今回はiPhoneの急速充電について、
- iPhoneの急速充電とは?
- 急速充電に必要なもの
- 急速充電時のワット数について
- 急速充電におすすめの充電器&ケーブル
これらについて解説します。
iPhoneの急速充電の活用はもはや必須。朝起きてバッテリー残量がないことに気付いても、支度している小一時間で1日分のバッテリーをサクッと充電できます。
iPhoneの急速充電とは「USB PD」
iPhoneの急速充電の正体は、急速充電規格「USB Power Delivery(USB PD)」です。
USB PDに対応する充電器とUSB-Cケーブルを使用することで(後述)、iPhoneのバッテリーをたった30分で約50%も充電が可能。
必要なときにサクッと急速充電を活用することで、日々の充電に関するストレスがぐっと減ります。
iPhone 8以降の機種がUSB PDに対応します。急速充電を活用できていないという方はこの機会にぜひ活用しましょう。
【参考】急速充電に対応するiPhone一覧
- iPhone 15、iPhone 15 Plus、iPhone 15 Pro、iPhone 15 Pro Max
- iPhone 14、iPhone 14 Plus、iPhone 14 Pro、iPhone 14 Pro Max
- iPhone 13、iPhone 13 mini、iPhone 13 Pro、iPhone 13 Pro Max
- iPhone SE(第3世代)
- iPhone 12、iPhone 12 mini、iPhone 12 Pro、iPhone 12 Pro Max
- iPhone 11、iPhone 11 Pro、iPhone 11 Pro Max
- iPhone SE(第2世代)
- iPhone XS、iPhone XS Max
- iPhone XR
- iPhone X
- iPhone 8、iPhone 8 Plus
急速充電に必要なもの
iPhoneを急速充電するには、
- USB PDに対応する20W以上のUSB-C充電器
- USB-C to CケーブルまたはUSB-C to Lightningケーブル
この2つが必要です。
1. USB PDに対応する20W以上のUSB-C充電器
USBポートの形状にはいくつかの種類がありますが、iPhoneの急速充電で使用するのは「USB-C(USB Type-C)」です。
USB-Aは裏表の区別がありますが、USB-Cは裏表どちらでも接続できます。またUSB-CにはUSB-Aよりも大きい電力を供給できるメリットがあります。
なおUSB-C充電器はApple純正にこだわる必要はありません。充電性能が高くコンパクトで、さらに価格も安い優秀なサードーパーティ製USB-C充電器がたくさん販売されています。
おすすめのUSB-C充電器については後半でご紹介していますのでそちらご覧ください。
2. USB-C to CケーブルまたはUSB-C to Lightningケーブル
iPhoneの急速充電にはUSB-C充電器を使用するので、ケーブルは「USB-C to Cケーブル」または「USB-C to Lightningケーブル」が必要になります。
- iPhone 16/15シリーズ ⇒ USB-C to Cケーブル
- iPhone 14シリーズ以前 ⇒ USB-C to Lightningケーブル
USB-C to Cケーブルは、両端がUSB-Cであればどんなものでも急速充電に使用できます(きちんと規格に準拠しているものであれば)。
USB-C to Lightningケーブルは、Apple純正かMFi(Made For iPhone/iPad/iPod)認証のあるものが安心。USB-Cケーブルについても後半でおすすめをご紹介しています。
iPhoneの急速充電に必要なワット数は?
iPhoneを急速充電する場合、基本的には「20W以上のUSB-C充電器」を用意すればOKです。
ただし、機種によって若干事情が異なるので分けて解説します。
iPhone 12〜16シリーズは「20W以上」
iPhone 12〜16シリーズの場合、「20W以上のUSB-C充電器」を用意してください。そうすれば30分で約50%の急速充電を実現できます。
実際に手元にあるiPhone 16 Proに「Apple 20W USB-C電源アダプタ」を接続し充電してみると、30分間の充電で11%から63%、たった30分で52%アップしました。
iPhoneの機種によってバッテリー容量が異なるため若干のバラツキがありますが、どの機種も30分で50%以上はバッテリー残量を回復させられるはずです。
iPhone 8〜11シリーズは「18W以上」
iPhone 8〜11シリーズは「18W以上のUSB-C充電器」を使用することで、30分で約50%の急速充電を実現できます。
iPhone 8〜11シリーズが発売された当時、充電器として「Apple 5W電源アダプタ」が付属されていました。いまとなってはその充電速度は激遅。
18W以上のUSB-C充電器に買い替えることで、劇的に充電速度が向上します。
以下は「Apple 5W電源アダプタ」と「Apple 20W USB-C電源アダプタ」でiPhone 12 Pro Maxを充電したときのバッテリー残量の推移です。
充電器 | 充電開始時 | 30分経過後 | 増加 |
---|---|---|---|
Apple 5W USB電源アダプタ | 2% | 17% | 15%アップ |
Apple 20W USB-C電源アダプタ | 2% | 53% | 51%アップ |
このとおり、5Wと20Wで充電速度に雲泥の差があります。
急速充電におすすめの充電器&ケーブル
iPhoneを急速充電するのにおすすめの充電器とケーブルをご紹介します。迷ったならこれらを選んでおけば間違いありません。
UGREEN Nexode Mini 20W
優れたコスパで定評のあるUGREEN(ユーグリーン)の20W充電器です。コンパクト&軽量で持ち運びにも対応でき、個人的にも愛用しているアイテムです。
サイズは約36 x 31.8 x 31.8 mmとコンパクト。折りたたみ式電源プラグ採用ということもありポケットに楽ラク収まるサイズ感です。重量もたったの約40 gと軽量です。
⇒ UGREEN Nexode Mini 20Wの詳細レビュー
別記事の「iPhoneにおすすめの充電器」でもご紹介していますので、もっと見たいという方はこちらをチェックしてみてください!
