AirTagでできること、できないこと。どんな利用シーンに向いてる?

AirTagでできること、できないこと。どんな利用シーンに向いてる?

本記事では、「AirTagでできること」「AirTagではできないこと」についてまとめました。AirTagはAppleの紛失防止タグです。

AirTagでできること、できないこと。どんな利用シーンに向いてる?

AirTagでなにができるの?なにが便利なの?
どのレベルで探しものを追跡できる?
もしかして、悪いことにも使えちゃうの?

AirTagの購入を検討されている方のなかには、なかなか使用イメージが湧かないという方もいるかと思います。できることとできないことが分かれば、「AirTagは自分のニーズに合っているか?」も見えてきます。ぜひ参考にしていただければと思います!

目次

AirTagでできること

AppleのAirTagは、ざっくり言うと「紛失防止タグ」というジャンルになります。大事なものに取付けておけば、「あれ、カギはどこに置いたっけ?」なんてときにかんたんに見つけ出せます。

AirTagで探しものをする時間を減らせる

「探しものをする時間」は可能な限り減らすべきです。自分探しの旅なら意味はありそうですが、どこかに置き忘れたカギを探す時間は、どう考えても無駄でしょう。

気がつくと机がぐちゃぐちゃになっているあなたへ」の著者であるリズ・ダベンポートさんによると、平均的なビジネスパーソンは探しものに年間150時間もの時間をとられているそうです。150時間といえば6日と6時間、分計算では9000分です。整理整頓が苦手な僕にとっては、探しものをしている時間はもっと多いような気もします。

AirTagで捜しものをする時間を減らせる
AirTagで探しものをする時間=無駄な時間を減らせる!

AirTagを活用すれば、確実に探しものをする時間を減らせます。無意識のうちに洗濯機の上に置いたカギ、ポケットに入れたままの財布、車に置き忘れたカメラ、どこに駐車したか忘れてしまった車など。AirTagがあれば、これらを探し回る時間を減らせます。

AirTagの場所は、「探す」アプリで確認できます。

AirTagは1個入りで3,800円、4個入りで12,800円(1個入り×4より2,400円お得)と決して安くありませんが、これで時間を節約できると考えれば、有意義な投資となるのではないでしょうか!

AirTagでできること、できないこと。どんな利用シーンに向いてる?

AirTagで探しものを探し回る無駄な時間を節約!

iPhone 11/12シリーズのモデルで「正確な場所を見つける」

AirTagには、iPhone 11シリーズ・iPhone 12シリーズにも搭載されている「U1チップ」が搭載されています。U1チップの恩恵のひとつに、正確な位置を測位できるという機能があります。

U1チップ搭載のiPhone 11/12シリーズなら、AirTagの場所をさらに正確に、細かく知ることができます。

AirTag「正確な場所を見つける」機能
AirTagまでの距離と方向を示してくれる「正確な場所を見つける」機能

このように、10センチ単位でAirTagまでの距離と方向を示してくれます。なかなか未来感がある機能ではないでしょうか。U1チップに採用されている超広帯域無線通信(UWB)という技術は、スマホなどを車のキーとして使ったり、他にも医療や物流、ゲームなどでの活用が期待されています。そんな最先端の技術が、小さいAirTagに埋め込まれているわけです。

GPSでの測位だと、探しものが特定の場所にあることは分かっても「引き出しの何段目に入っているか?」や「押し入れのどこに入っているか?」までは分かりません。U1チップが搭載されているAirTagとiPhone 11/12シリーズの組み合わせなら、「探しものがこの部屋のどこにあるのか?」というレベルで探すことが可能です。

AirTagでできること、できないこと。どんな利用シーンに向いてる?

AirTagとiPhone 11/12シリーズの組み合わせなら、「探しものがこの部屋のどこにあるのか?」というレベルで分かる!

