今回は「iPhoneの寿命は?何年使える?」というテーマで、iPhoneの買い換え時期となるタイミングについて解説します。
- この記事で分かること
iPhoneは高性能化や円安などの要因により、次から次へとかんたんに買い替えられないほどの値段に。「いまのiPhoneを大事に長く使おう」と考えている方は多いかと思います。
そこで疑問なのが「iPhoneは何年くらい使えるのか」ということでしょう。iOSのサポート期間やセキュリティアップデートについてなど、iPhoneを長く使うにあたって知っておきたいことについてまとめました。
iPhoneの寿命は?何年使える?4つの買い換え時期
iPhoneの買い換えを考えるタイミングには、以下の4つあります。
Appleによると、iPhoneの使用年数は「最初の所有者を基準にして3年」に設定しているとのこと。
最初の所有者を基準にした使用年数について、macOSまたはtvOSを搭載したデバイスは4年、iOS、iPadOSまたはwatchOSを搭載したデバイスは3年とするモデルを採用しています。ほとんどのApple製品は耐用年数がこれよりも長く、多くの場合最初の所有者から別のユーザーに譲渡または転売されるか、Appleによって回収されます。
引用:Apple
しかし、「ほとんどのApple製品は耐用年数がこれよりも長く」となるように、3年を超えて使われることがほとんどです。
1. バッテリーが劣化したタイミング
iPhoneの最初の買い換えタイミングとなるのは、バッテリーの劣化を感じ始める2〜3年です。
iPhoneのバッテリー最大容量が80%未満に低下している場合や、ピーク電力の低下によりパフォーマンス管理機能が適用されている場合は、iPhoneの買い替えあるいはバッテリー交換を検討しましょう。
iPhoneに内蔵されているリチウムイオンバッテリーは消耗品です。充電と放電を繰り返していくうちに劣化していき、蓄えられるバッテリー最大容量が低下していきます。
バッテリーの劣化はiPhoneのバッテリーに影響することもあります。これはバッテリーの劣化によりピーク電力が低下するためで、「以前より動作が遅くなった」や「動作が安定しない」という事象はバッテリーの劣化が原因になっていることがあります。
iPhoneのバッテリーの劣化がどれくらい進んでいるかは、iPhoneの「設定」>「バッテリー」>「バッテリーの状態」>「バッテリーの状態と充電(バッテリーの状態)」で確認できます。
上は約2年にわたって使用したiPhone 12 Pro Maxのバッテリー最大容量です。蓄えられる電力量が購入時の100%から85%に減ってしまっている状態ですね。
バッテリー劣化によって最大容量が低下していたり、パフォーマンス管理機能が適用されていたりする場合、以下のようなメッセージが表示されることがあります。
バッテリーが劣化して最大容量が低下したり、パフォーマンスに影響したりしてもそのまま使い続けることは可能ですが、快適に使うならiPhoneの買い換えやバッテリー交換を検討しましょう。
2. iOSサポート対象外となったタイミング
バッテリー劣化の次に買い換えのタイミングとなるのが、そのiPhoneモデルがiOSのサポート対象外となったとき。発売から5〜6年経過したタイミングです。
iOSサポート対象外となることで、新たに登場するiOSの新機能が使えません。AirPodsやApple Watchなど他のApple製品との連携が一部制限されてしまうこともあります。またサポートを打ち切るアプリも増えてきます。
記事執筆時点での最新のiOSは、2024年9月登場した「iOS 18」です。iOS 18に対応するiPhoneモデルは以下のとおりです。
iOS 18に対応するiPhoneモデル | 発売年 |
---|---|
iPhone 16 iPhone 16 Plus iPhone 16 Pro iPhone 16 Pro Max | 2024年 |
iPhone 15 iPhone 15 Plus iPhone 15 Pro iPhone 15 Pro Max | 2023年 |
iPhone 14 iPhone 14 Plus iPhone 14 Pro iPhone 14 Pro Max | 2022年 |
iPhone 13 iPhone 13 mini iPhone 13 Pro iPhone 13 Pro Max | 2021年 |
iPhone 12 iPhone 12 mini iPhone 12 Pro iPhone 12 Pro Max iPhone SE(第2世代) | 2020年 |
iPhone 11 iPhone 11 Pro iPhone 11 Pro Max | 2019年 |
iPhone XS iPhone XS Max iPhone XR | 2018年 |
