今回ご紹介するのは、USB充電器やモバイルバッテリーなどの電源関連アクセサリーを販売し、多くのユーザーから評価されているCIO(シーアイオー)のUSB-C充電器です。
急速充電規格「USB Power Delivery(USB PD)」による最大67Wの充電に対応。2つのUSB-Cポートを搭載します。そして最大の特徴が、厚さ14mmと超スリムなフォルム。パワフルな充電性能を持ちながら、トップクラスの携帯性を実現します。
CIO NovaPort SLIM 65WのようなスリムでコンパクトなUSB-C充電器は、他社からも販売されています。それらとの比較もご紹介していますので、興味のある方はぜひチェックしてみてください!
後半では他社製品との比較も行っております。
- 65WクラスのUSB-C充電器ではトップクラスのコンパクトさ
- 厚さがわずか14mmで小さめのポケットにも収まってくれる
- 最大67WのUSB PD/PPS充電であらゆるデバイスを急速充電できる
- 2ポート搭載で接続デバイスに応じて最適な電力を振り分けてくれる
- CIO製品ならではのシンプルなデザイン
- 充電時に発熱がある
- まだ一般販売は開始されていない
CIO NovaPort SLIM 65Wの特徴と仕様
まずは、CIO NovaPort SLIM 65Wの特徴と仕様をご紹介しておきましょう。
なお、本製品は筆者がクラウドファンディング「Makuake」で応援購入したものになります。いつ一般販売が開始されるかどうかは不明ですが、詳細が確認できればここに記載させていただきます。
特徴
CIO NovaPort SLIM 65Wの主な特徴は以下のとおりです。
- クラウドファンディング「Makuake」でプロジェクトを開始(現在は終了)
- 厚さ14mmの極薄設計 & GaN(窒化ガリウム)採用で超コンパクト
- USB PDによる最大67Wの充電に対応(USB PD/PPS)
- 2つのUSB-Cポートを搭載
- 接続デバイスに応じた適切な電力を供給(Nova Intelligence)
最大67Wとパワスルなので、MacBook Air/Pro 13/Pro 14といったノートPCの充電が可能です。また2ポート搭載でスマホ+タブレットのような複数デバイスの同時充電もカバー。
「コンパクトで持ち運びしやすく、かつ65WクラスのパワフルなUSB-C充電器」をお探しの方にぴったりな製品です。
仕様
CIO NovaPort SLIM 65Wの仕様を表にまとめました。
製品名 | CIO NovaPort SLIM 65W |
---|---|
外観 | |
入力 | 100-240V 50-60Hz 0.78A ※本体には100-240V 50-60Hz 1.5Aと表示 |
USBポート | USB-C x 2 |
USB-C1/C2出力 | 5V=3A / 9V=3A / 12V=3A / 15V=3A / 20V=3.35A(最大67W) 【PPS】3.3-11V=5A |
合計出力 | 1ポート使用時:最大67W 2ポート使用時:最大65W(45W + 20W、30W + 30W、20W + 20W) |
サイズ | 約85 x 47 x 14 mm |
重量 | 約106 g |
カラー | ブラック/ホワイト |
パッケージ内容 | CIO NovaPort SLIM 65W 取扱説明書 |
価格(税込) | 5,980円(予定通常価格) |
製品ページ | 公式サイト |
記事更新時点で一般販売は開始されておらず、いくらで販売されるかは不明ですが、Makuakeのプロジェクトページでは、予定通常価格が5,980円となっていました。
なお、パッケージ内は製品本体のみでUSB-Cケーブルは付属されていません。おそらく一般販売でも付属されていないかと思われますので、お持ちでない方は別途用意する必要があります。
CIO NovaPort SLIM 65Wは、5AのUSB PD充電に対応します。充電性能をフルに発揮するには5Aの充電に対応するUSB-Cケーブルが必要です。
USB-Cケーブルはお探しの方は以下の記事でおすすめをご紹介しています。あわせてチェックしてみてください。
CIO NovaPort SLIM 65Wの急速充電規格
CIO NovaPort SLIM 65Wは、急速充電規格「USB PD」に対応します。USB充電チェッカーを使って、その他の急速充電規格の対応状況をチェックしました。
USBポート | 急速充電規格 |
---|---|
USB-C1/C2 | USB PD 3.0 / PPS Fast Charge Protocol(Huawei) Smart Charge Protocol(Huawei) Adaptive Fast Charging(Samsung) Quick Charge 4+(下位互換あり) Apple 2.4A |
