今回ご紹介するのは、65Wクラスの充電器では大人気の「Anker Nano II 65W」です。コンパクトさがセールスポイントで、持ち運び用の充電器をお探しの方にチェックしていただきたい製品です。
コンパクトサイズながら最大65WのUSB-Cポート搭載とパワフルな充電器で、スマホからタブレット、ノートPCまであらゆるデバイスの充電をカバーできます。
USB-C充電器のなかでも65Wクラスは激戦区で、Ankerから以外にも優秀な充電器が多数販売されています。本記事ではそんな他の充電器との比較についてもご紹介していますので、「ノートPC向けの持ち運びしやすい充電器」をお探しの方はぜひ参考にしてみてください!
- 65Wクラスの充電器ではトップクラスのコンパクトさ
- 最大65WのUSB PD・PPS充電に対応
- 発熱はあるが65Wクラスの充電器では放熱性に優れる
- 所有感を感じられる高級感のあるデザイン
- 価格が高め(税込4,490円)
- 四角く厚みのある形状でポケットへの収まりが悪い場合がある
- 負荷をかけた状態でピーク時で70℃ほどの発熱がある
Anker Nano II 65Wの仕様・スペック
Anker Nano II 65Wは、急速充電規格「USB Power Delivery(PD)」に対応する充電器です。最大65WのUSB-Cポートを搭載します。詳細の仕様は以下のとおりです。
製品名 | Anker Nano II 65W |
---|---|
入力 | 100-240V~ 2.1A 50-60Hz |
搭載ポート | USB-C x 1 |
USB-C出力 | 5.0V⎓3.0A / 9.0V⎓3.0A / 15.0V⎓3.0A / 20.0V⎓3.25A(最大65W) |
サイズ | 約44 x 42 x 36 mm |
重量 | 約112 g |
パッケージ内容 | Anker Nano II 65W 取扱説明書 |
カラー | ブラック / ホワイト |
価格(税込) | 4,490円 |
パッケージ内容はAnker Nano II 65W本体のみで、USB-Cケーブルは別売です。お持ちでない場合は別途用意する必要があります。
対応する急速充電規格
USB充電チェッカーでAnker Nano II 65Wが対応する急速充電規格を確認してみました。
USB PDのほか、Apple 2.4AやQuick Charge 4+(下位互換あり)といった急速充電規格にも対応していました。
USB-C規格のルール上、出力が許可されているのはUSB PDのみです。なのでAnker Nano II 65Wは規格違反となります。
ただ実際のところUSB PD以外の急速充電規格に対応する充電器はたくさんありますし、特に使用に問題があるわけではないので私自身はさほど気にしていません。とは言え厳密に言えば規格違反ですので、気になる方はご注意ください。
USB PDのPDO(Power Data Object)についても確認しました。
商品説明や本体記載の仕様と相違ありませんでした。
商品ページや公式ページには表記されていませんでしたが、USB PD 3.0のPPS(Programmable Power Supply)充電にも対応しているようです。
PPS充電に対応するXperia 1 IIIを充電してみると、正常にPPS充電が行われていました。XperiaやGalaxy、Google Pixelなど一部のAndroidスマホは、PPS充電に対応する充電器を使用することでより効率よく高速に充電できます。
外観・デザイン
続いて、Anker Nano II 65Wの外観・デザインを見ていきましょう。
外装はプラスチック素材。マットな質感で高級感のある落ち着いたデザインです。なかにはプラスチック感まるだしの、いかにも安っぽい充電器が多いなかで、Anker製充電器の高級感が光ります。
充電器に必要以上の高級感は必要ないと思っていますが、「所有感を満たしてくれるデザイン・質感」ということは毎日使う上でポイントになるところ。
電源プラグは折りたたみ式。充電器本体が小さくても、プラグを折りたためるかどうかで持ち運びしやすさがまるで違います。持ち運ぶなら折りたたみ式プラグが必須ですね!