iOS 18対応モデルでもっとも古いのは、2018年2018年9月21日発売の「iPhone XS」ですね。
iPhone XSは6年も前に発売されたモデル。2025年秋頃にリリースされるであろう「iOS 19」ではサポート対象外となる可能性があります。もし対象外となってしまえば、まさにそれが買い換えのタイミングとなるでしょう。
3. セキュリティアップデートが配信されなくなったタイミング
iOSサポート対象外となったiPhoneでも、ただちに使えなくなるわけではありません。機能的なアップデートはストップしますが、セキュリティアップデートによるフォローがあります。
セキュリティアップデートは、重大な脆弱性に対する対策として不定期で配信されます。古いiPhoneにも配信されており、例えばいまではサポート対象外となったiPhone 8シリーズへの配線も継続されています。
セキュリティアップデートがあるから絶対に安心か?というとそうではないことには注意ですが、セキュリティ上の重大な脆弱性に対してフォローがある点は安心ですね。
ただし、セキュリティーアップデートがあることと快適に使えるかどうかは別問題。それなりに動作が重くなってくるでしょうし、使用歴4、5年以上となると、バッテリーだけでなく画面や本体への傷などハードウェア的な痛みもあるはずです。
iPhoneはセキュリティアップデートによるフォローもあり長く使用できるものの、基本的にはiOSサポート対象外となったタイミングでの買い換えをおすすめします。
4. 高額な修理費用が発生すると判明したタイミング
iPhoneに限らない話ですが、故障・破損させてしまったときにかかる修理費用は高額になりがちです。
iPhone 16シリーズの修理費用一覧
前面のひび割れ(前面のみ) | ||
---|---|---|
iPhoneモデル | 修理費用(通常) | 修理費用(AppleCare+) |
iPhone 16 | 42,800円 | 3,700円 |
iPhone 16 Plus | 50,800円 | |
iPhone 16 Pro | 50,800円 | |
iPhone 16 Pro Max | 56,800円 | |
背面ガラスの損傷 | ||
iPhoneモデル | 修理費用(通常) | 修理費用(AppleCare+) |
iPhone 16 | 25,900円 | 3,700円 |
iPhone 16 Plus | 29,800円 | |
iPhone 16 Pro | 25,800円 | |
iPhone 16 Pro Max | 29,800円 | |
画面(前面)のひび割れと背面ガラスの損傷 | ||
iPhoneモデル | 修理費用(通常) | 修理費用(AppleCare+) |
iPhone 16 | 59,400円 | 7,400円 |
iPhone 16 Plus | 67,800円 | |
iPhone 16 Pro | 66,800円 | |
iPhone 15 Pro Max | 76,800円 | |
背面カメラ | ||
iPhoneモデル | 修理費用(通常) | 修理費用(AppleCare+) |
iPhone 16 | 23,800円 | 12,900円 |
iPhone 16 Plus | 23,800円 | |
iPhone 16 Pro | 38,800円 | |
iPhone 16 Pro Max | 38,800円 | |
その他の損傷 | ||
iPhoneモデル | 修理費用(通常) | 修理費用(AppleCare+) |
iPhone 16 | 87,800円 | 12,900円 |
iPhone 16 Plus | 96,800円 | |
iPhone 16 Pro | 105,800円 | |
iPhone 16 Pro Max | 123,800円 | |
バッテリー交換 | ||
iPhoneモデル | 修理費用(通常) | 修理費用(AppleCare+) |
iPhone 16 | 15,800円 | 0円 |
iPhone 16 Plus | 15,800円 | |
iPhone 16 Pro | 19,400円 | |
iPhone 16 Pro Max | 19,400円 | |
※ 価格は税込。最終的な料金は保証な用や見積もりによって決定されます。 |
修理費用はiPhoneモデルによって異なりますが、上位モデルになるほど高額に。AppleCare+やモバイル保険 などの保証に加入していれば負担少なく修理できますが、そうでなければ買い換えが選択肢になってくるほどの修理費用が発生こともあるでしょう。
修理箇所によっても修理費用は変わってきます。あまりに高額な修理費用が発生するのであれば、新しいiPhoneに買い替えそれを長く使ったほうが結果として出費が少なくなることもあります。
