今回ご紹介したいのは、最大65WのUSB-Cポートを搭載するアイリスオーヤマの充電器「IQC-C651-B」です。最大65WとノートPCを充電できるほどの性能を持ちながら、その価格はなんと税込2,280円(記事執筆時点)。
65Wクラスの充電器だと、だいたい安いものでも3,500円〜7,000円ほど。アイリスオーヤマの65W充電器は「安い!」を通り越して「ほんとに?」と逆に疑ってしまうほどの価格です。
安かろう悪かろうではコスパがいいとは言えません。価格が安く、かつ65W充電器としてしっかり使えてこそです。
そんな疑ってしまうほど安いアイリスオーヤマの65W充電器「IQC-C651-B」を購入し、実際に使ってみましたのでレビューとしてご紹介します。特に「買いやすい価格の65Wクラス充電器を探している」という方は要チェックです!
- 最大65WのUSB-Cポートを搭載する充電器としては破格の価格
- 65Wクラスの充電器ではトップクラスのコンパクトさ・軽さ
- USB-Cの規格違反のない仕様
- 高負荷での連続使用時に発熱がある(約80℃)
- 公称の重量と公称の重量に20gほどの差がある
パッケージ内容
パッケージ内容はIQC-C651-B本体と取扱説明書の2点です。USB-Cケーブルは付属されていないので、手持ちのものを用意するか、お持ちでなければ別途用意する必要があります。
IQC-C651-Bは最大65Wの充電に対応します。充電性能をフルに発揮するは、60Wを超える充電が可能な5Aに対応するUSB-Cケーブルが必要です。詳しくは別記事の100W充電対応のUSB-Cケーブルで解説していますので、これから用意される方はこちらも参考にしてください。
仕様・急速充電規格
アイリスオーヤマの65W充電器「IQC-C651-B」仕様は以下のとおりです。
製品名 | アイリスオーヤマ IQC-C651-B |
---|---|
入力 | AC100-240V 50/60Hz |
搭載ポート | USB-C x 1 |
USB-C出力 | 最大65W |
サイズ | 約48 x 48 x 28 mm |
重量 | 約70 g(実測89.3 g) |
パッケージ内容 | IQC-C651-B 取扱説明書 |
カラー | ブラック |
価格(税込) | 2,280円(記事執筆時点) |
IQC-C651-Bは、急速充電規格「USB PD(Power Delivery)」に対応します。カタログどおりの仕様となっているかをUSB充電チェッカーで確認しました。
USB PD 3.0に対応していますね。他の充電器ではUSB PD以外にQuick Chargeなどの他の急速充電規格に対応するものが多いのですが、これはUSB-Cの規格においてはルール違反になります。その点、IQC-C651-Bが対応するUSB PDのみで規格が遵守された仕様となっています。
USB PDのPDOについても確認しました。カタログどおりの仕様となっています。65W充電器としては破格のIQC-C651-Bですが、間違いなく最大65Wの充電に対応しています。
外観・デザイン
「IRIS OHYAMA」とロゴがあるだけの超シンプルなデザインです。外装はプラスチック素材ですね。安っぽさはないものの、高級感もありません。いたって普通のどこにでもあるような外観ですね。
電源プラグは折りたたみ式です。プラグを折りたたんでコンパクトに持ち運べます。
底面に充電器の仕様とPSEマークなどが表示されています。
シンプルな外観・デザインで特に言及すべき点はないですが、あえて言えば「ホワイト」を用意して欲しかったな、と思いました。
ブラックだとどうしても指紋汚れやホコリが目立ってしまいますからね。気にならない方のほうが多いかとは思いますが、私はどちらかと言うと気になっちゃうタイプ。私のように気になる方はご注意ください。
サイズ・重量
IQC-C651-Bのサイズは約48 x 48 x 28 mmと非常にコンパクトです。
ほぼ同じ充電性能を持つApple純正の67W USB-C電源アダプタと並べてみるとこのとおり。Apple 67W USB-C電源アダプタのサイズは約74 x 74 x 28.6 mmですので、体積比ではIQC-C651-Bのほうが約59%コンパクトです。
他の65Wクラスの充電器と比較しても、IQC-C651-Bのコンパクトさはトップクラスです。