プラグがある面に仕様やPSEマークなどの各種マークが表示されています。
サイズ・重量
Anker Nano II 65Wのサイズは約44 x 42 x 36 mmとなっています。
65Wクラスの充電器としては非常にコンパクトなサイズ感。
同等の充電性能を持つApple 67W USB-C電源アダプタのサイズは約74 x 74 x 28.6 mm。Anker Nano II 65Wは、Apple 67W USB-C電源アダプタの約58%もコンパクトな計算になります。
13.3インチのMacBook Airとのサイズ比較です。このサイズ感の充電器でノートPCを充電できるのですから凄い!
持ち運びには困らないサイズではあるのですが、四角く厚みのある形状のせいで薄めのポケットには収まりが悪い場合も。ただそもそも小さいのでさほど問題になることはないかと思います。
Anker Nano II 65Wの重量をはかってみると、実測で約116 gでした。公称は約112 gですので、ほぼ公称値どおりです。
65WのUSB-CポートでノートPCも充電できる
Anker Nano II 65WでM2 MacBook Air、MacBook Pro 16インチを充電してみると、どちらも65W近いワット数で充電できていました。
このように十分なワット数で充電できています。65Wあれば、約30分の充電でM2 MacBook Airのバッテリー残量を最大50%回復できます。
上ではUSB PD充電に対応するASUSのPCを充電しています。同じように65W近いワット数で充電できています。これは消費電力の高いゲーミングノートPCなので、負荷がかかっている状態での充電だと65Wだと足りませんが、負荷のない状態で充電するなら十分な速度で充電できます。
15インチ・16インチクラスのノートPCとなると65Wの充電器では十分な速度で充電できない場合もありますが、13インチ・14インチクラスのノートPCならほとんどのものをカバーできるはずです。
発熱あり、どちらかというと熱い部類
コンパクトな充電器なると、心配なのが充電時の発熱です。一般的に、充電器の放熱のしやすさは表面積の大きさに比例します。ハイパワーでコンパクトな充電器だと、ピーク時の表面温度が80℃前後まで上昇するものも。
Anker Nano II 65Wの発熱を確認するために、MacBook Pro 16インチを充電しピーク時の表面温度を計測しました。
上はMacBook Pro 16インチを充電し始めてから約40分後の表面温度です。71℃前後をピークに、MacBook Pro 16インチのフル充電が近づくにつれ下がっていきました。
Anker Nano II 65Wはどちらかというと発熱がある部類。71℃なので触れないほどではありませんが、何時間も充電し続けるような使い方だと、充電器の寿命を縮めてしまう可能性があります。
とはいえ、特に65Wクラスのコンパクトな充電だと70℃超えの発熱がある充電器はたくさんあります。個人的にはこれくらいの発熱ならさほど気にしなくていいと思っています。むしろAnker Nano II 65Wはかなりマシなほう。
「とにかく発熱が少ない充電器がいい」という方には、Apple 67W USB-C電源アダプタがおすすめです。
Anker Nano II 65Wと同条件で計測してみると、ピーク時の表面温度は約58℃でした。Apple 67W USB-C充電器は、私がレビューのために所有している65Wクラスの充電器のなかでもっとも発熱が少ない充電器です。
ただし、Apple 67W USB-C電源アダプタは発熱が少ないかわりに大きく重いデメリットがあります。コンパクトさと発熱はトレードオフの関係ですね。どちらを重視するか、というところです。
他の65WクラスのUSB-C充電器と比較
冒頭でも書きましたが使い勝手のいい65Wクラスの充電器は激戦区で、さまざまなメーカー・ブランドから優秀な充電器が販売されています。
そこで、Anker Nano II 65Wを含む合計8製品を比較してみます。
製品名 | Anker Nano II 65W | アイリスオーヤマ IQC-C651-B | Apple 67 USB-C電源アダプタ | Anker PowerPort III 65W Pod | Anker PowerPort III 65W Pod Lite | UGREEN Nexode 65W | CIO NovaPort TRIO 65W | Anker PowerPort III 3-Port 65W Pod | Anker 735 Charger (GaNPrime 65W) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