スマホベンダー独自の急速充電規格を含むさまざま規格に対応していました。
USB-Cの規格上、USB PD以外の急速充電規格への対応は規格違反となります。CIO NovaPort SLIM 65WはUSB-Cの規格に違反した製品、ということになりますが、実際のところは規格を遵守したUSB-C充電器は少なく、USB PD以外の急速充電規格に対応するものが大半です。
規格違反によって特に使用に問題があるわけではありません。安全性も問題なく、私自身は気にしていませんが、気になる方はご注意ください。
上はUSB PDのPDO(Power Date Object)です。PDOとは、ざっくり言うとUSB PD充電時に充電器と充電デバイスの間でやりとりされる電流・電圧の組み合わせリストのこと。
USB充電チェッカーで確認したPDOは、CIO NovaPort SLIM 65Wの商品説明や本体に表示された内容と相違ありませんでした。
なお、CIO NovaPort SLIM 65WWは、PPS(Programmable Power Supply)充電に対応します。PPS充電の仕様をみると3.3-11V 5Aに対応するので、Galaxyスマホの一部が対応する超急速充電(25W)・超急速充電 2.0(45W)が可能です。
外観・デザインをチェック
CIO NovaPort SLIM 65Wの外観・デザインは、CIO製品ではお馴染みのものになっています。
無駄な装飾のない、ミニマムなデザイン。
外装の表面にはシボ加工が施されています。このシボ加工はCIO製品お馴染みですね。シンプルながらおしゃれな質感で、また傷が目立ちにくいという利点もあります。
USB充電器はどうしても安っぽく見えてしまうものが多いですが、CIO NovaPort SLIM 65Wには一切のチープ感がありません。シンプルなデザインにシボ加工、メッキ加工されたロゴと、洗練されたデザインという印象を受けます。
2つのUSB-Cポートは、ロゴのある反対側の側面に配置されています。
USB-Cポートの内部にCIOのブランドカラーである紫が見えます。こういうところで「細かいところもこだわって作っているんだな」ということが感じられますね。CIO製品に愛着を感じる方が多いのはこういうところでしょう。
折りたたみ式プラグ採用でコンパクトに持ち運べます。持ち運びするなら折りたたみ式プラグは必須ですね!
プラグのある面に製品の仕様やPSEマークなどの各種マークが表示されています。
細かいところですが、Makuakeのプロジェクトページには、インプットが「100-240V 50-60Hz 0.78A」と書かれていましたが、本体には「100-240V 50-60Hz 1.5A」と表示されています。スペックダウンしているわけではないので問題ではありませんが、信頼性に関わる部分なので指摘しておきます。
CIO NovaPort SLIM 65Wの外観・デザインについてですが、このシンプルなデザインを気に入る方は多いでしょう。充電性能とは関係のないところではあるものの、「愛着をもって使えるデザインか」ということは大事です。
CIO製品は当ブログでもよくレビューしています。統一されたデザイン・質感ということもあって、ついコレクションしたくなりますね。
厚さ14mmの極薄設計
CIO NovaPort SLIM 65Wのサイズは約85 x 47 x 14 mmです。厚さはたったの14mmの極薄設計。
デジタルノギスで確認すると、確かに厚さは「約14mm」でした。最大67WのUSB-C充電器をこれだけスリムにするのは大変だったでしょう。
MacBook Pro 13/14インチに付属されているApple 67W USB-C電源アダプタとのサイズ比較です。CIO NovaPort SLIM 65Wは、Apple 67W USB-C電源アダプタの約64%コンパクトという計算に。2ポートを搭載することを考えても驚異的なコンパクトさです。
※ Apple 67W USB-C電源アダプタのサイズ「約74 x 74 x 28.6 mm」から算出。
持ち運ぶことに困ることはまずないサイズ感です。スマホからタブレット、ノートPCまで、CIO NovaPort SLIM 65Wはあらゆるデバイスのお供に最適です。
スリムなのでガジェットポーチのポケットにもすっぽり収まってくれます。
このようなノートPCバッグでは、厚みのある充電器だと収まりが悪い場合があります。その点、スリムなCIO NovaPort SLIM 65Wならバッチリです。USB充電器にはさまざまな形状のものがありますが、このスリムなタイプがいちばん持ち運びしやすいですね!