IQC-C651-Bの重量をはかってみると、実測で89.3 gでした。公称の「70 g」と20 gほどの差がありますね。多少の個体差は仕方ないかと思いますが、それにしても差が大きい。実際の重量は公称の70 gよりも重い可能性があることには注意です。
最大65WのUSB-Cポート
IQC-C651-Bを使ってMacBook Airを充電し、最大65Wで充電できているかを確認してみました。
このとおり、IQC-C651-Bの仕様どおり65W近いワット数で充電できています。この価格・サイズ・重量の充電器でノートPCを充電できるのですから凄い!充電性能的にはMacBookにぴったりな充電器でしょう。
いまではほとんどのスマホやタブレットがUSB PD充電に対応します。上ではiPhone 12 Pro Maxを充電、約23Wで充電できています。
上ではXperia 1 IIIを充電、約25Wで充電できています。Xperia 1 IIIはUSB PD 3.0のPPS充電に対応するスマホなのですが、IQC-C651-BのようにPPS充電に対応しない充電器で充電しても実測のワット数はほぼ変わりません。
こちらではiPad(第10世代)を充電しています。実測で24Wと高速に充電できてます。
USB PDは、スマホやタブレット、ノートPC以外にもスイッチやカメラなど多くのデバイスが対応する急速充電規格です。IQC-C651-Bなら、それらのほとんどの高速に充電できます。65Wあれば充電について困ることはないでしょう。
充電時の発熱を確認
続いてチェックしたのは、充電時の発熱です。あえて負荷をかけるためにMacBook Pro 16インチを充電し表面温度を確認してみました。
上はMacBook Pro 16インチを充電し始めてから約45分経過した時点での表面温度です。約83℃と数秒間触れられないほど高温になりました。その後も定期的に表面温度を確認し続けましたが、この温度がピークです。
下は、Ankerの65W充電器「Anker Nano II 65W」で充電したときの発熱です。IQC-C651-Bと同条件で計測しました。
IQC-C651-Bと比較するとマシなものの、それでもそれなりに発熱があります。
65Wクラスの充電器では、ピーク時の表面温度をが70℃を超えることは珍しくありません。というか、ほとんどが70℃〜80℃程度の発熱があります。コンパクトな充電器ほどその傾向があり、IQC-C651-Bも例外ではないということですね。
IQC-C651-Bを購入する場合には、「最大出力で充電するときには、数秒間触れられないレベルの発熱がある」ということには注意してください。
ただ、実際の使用では発熱が気にならないことのほうが多いです。
たとえばM2 MacBook Airを65Wで充電したとき、30分ほどでバッテリーを最大50%充電できます。Apple製品の場合、バッテリー残量が80%を超えるとバッテリー保護のためにワット数が低下し充電速度が穏やかになっていきます。つまり高温状態が長く続いてしまうことはありません。
「どうしても充電時の発熱が気になる」という方は、Apple 67W USB-C電源アダプタをチェックしてみてください。65Wクラスの充電器のなかでダントツに発熱が少ないです(ただしデカく重い)。
また、発熱が気になる場合は100Wクラスの充電器を選ぶのも手です。同じMacBook Airを充電するにしても、パワーに余裕があるぶん発熱が発生しにくくなります。
65Wクラス充電器の9製品と比較
幅広いデバイスを高速に充電できる65Wクラスの充電器には、多くのニーズがあることもあって魅力的な充電器がたくさんあります。
アイリスオーヤマ IQC-C651-Bを含む、65Wクラスの充電器9製品を比較のために一覧にしました。
製品名 | アイリスオーヤマ IQC-C651-B | Apple 67 USB-C電源アダプタ | Anker PowerPort III 65W Pod | Anker PowerPort III 65W Pod Lite | Anker Nano II 65W | UGREEN Nexode 65W | CIO NovaPort TRIO 65W | Anker PowerPort III 3-Port 65W Pod | Anker 735 Charger (GaNPrime 65W) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