音でAirTagの場所を知らせてくれる

上の「正確な場所を見つける」機能に対応しているのは、U1チップを搭載するiPhone 11/12シリーズのみです。自分のiPhoneにはU1チップが搭載されていない!という場合でも心配ありません。

AirTagには小さいスピーカーが内蔵されており(厳密には内部のマグネットを振動させ音を出しているらしい)、「探す」アプリ内で探したいAirTagを選択後、「サウンドを再生」をタップすると、AirTagが音で場所を知らせてくれます。

騒音のある屋外ではちょっと聞こえにくいかも?という音量ですが、屋内であれば問題なく音を頼りに見つけ出せるでしょう。

AirTagでできること、できないこと。どんな利用シーンに向いてる?

探しものを音を頼りに捜索!

世界中の10億台ものAppleデバイスが探しものを見つけてくれる

自宅などの限られた空間のなかでは、「正確な場所をみつける」機能や音による捜索で探しものはほぼ見つけられます。

問題は、「どこに落としたか分からない」というガチで紛失してしまったときです。「どこに落としてしまったか検討もつかない!」というパターン。

そんなときは、まず「探す」アプリを開いて、マップからAirTagの場所を確認します。自分から離れた場所にAirTagが表示されている場合は、その地点がAirTagとiPhoneの接続が途絶えた地点、つまり、その地点に落としてしまった、あるいは置き忘れてしまった可能性が高いということになります。

その地点がお店など連絡がとれる場所であれば、電話するなりして「落としものが届けられていないか」を問い合わせられます。やっかいなのは路上などに落としてしまった場合。

そんなときは、「探す」アプリから対象のデバイスを選択し、「紛失モード」を有効にします。

AirTagで紛失モードを有効にする
「探す」アプリから「紛失モード」を有効にする

「紛失モード」を有効にすると、世界中の10億台ものiPhone、iPad、Macの「探す」ネットワークを使って対象のAirTagを見つけてくれます。紛失モードが有効になったAirTagの近くを他のiPhoneユーザーが通ると、そのiPhoneを介してAirTagの位置情報が更新され、同時に最新の位置情報を持ち主に通知してくれます。

紛失モード中のAirTagの近くにいる人には、「AirTagがあなたの近くで見つかりました」という通知が届きます。AirTagをNFC搭載のiPhoneやAndroidスマホでタッチすると、持ち主があらかじめ設定しておいた電話番号やメッセージが表示される仕組み。

「誰がAirTagを見つけてくれたのか?」「誰のiPhoneでAirTagの位置情報が更新されたのか」といった情報はすべて暗号化されており、Appleも含め誰も知ることはできません。プライバシーにしっかり配慮されています。

プライバシーへの配慮はAppleがもっとも力を入れている部分。AirTagのプライバシーは誰もが気になるところですが、個人的にはAppleを信じていいと思っています。

大事なものにAirTagをつけておくことによって、探しものや落としものが無事に返ってくる可能性が高くなります。特に日本におけるiPhoneのシェアは非常に高いので、それだけ「探す」ネットワークの網が広く、かつ細かく張られているということ。それに日本は世界的に見ても「落としものが無事に返ってくることで有名な国」ですからね!きっと心優しい人が見つけてくれるはずです!

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世界中に張られた「探す」ネットワークがAirTagを見つけてくれる!

iPhoneだけでなく、iPadやiPod Touchでも使用OK

「AirTagはiPhoneユーザーでないと使えない?」というと、そういうわけではありません。例えば、普段はAndroidスマホを使っているよ、という方もiPadかiPod TouchがあればAirTagをセットアップ・使用することができます。

AirTagをセットアップ・使用できるAppleデバイス
  • iOS 14.5以降を搭載したiPhone SE、iPhone 6s以降
  • iPadOS 14.5以降を搭載したiPad Pro、iPad(第5世代以降)、iPad Air 2以降、iPad mini 4以降
  • iPod touch(第7世代)

ほとんどのiPhone、iPadでAirTagを使用できます。

AirTagはiPadでも使用できる
非iPhoneユーザーでもiPadがあればAirTagを使用できる!

