は以下のとおり。
製品名 | Anker USB-C & USB-C ケーブル (2-in-1, 140W) |
---|---|
外観 | |
充電性能 | 最大140W(1台充電時) |
USB規格 | USB 2.0(最大480Mbps) |
長さ | 約1.2 m |
重量 | 約54.8 g(筆者調べ) |
パッケージ内容 | ケーブル、クイックスタートガイド、カスタマーサポート |
保証 | 18か月 + 6か月(Anker会員登録後) |
価格(税込) | 1,990円 |
1台充電時は最大140Wに対応します。実際に16インチMacBook Pro(M3 Max)の充電に使用してみましたが、確かに140Wで接続されており実勢でも100Wを大きく超えるワット数で充電できていました。
140W充電できるデバイスを持っていなくても、140Wに対応する充電器を電源として接続できるのは大きなメリットです。2台同時充電時の電力分配のされ方はこの後ご紹介します。
また特殊なケーブルということもあり、いくつかの注意点があるのでまとめておきます。
- 2台同時充電時は、45W以上の充電器が推奨
- 2台のPCを同時充電する際、最初に接続されたPCにより高い電力が供給される
- データ転送速度は最大480Mbps(USB 2.0)
- 1台充電時のみPPS充電が可能
データ転送速度は最大480Mbpsと高速ではありません。ちょっとしたデータなら問題ありませんが、動画データなどをガシガシ転送できるような仕様ではありません。基本的には充電がメインのUSB-Cケーブルと考えておいたほうがいいでしょう。
2台同時充電時のワット数をチェック
Anker USB-C & USB-C ケーブル (2-in-1, 140W)の出力表が販売ページに記載されています。
ただ「実際のところ」を知りたかったので、手元にあるさまざまなデバイスで2台同時充電し、それぞれどれくらいのワット数で充電できているかを調べてみました。
140W充電器使用時
充電器は「Anker 717 Charger(140W)」を使用し、以下の2台の組み合わせで充電、ワット数を確認してみました。
2台の組み合わせ | 実勢の充電ワット数 |
---|---|
iPhone 16 Pro AirPods 4 | 約21W 約2W |
iPhone 16 Pro 11インチiPad Air(M2) | 約21W 約20W |
iPhone 16 Pro 13インチMacBook Air(M2) | 約21W 約47W |
iPhone 16 Pro 16インチMacBook Pro(M3 Max) | 約17W 約109W |
13インチMacBook Air(M2) 16インチMacBook Pro(M3 Max) | 約17W 約109W |
概ねいい具合に電力が分配されています。スマホ + ノートPCの2台をケーブル1本で同時に充電できるのは便利!なかなかいい感じです。
ただ気になったのはMacBook AirとMacBook Proの組み合わせ。
Ankerの出力表を見ると、PC + PCは50W + 50Wとなっていましたが、この組み合わせでは17W + 109Wという偏った結果に。MacBook Proには十分な電力が供給されていますが、MacBook Airは十分とは言えません。
充電の仕様はデバイスによってさまざまです。もしかすると異なるノートPCだと違う結果が出るかもしれませんが、少なくともこの組み合わせでは実用性に欠ける結果となりました。
100W充電器使用時
充電器は「Anker Prime Charger (100W, 3 Ports, GaN)」を使用しました。
2台の組み合わせ | 実勢の充電ワット数 |
---|---|
iPhone 16 Pro AirPods 4 | 約21W 約4W |
iPhone 16 Pro 11インチiPad Air(M2) | 約21W 約18W |
iPhone 16 Pro 13インチMacBook Air(M2) | 約21W 約47W |
iPhone 16 Pro 16インチMacBook Pro(M3 Max) | 約17W 約77W |
13インチMacBook Air(M2) 16インチMacBook Pro(M3 Max) | 約17W 約77W |
いずれもiPhone + もう1台の組み合わせでは十分なワット数で充電されています。
ただ140W充電器を使用したときと同じように、MacBook AirとMacBook Proの組み合わせでは電力分配が偏っていました。
65W充電器使用時
続いて65W充電器使用時で確認してみました。使用した充電器は「Anker Nano II 65W」です。
2台の組み合わせ | 実勢の充電ワット数 |
---|---|
iPhone 16 Pro AirPods 4 | 約21W 約2W |
iPhone 16 Pro 11インチiPad Air(M2) | 約21W 約20W |
iPhone 16 Pro 13インチMacBook Air(M2) | 約21W 約32W |
どれもバランスよく電力が分配されていますね。11インチiPad Air(M2)が20W前後となっていますが、このデバイスは実勢ワット数ではこんなもんです。問題ありません。
45W充電器使用時
45Wでは「Anker Nano II 45W」を使用しました。
2台の組み合わせ | 実勢の充電ワット数 |
---|---|
iPhone 16 Pro AirPods 4 | 約21W 約2W |
iPhone 16 Pro 11インチiPad Air(M2) | 約20W 約20W |
iPhone 16 Pro 13インチMacBook Air(M2) | 約21W 約14W |
さすがに45WだとiPhoneとMacBook Airの同時充電は厳しいですね。スマホ + ノートPCを充電するときは、少なくとも65W以上の充電器を用意した方が良さそうです。
レビューまとめ
ということで二股で2台同時に充電できるUSB-Cケーブル「Anker USB-C & USB-C ケーブル (2-in-1, 140W)」をご紹介させていただきました。
Amazonの購入者レビューを見てみると、以下のようなといったようなネガティブなレビューがありました。
- 2台目接続時に充電されない?
- 対応しないデバイスに20Vが流れた?
- 小型デバイスを充電するともう1台が5Vで充電される?
しかし私の環境では、このようなことは発生せず。iPhone 16 ProとAirPods 4の組み合わせでも問題なく充電できました。
ただデバイスによっては相性がある可能性があるので、そのようなレビューがあるということは知っておいた方がいいかもしれません。
私の評価としては、非常に便利で実用的に使えると感じました。普通にいいです。
私は出先でiPhoneとMacBookを同時充電することがよくあります。これならケーブル1本持ち出すだけでいいですし、充電器のポートがひとつでも2台同時に充電できてしまいます。
ケーブルは硬めで二股ということもあり若干の取り回しの悪さはあるものの、2台同時に充電することが多い方ならチェックしておいて損はないアイテムです!