Anker PowerLine III Flow USB-Cケーブル
USB-C to Cケーブルなら、シリコン素材で扱いやすい本製品が間違いありません。
折りグセが付きにくくとにかく扱いやすい。付属の結束バンドが優秀なこと、全6色の豊富なカラーバリエーションもお気に入りポイントです。
▼ USB-C to Cケーブル
▼ USB-C to Lightningケーブル
よくある質問
最後に、iPhoneの急速充電に関する疑問・よくある質問についてまとめておきます。
途中で充電速度が落ちるのはなぜ?
iPhoneには、バッテリーの劣化をおさえるための充電管理システムが備わっています。
利便性と耐久性を両立するため、バッテリー残量が80%までは高速に、80%を超えると充電速度が緩やかになるように設計されています。
途中で充電速度が落ちるのはこのためです。故障ではなく仕様です
急速充電はバッテリーの劣化を早める?
結論から言うと、バッテリーの劣化を早める可能性があります。
厳密には急速充電がバッテリー劣化を早めるのではなく、急速充電時の発熱がバッテリー劣化の主な原因になります。バッテリーが高温になると化学反応が加速するためです。
ただ個人的にはあまり気にしなくていいと思っています。
バッテリーの劣化を心配して急速充電を控えるよりも、利便性を優先して積極的に急速充電を活用したほうが便利。
それにiPhoneにはバッテリー劣化を軽減する充電管理システムが備わっていますし、劣化すれば交換することもできます(お金はかかりますが)。
下は約2年半にわたって毎日のように急速充電したiPhone 12 Pro Maxのバッテリー最大容量です。
「90%」となっていますね。確かに劣化してきていますが、2年でこの程度です。過度な心配は不要でしょう。
100Wの充電器を使用してもいい?
iPhoneの急速充電に100Wの充電器を使用しても、140Wの充電機を使用しても問題ありません。
USB PDでは、充電するデバイスと充電器のあいだで「これだけの電力をください」→「はいどうぞ!」というやり取りが行われています。
そのため、大きいワット数に対応する充電器をiPhoneに接続しても安全に充電できます。
iPhone 16シリーズは45Wの充電に対応する?
「iPhone 16シリーズは45Wの充電に対応するかも」という話がありましたが、実勢の充電ワット数は20W程度になるようです。
バッテリー残量が少ないときやアプリを立ち上げたときに瞬間的に30W前後で充電されることがありますが、すぐに20〜25Wほどに落ち着きます。
参考にiPhone 16 Proを20W充電器・100W充電器で充電したときのバッテリー残量の推移をご紹介しておきます。
充電器 | 充電開始時 | 30分経過後 | 増加 |
---|---|---|---|
Apple 20W USB-C電源アダプタ | 11% | 63% | 52%アップ |
UGREEN Nexode X 100W | 8% | 55%アップ |
このように30分で増加したバッテリー残量は52%と55%とほぼ変わりませんでした。
つまり、iPhone 16シリーズでも20W以上の充電器を用意すれば最速に近い速度で充電できるということになります。
バッテリーを長持ちさせる設定は?
iPhone 15シリーズ以降では、80%から100%まで5%刻みで充電上限を設定できるようになりました。
充電上限を80%にしておくと、バッテリー残量が80%になった時点で充電をストップ、バッテリーの劣化を軽減してくれます。
また、充電上限が100%に設定されている場合やiPhone 14シリーズ以前の機種では、「バッテリー充電の最適化」をオンにできます。
これは使用者の充電パターンを学習し、自動的に充電をストップするなどでバッテリー劣化を軽減してくれる機能です。デフォルトでオンになっているかと思いますが、いまいちど設定を確認しオンにしておきましょう。