このとき注意したいのは、AirTagの位置情報は、ペアリングされているAppleデバイスを通じてiCloudにアップされているということです。

例えば、GPSを搭載しないWi-FiモデルのiPadだと正確な位置情報を取得できません(Wi-Fiに接続されていれば、ざっくりとした位置はできる)。また、iPadがネットに接続されていなければ、AirTagの位置情報をiCloudに送信できません。これはiPod touchでも同じですね。

なお、GPSが搭載されており屋外でもネット通信が可能なWi-Fi + CellularモデルのiPadなら、iPhoneと同じようにAirTagを使えます。

このように、実際には不便なこともあるのですが、出先でもWi-Fi + CellularモデルのiPadをガシガシ使っている人や、普段からスマホのテザリング機能やポケットWi-Fiなどを使ってiPad、iPod Touchを使用する人なら、AirTagを購入するメリットも出てきます。

AirTagでできること、できないこと。どんな利用シーンに向いてる?

iPhoneがなくても、iPadやiPod touchがあればAirTagを使用できる!

電池持ちは一年以上、電池交換もかんたん

いわゆる「紛失防止タグ」と呼ばれる製品には、電池交換できるものとできないものがあります。電池交換できないものは使い捨てることになります。

AirTagは電池交換式。いわゆるボタン電池(コイン電池)が採用されており、電池がなくなっても交換すればそのまま使い続けられます。ボタン電池の型番は「CR2032」というもので、これは一般的に多く使われるもの。コンビニでも買えます。

AirTagはかんたんに無効化できてしまう
AirTagはかんたんに電池交換できる(電池持ちは一年以上!)

気になるのは「どれくらいの頻度で交換しなければいけないのか」ということですよね。AirTagは、1つの電池で約1年間も使用できます(1日にサウンド再生機能を4回と「正確な場所を見つける」機能を1回使用)。

余談ですが、ボタン電池はメーカーによってかなり品質の差があります。粗悪品は寿命が短かったり、そもそも使えないなんてことがあるので、購入する際はパナソニックなどの信頼できるメーカーの製品を選びましょう。

AirTagでできること、できないこと。どんな利用シーンに向いてる?

AirTagは1つの電池で約1年間使用可能!電池がなくなっても電池交換して使い続けられる!

無料の刻印サービス

AirTagをApple公式サイトで購入すると、無料の刻印サービスを受けられます。

AirTagの白い面に、絵文字を含め4文字まで刻印できます。複数のAirTagを識別するために番号を振っておいてもいいですし、自分のニックネームやイニシャルを刻印しておくのもいいでしょう。

僕は刻印サービスは利用しませんでしたが、「F〇I」「C〇A」「I〇PO」などと刻印しておけば、もしかすると落としものが返ってくる可能性が少し上がるかもしれません。まぁこれは冗談半分ですが、刻印サービスでオリジナル感は出ます。

無料の刻印サービスは、Apple公式サイト限定のサービスです。刻印サービスを利用すと若干納期が遅れるというデメリットはありますが、そういう楽しみ方もあるということでご紹介しておきます。

AirTagでできること、できないこと。どんな利用シーンに向いてる?

無料の刻印サービスでオリジナルのAirTagに!

AirTagではできないこと

ここからは、逆に「AirTagではできないこと」についてご紹介していきます。

盗難防止目的の使用には向かない

AirTagが登場した直後は「盗難防止にいいかも!」と個人的にも期待しましたが、結論を言うとAirTagは盗難防止目的の使用には向いていません。

それは以下の理由からです。

  • 持ち去った人にAirTagの存在がバレる
  • AirTagは、捨てたり電池を抜いたりしてかんたんに無効化できる
  • まさにいま盗難に遭っていることに気付けない

AirTagは、ストーカー行為に悪用されないよう配慮されています。その関係で、持ち主以外の人がAirTagを持ち歩いていると、その人のiPhoneにその旨が通知されます。例え非iPhoneユーザーであっても、最終的にAirTagが音が鳴らすのでバレます。

AirTagの存在がバレてしまうということは、AirTagをどこかに捨てられたり電池を抜かれたりして無効化されてしまう可能性が高くなります。わざわざ電池を抜かれなくても、かかとでで強く踏んづければ、たぶん、かんたんに壊れます。

また、AirTagには持ち主から離れたタイミングで通知してくれる機能はありません。つまり、まさにいま大事なものが持ち去られたことに気付けないということです。

AirTagは盗難防止を想定して作られていないので注意してください。あくまでも見つけてもらうためのもの。このへんは以下の記事でもご紹介しています。

AirTagでできること、できないこと。どんな利用シーンに向いてる?