搭載ポート | USB-C x 1 | USB-C x 1 | USB-C x 1 | USB-C x 1 | USB-C x 1 | USB-C x 2 USB-A x 1 | USB-C x 2 USB-A x 1 | USB-C x 2 USB-A x 1 | USB-C x 2 USB-A x 1 |
USB-C最大 | 65W | 67W | 65W | 65W | 65W | 65W | 67W | 65W | 65W |
USB合計最大 | 65W | 67W | 65W | 65W | 65W | 65W | 67W | 65W | 65W |
サイズ | 約48 x 48 x 28 mm | 約74 x 74 x 28.6 mm | 約66 x 45 x 29 mm | 約61 x 41 x 30 mm (プラグ込み) | 約4 x 42 x 36 mm | 約66 x 39 x 29 mm | 約59 x 43 x 28 mm | 約66 x 38 x 29 mm | 約66 x 38 x 29 mm |
重量 | 約89.3 g | 約198.1 g | 約121 g | 約99 g | 約112 g | 約122 g | 約92 g | 約130 g | 約132 g |
価格(税込) | 2,280円 | 7,485円 | 3,590円 | 4,190円 | 4,490円 | 5,980円 | 6,688円 | 6,990円 | 7,990円 |
1Wあたりの価格 | 35.08円 | 111.72円 | 55.23円 | 64.46円 | 69.08円 | 92.00円 | 99,82円 | 107.54円 | 122.92円 |
1Wあたりの体積 | 0.99 cm³ | 2.34 cm³ | 1.33 cm³ | 1.15 cm³ | 1.02 cm³ | 1.15 cm³ | 1.06 cm³ | 1.12 cm³ | 1.12 cm³ |
1Wあたりの重量 | 1.37 g | 2.96 g | 1.86 g | 1.52 g | 1.72 g | 1.88 g | 1.37 g | 2.00 g | 2.03 g |
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※ 記事執筆時点の価格です。サイズ・重量には実測値が含まれております。「体積」は単純に3辺の長さを掛け合わせた数値になります。丸みを帯びた形状などは考慮していません。 |
△ この表は横スクロールできます。
USBポート数に違いはあるものの、上の充電器はすべて65Wクラス。「1Wあたりの価格」「1Wあたりの体積」「1Wあたりの重量」を見ていただくと、IQC-C651-Bのコスパの良さがお分かりいただけるかと思います。安いだけではなく、トップクラスにコンパクトで軽量です。
それに誰もが聞いたことのあるアイリスオーヤマの充電器、ということもポイントですね。電源周りの製品において「信頼できるメーカー・ブランドか」は超重要です。生産は海外でも国産ブランドが展開する充電器ですから、それだけでも選ぶ理由があります。
レビューまとめ:アイリスオーヤマ IQC-C651-Bはコスパが良すぎる65W充電器
今回はコスパ抜群の65W充電器、アイリスオーヤマ「IQC-C651-B」をご紹介させていただきました。
最大65WのUSB-Cポート搭載と高い充電性能を持ちながら、2,000円台と同クラスの充電器としては破格の価格。単に安いだけでなくコンパクトさ・軽さもトップクラスですから、まさにコスパ抜群です。
IQC-C651-Bの弱点としては、負荷をかけたときに発熱があること、そして実測重量が公称よりも20gほど重かったことくらい。発熱については上でも書きました、65Wと高速に充電できるぶん、温度が下がり始めるのも早いので、何時間も最大出力で充電し続けない限りは問題ないでしょう。
「コスパのいい65Wクラスの充電器」ということなら、アイリスオーヤマ「IQC-C651-B」が正解です!
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