重量を計測してみると94.79 gと表示されました。公称の「約106 g」よりわずかに軽くなっています。
CIO NovaPort SLIM 65Wの携帯性については申し分ないですね!最大67W・2ポート搭載のUSB-C充電器をこのサイズ感で持ち運べるのなら文句のつけようがありません。
最大67WのUSB PD/PPS充電に対応
続いてはCIO NovaPort SLIM 65Wでいくつかのデバイスを充電してみて、充電性能をチェックしていきます。
M2 MacBook Airを充電してみると、約64Wで充電できていました。MagSafe 3ケーブルでも同様のワット数で充電できていました。
M2 MacBook Airでは、65W以上のUSB-C充電器を使うことで30分でバッテリーを最大50%充電できる急速充電が可能なことを確認しています。
M2 MacBook AirやMacBook Pro 13/14インチをお持ちの方は、CIO NovaPort SLIM 65Wを使えば十分な速度で充電できます。
上ではPPS充電に対応するXperia 1 IIIを充電しています。約23WでPPS充電が行われていることが確認できました。
iPhoneとiPad(第10世代)を接続すると、iPhoneでは約18W、iPad(第10世代)では約24Wで充電されていました。
CIO NovaPort SLIM 65Wでは、接続されたデバイスに応じて最適な電力が供給される機能が備わっています。2ポート同時使用時は45W + 20W、30W + 30W、20W + 20Wいずれかのパターンで充電され、接続デバイスを効率的に充電可能です。
なかにはUSB-Cポートごとに最大ワット数が固定されているUSB-C充電器が多くあります。CIO NovaPort SLIM 65Wの場合は、空いているUSB0Cポートに適当に挿せば勝手に「いい感じ」に充電してくれるので楽チンです。
充電時の発熱は?確認してみた
「スリムでコンパクトなUSB-C充電器」と聞いて気になるのは、どの程度の発熱があるのかということ。
確認してみた結果、CIO NovaPort SLIM 65Wの発熱はかなりあるほうです。
上は、負荷をかけるためにあえてMacBook Pro 16インチを充電、充電開始から約40分時点における表面温度です。約80℃より高温にはなりませんでした。
80℃というと、数秒間触れ続けることができないレベルの熱さです。5秒触れ続ければ、おそらく軽く火傷します。
コンパクトなUSB-C充電器では、ピーク時に70℃を超えることは珍しくないのですが、80℃越えとなるとかかなり発熱がある部類ですね。人によっては「このまま使い続けて大丈夫?」と心配になるかもしれません。
CIO NovaPort SLIM 65Wには温度監視機能が搭載されており、安全面では問題内ですが、「コンパクトさと引き換えにそこそこの発熱がある」ということは知っておいたほうがいいでしょう。
ちなみに、発熱の少なさで言えば、私が確認したものなかではApple 67W USB-C電源アダプタがダントツに優秀です。
Apple 67W USB-C電源アダプタはサイズが大きいぶん、発熱はかなり少ないほうですね。
「長時間にわたって充電し続ける」という場合は、Apple 67W USB-C電源アダプタのような発熱が少ないもの、あるいは充電性能に余裕のある100Wクラスの充電器をおすすめします。
他社の65WクラスUSB-C充電器と比較
コンパクトなUSB-C充電器は他にもあります。そのなかから「CIO NovaPort SLIM 65Wを選ぶ理由は?」というところに注目して、他製品と比較してみます。
製品名 | CIO NovaPort SLIM 65W | オウルテック ウルトラスリムAC充電器 65W | アイリスオーヤマ IQC-C651-B | Anker Nano II 65W | UGREEN Nexode 65W | CIO NovaPort TRIO 65W | Anker 735 Charger (GaNPrime 65W) |