AirTagは盗難防止目的の使用には向かない!

AirTagを悪用することはできない!

AirTagをストーカー行為などに悪用することはできません。

上の「盗難防止目的の使用には向かない」でも書いたように、AirTagは持ち主を含む誰かに見つけてもらうように設計されています。持ち去ってもかんたんにAirTagの存在に気付きますし、音も鳴ります。どこかに捨ててしまえばもう追跡されません。

また、自分のAirTagを勝手に誰かに使われてしまう、ということもできない仕様になっています。AirTagは持ち主のApple IDに紐付けられているので、持ち主本人がその紐付けを解除しない限りは他の人が勝手に使うことはできません。

AirTagでできること、できないこと。どんな利用シーンに向いてる?

AirTagを悪いことに使うことはできません!

子供やペットに持たせる使い方には適していない

「AirTagを子供やペットに持たせて、見守りケータイ代わりに使える?」ということですが、残念ながらそのうような使い方には適していません。

AirTagは持ち主から離れた状態で一定時間経ったり(3日間と言われている)、動き回っている状態が続くと音が鳴り出します。これは上でも書いたようにストーカー行為などを防止するためと、AirTagを見つけてもらうための仕組みです。

AirTagでできること、できないこと。どんな利用シーンに向いてる?

AirTagはあくまでも私物に取付けて使用するものです!

Apple Watchやicloud.comからはAirTagの場所を確認できない

もしかするとこの先できるようになるかもしれませんが、現時点ではApple Watchやicloud.comからはAirTagの場所を確認することはできません。

僕はiPhoneや財布を持たずにApple Watchひとつで出掛けることがよくあります。そのときにAirTagの場所を探したいとなっても、自宅にiPhoneを取りに帰るほか方法がありません。

また、やっかいなのはAirTagと一緒にiPhoneをどこかに忘れてきてしまったときですね。この場合は自宅のパソコンなどからicloud.comにアクセスし、まずiPhoneを見つけてから、AirTagを探す、という流れになるかと思います。

AirTagはまだ登場して間もないアイテム。ぜひ今後のアップデートでiPhoneやiPadだけでなく、Apple Watchやブラウザ上のicloud.comからもAirTagの場所を確認できるようにしていただきたいところ!

AirTagでできること、できないこと。どんな利用シーンに向いてる?

個人的には特にApple Watchに対応して欲しい!

まとめ:AirTagでできることだけでなくできないことも知っておこう!

AirTagは紛失防止に非常に有効なアイテムです。

AirTagはこんな人におすすめ!
  • 結構な頻度で財布を落としている
  • いざ出掛けようとしているときに、いつもカギを探し回っている気がする
  • カメラやラップトップなど高価なガジェットに取付けておきたい

AirTagはぜひこのような方に使って欲しいアイテムですが、AirTagにはプライバシー保護の観点からあえてできないようになっている機能もあります。

特にこれからのAirTagの購入を検討されている方は、事前にできることだけでなくできないこともしっかり確認し、「AirTagが自分のニーズに合っているか?」を確かめておきましょう。

また、すでにAirTagが手元にある方も、AirTagの仕組みやできないことを理解しておくことで、AirTagを正しく使用できます。ぜひこの記事を参考にしてください!

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この記事の著者

Apple製品まわりのガジェットを中心にレビューしているガジェット専門家。元家電量販店員で元スマホ販売員。レビュー記事では「で、実際のところはどうなの?」と言うことを大事にしています。
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