搭載ポート | USB-C x 1 | USB-C x 1 | USB-C x 1 | USB-C x 1 | USB-C x 1 | USB-C x 2 USB-A x 1 | USB-C x 2 USB-A x 1 | USB-C x 2 USB-A x 1 | USB-C x 2 USB-A x 1 |
USB-C最大 | 65W | 65W | 67W | 65W | 65W | 65W | 67W | 65W | 65W |
USB合計最大 | 65W | 65W | 67W | 65W | 65W | 65W | 67W | 65W | 65W |
サイズ | 約44 x 42 x 36 mm | 約48 x 48 x 28 mm | 約74 x 74 x 28.6 mm | 約66 x 45 x 29 mm | 約68 x 41 x 30 mm (プラグ込み) | 約66 x 39 x 29 mm | 約59 x 43 x 28 mm | 約66 x 38 x 29 mm | 約66 x 38 x 29 mm |
重量 | 約112 g | 約89.3 g | 約198.1 g | 約121 g | 約99 g | 約122 g | 約92 g | 約130 g | 約132 g |
価格(税込) | 4,490円 | 2,280円 | 7,485円 | 3,590円 | 4,190円 | 5,980円 | 6,688円 | 6,990円 | 7,990円 |
1Wあたりの価格 | 約69.08円 | 約35.08円 | 約111.72円 | 約55.23円 | 約64.46円 | 約92.00円 | 約99,82円 | 約107.54円 | 約122.92円 |
1Wあたりの体積 | 約1.02 cm³ | 約0.99 cm³ | 約2.34 cm³ | 約1.33 cm³ | 約1.29 cm³ | 約1.15 cm³ | 約1.06 cm³ | 約1.12 cm³ | 約1.12 cm³ |
1Wあたりの重量 | 約1.72 g | 約1.37 g | 約2.96 g | 約1.86 g | 約1.52 g | 約1.88 g | 約1.37 g | 約2.00 g | 約2.03 g |
販売ページ | Amazon | Amazon | Amazon | Amazon | Amazon | Amazon | Amazon | Amazon | Amazon |
※ 記事執筆時点の価格です。サイズ・重量には実測値が含まれております。「体積」は単純に3辺の長さを掛け合わせた数値になります。丸みを帯びた形状などは考慮していません。 |
△ この表は横スクロールできます。
どれもコンパクトで持ち運びしやすい充電器です。どれも僅差ではあるものの、Anker Nano II 65Wのコンパクトさはトップクラスです。
ただ重量は重めであることが分かります。重いというわけではありませんが軽くもありません。上記のなかでもっとも軽いのは、「アイリスオーヤマ IQC-C651-B」です。
Anker Nano II 65Wの価格は4,490円(税込)と高め。もっとも安いのは「アイリスオーヤマ IQC-C651-B」ですね。このアイリスオーヤマの充電器はコスパ抜群。別記事でレビューしていますが、ピーク時に80℃越えの発熱があること以外は非常に優秀な充電器です。
他の充電器と比較してAnker Nano II 65Wの強みとなるのは、やはりコンパクトさになります。そして発熱はあるものの、かなり抑えられているのもポイントです。
Anker Nano II 65Wレビューまとめ
今回はハイパワーでコンパクトな充電器「Anker Nao II 65W」をご紹介させていただきました。
Anker Nano II 65Wは、使い勝手のいい65Wクラスの充電器では非常に人気のある製品です。電源周りの製品は「安心して使える」ということもポイントになります。人気の理由は「Ankerの充電器だから」という点も大きいのではと思います。
ノートPCを充電できる65Wというパワーをこのサイズ感で持ち運べる充電器はなかなかありません。コンパクトならコンパクトな充電器になるほど放熱しにくく熱くなってしまいますが、Anker Nano II 65Wはパワーと放熱性を両立した完成度の高い充電器だと感じました。65Wクラスの充電器をお探しなら必ずチェックしておきたい充電器です!
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