iPhoneが寿命を迎えたときの3つの選択肢
iPhoneのバッテリーが劣化したとき、iOSサポート対象外となったとき、セキュリティアップデートが配信されなくなったとき。iPhoneが寿命を迎えたときの選択肢には以下の3つあります。
1. バッテリーを交換する
動作に不満はないけれどバッテリーもちが悪くなってきた、というパターンはよくあるかと思います。バッテリーのためだけにiPhoneを買い替えるのはもったいないですよね。
「iPhone自体はまだまだ使える」というときは、バッテリー交換を検討してみましょう。iPhoneのバッテリー交換費用は以下のとおりです。
iPhoneモデル | AppleCare+の保証対象 ※1 | 保証対象外 |
---|---|---|
iPhone 16 iPhone 16 Plus iPhone 15 iPhone 14 | 0円 | 15,800円 |
iPhone 16 Pro iPhone 16 Pro Max | 19,400円 | |
iPhone SE(第3世代) | 11,200円 | |
※ 価格は税込 ※1 AppleCare+の保証対象となるのは、バッテリーの容量が本来の80%未満になったiPhoneのみ |
AppleCare+に加入していて、かつiPhoneのバッテリー最大容量が80%未満になっている場合は、無償のバッテリー交換サービスを受けられます。
iPhoneのバッテリー交換は、AppleもしくはApple正規サービスプロバイダに依頼することをおすすめします。その理由はApple純正のバッテリーが使われているから。
iPhoneのバッテリー交換サービスを提供する業者さんはたくさんありますが、Apple純正部品を扱えるのはAppleもしくはApple正規サービスプロバイダのみ。非正規店でバッテリー交換する方法には、以下のようなメリット・デメリットがあります。
非正規店でバッテリー交換するメリット・デメリット
- メリット
-
- 価格が安い。
- 最短で即日にバッテリー交換が完了する。
- iPhoneにデータを残したままバッテリー交換できる(バックアップの必要がない)。
- デメリット
-
- Apple純正以外のバッテリーが使われる。
- 品質の悪いバッテリーが使われてしまう可能性がある。
- 修理店やスタッフによって技量にバラツキがある。
- バッテリー最大容量が表示されないため劣化の状況を把握できなくなる。
- AppleCare+の保証対象外となる。
私はUSB充電器やモバイルバッテリーをよくレビューしますが、なかには動作が不安定でよく分からない動きをするものもあります。特に万が一にもなにかあっては困る電源関連製品においては、「どこの製品か」が大事で、それはiPhoneのバッテリー交換にも言えることだと思っています。
iPhoneに使われているリチウムイオンバッテリーは、多くの人が思っている以上に取扱いに注意が必要なもの。基本的にはAppleもしくはApple正規サービスプロバイダでのバッテリー交換がおすすめです。
2. 新品iPhoneに買い替える
次にご紹介するのは、新品のiPhoneに買い替える方法です。
「新しいバッテリーに交換したとしてもiPhone本体にダメージがあるし、iOSサポート期間を考えても長くは使えない」という場合には新品iPhoneの購入が選択肢になります。
新品iPhoneを購入する方法にはいくつかあります。
- Appleストア・Apple公式サイト
- キャリア・格安SIM事業者
- Amazonなどのショッピングサイト
- 家電量販店・家電量販店などのショッピングサイト
私はいつもiPhoneはApple公式サイトで購入します。キャリアでは2年後の返却を条件としたプランも用意されていますが、iPhoneの本体価格はAppleで購入したほうが安いです。
- 製品受け取りから14日以内なら無料で返品できる。
- 分割払いで購入できる(ペイディあと払いプランApple専用、オリコ)
- iPhoneのApple認定整備済製品を購入できる。
2年ごとに最新のiPhoneに買い替える前提であれば、各キャリアが展開する返却プログラムがお得です、2年後も返却せず使い続けた場合、トータルでは割高な計算になります。
私の場合は2年以降も使い続ける前提なのでApple公式サイトで購入しますが、「また2年後に返却して買い替えるか、それとも使い続けるかを判断したい」という方にはもっとも安い楽天モバイルでの購入がおすすめ。
楽天モバイルのトータルの支払額はApple Store・Apple公式サイトとさほど価格差がありません。2年後に買い替えても2年以降も使い続けても、どちらに転んでもお得です。
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3. 中古iPhoneに買い替える