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外観 | |||||||
搭載ポート | USB-C x 2 | USB-C x 1 | USB-C x 1 | USB-C x 1 | USB-C x 2 USB-A x 1 | USB-C x 2 USB-A x 1 | USB-C x 2 USB-A x 1 |
USB-C最大 | 67W | 65W | 65W | 65W | 65W | 67W | 65W |
サイズ | 約85 x 47 x 14 mm | 約87 x 42 x 12.5 mm | 約48 x 48 x 28 mm | 約44 x 42 x 36 mm | 約66 x 39 x 29 mm | 約59 x 43 x 28 mm | 約66 x 38 x 29 mm |
重量 | 約106 g | 約76 g | 約89.3 g | 約112 g | 約122 g | 約92 g | 約132 g |
価格(税込) | 5,980円(予定通常価格) | 4,980円 | 3,280円 | 4,490円 | 5,980円 | 6,589円 | 7,990円 |
1Wあたりの価格 | 89.25円 | 76.62円 | 50.46円 | 69.08円 | 92.00円 | 98,34円 | 122.92円 |
1Wあたりの体積 | 約0.83 cm³ | 約0.70 cm³ | 約0.99 cm³ | 約1.02 cm³ | 約1.15 cm³ | 約1.06 cm³ | 約1.12 cm³ |
1Wあたりの重量 | 約1.58 g | 約1.17 g | 約1.37 g | 約1.72 g | 約1.88 g | 約1.37 g | 約2.03 g |
販売ページ | ─ | Amazon | Amazon | Amazon | Amazon | Amazon | Amazon |
※ 記事執筆時点の価格です。サイズ・重量には実測値が含まれております。「体積」は単純に3辺の長さを掛け合わせた数値になります。丸みを帯びた形状などは考慮していません。 |
△ スマホでは横スクロールできます。
他社製品との比較を踏まえ、CIO NovaPort SLIM 65Wをおすすめできるのは、「65Wクラス・2ポート搭載でコンパクトなUSB-C充電器を探している」という方です。
「1ポートでもいいからとにかくコンパクトで軽量なものがいい」という方におすすめなのは、オウルテック ウルトラスリムAC充電器 65Wです。
最大65Wで1ポートのみですが、コンパクトさ・軽さはさらに優秀です。こちらの厚さはたったの12.5mm。こちらもPPS充電に対応します(5.0V-21V 3.0A)。
「コストパフォーマンスを重視したい」という方には、アイリスオーヤマ IQC-C651-Bを推します。
1Wあたりの価格は50.46円と圧倒的な安さで、サイズ・重量もCIO NovaPort SLIM 65Wと大差ありません。
CIO NovaPort SLIM 65W レビューまとめ
今回はスリムでコンパクトなUSB-C充電器「CIO NovaPort SLIM 65W」をご紹介させていただきました。
コンパクトなUSB-C充電器では、どうしても放熱性が犠牲になります。CIO NovaPort SLIM 65Wでも充電時の発熱が見られたものの、そこまで心配する必要はないと思っています。これくらい発熱するものは珍しくありません。
ただ「ノートPCなどを大型デバイスを充電するとそこそこの発熱がある」ことは知っておいたほうがいいですね。
その他のサイズ・重量・充電性能については「さすがCIO」といったところです「65Wクラス・2ポート搭載でコンパクトなUSB-C充電器を探している」という方にはぴったりです。完成度は高く、一般販売が開始されれば多くの人が選ぶUSB-C充電器になるでしょう。
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