冒頭でも書いたように、新品iPhoneは高額で金銭的な負担が大きいですよね。そうかんたんにほいそれと買い替えられる価格ではありません。
そこでおすすめなのが、中古iPhoneを購入する方法です。ここ数年に発売されたiPhoneであればどれも高性能。普段使いにおいては十分過ぎるほどの性能があります。
試しにに2018年発売のiPhone XSに最新のiOS 18をインストールしてみましたが、問題なら動作しますね。3Dゲームをプレイするなら、性能のいい新しいモデルが快適でしょう。そうでないのなら型落ちモデルで十分です。
中古iPhoneを購入し2、3年使うのであれば、iOSサポート期間を考慮しiPhone 13シリーズ以降を選ぶことをおすすめします。
iPhone 13シリーズなら、2025年秋に登場するであろうiOS 19、2025年秋に登場するであろうiOS 20にも対応する可能性が高いでしょう。
「新品のiPhoneは高いし、そもそも普通に快適に使えるほどの性能があればそれでいい」という方は多いかと思います。そういう方にとっては中古iPhoneが賢い選択です。
中古iPhoneを買うなら、ぜひチェックすべきは「にこスマ」と「イオシス」です。
特に「にこスマ」は個体別に詳細を確認できる写真、さらにはバッテリー最大容量も掲載してくれており安心して利用できます。
中古iPhoneにはAppleの保証はありませんが、中古ショップで購入すれば3か月〜1年程度の販売店保証があります。万が一動作不良があったとしても同等品への交換や返金で対応してくれるので安心して中古iPhoneを選べます。
iPhoneの寿命、何年使えるかまとめ
iPhoneの使用年数は3年に設定されていますが、実際には3年以上にわたって長く使用できます。筆者が考えるiPhoneの寿命は、最新のiOSを利用できる5〜6年です。
iOSサポート対象外となってもセキュリティアップデートによるフォローがあります。しかし、セキュリティ的に万全とは言えないですし、バッテリーの劣化や本体へのダメージを考えると、やはり5〜6年といったところ。
ここ数年に発売されたiPhoneモデルであれば、どれも普段使いに困らないほどの性能を備えます。2、3年使ったところで一度バッテリーを交換すれば、iOSサポート対象外となるまで長く快適に使えるはずです
iPhoneの寿命に関するよくある質問
- iPhoneの寿命は何年ですか?
-
AppleによるとiPhoneは3年の使用年数を想定して設計されているとのことですが、実際には3年以上にわたって使用されることがほとんどです。
そこでiOSのサポート期間が目安になります。
iOSのサポート期間内は最新の状態で使用できますが、サポート期間から外れると機能的な進化はそこで止まります。
なお最新のiOS 18に対応するもっとも発売日が古いiPhoneは、2018年発売の「iPhone XSシリーズ」です。少なくとも、iOS 19が登場するであろう2024年秋までは最新のiOSを使用できます。
iPhoneの寿命には決められた年数はありませんが、iOSのサポート期間=5年〜6年ほどが新しいiPhoneへのひとつのタイミングとなるでしょう。
- iPhoneのバッテリーの寿命は何年ですか?
-
iPhoneのバッテリーにも決まった寿命はありませんが、バッテリーの劣化を感じ始める3年がひとつの目安となるでしょう。
iPhoneに内蔵されているリチウムイオンバッテリーは消耗品です。充電と放電を繰り返すことで徐々に劣化していき、最大蓄えられる容量が減っていきます。
バッテリー劣化の進行具合は使い方によって異なりますが、3年使用してもバッテリー最大容量が80%を維持するように設計されています。
iPhoneのバッテリー最大容量は、iPhoneの「設定」>「バッテリー」>「バッテリーの状態と充電」で確認できます。
- iPhone 8はいつまで使えますか?
-
iPhone 8は、2023年秋に登場したiOS 17の対象外となりました。つまり、iOS 17以降へのアップデートはできません。
残念ながらiOSサポート対象外となってしまったiPhone 8ですが、ただちに使えなくなるわけではありません。対象外となったあともiPhone 8へのセキュリティアップデートが配信されており、バッテリーやiPhone本体のダメージがない限りは使用し続けることができます。
ただし最新のiOSの機能が使用できなかったり、AirPodsなどの関連デバイスの連携が一部とれないであったりといった問題が出てくる可能性があります。またアプリによってはサポート対象から外れてしまうこともあります。
2017年9月に発売されたiPhone 8もまだまだ使用できますが、買い換えのタイミングが来ているのは確かです。すでにバッテリーが劣化していたり、本体へのダメージがある場合は買い換えをおすすめします。