2023年2月に発売となったHomePod(第2世代)を購入、実際に使ってみて感じたことは、
HomePod(第2世代)よりも2台のHomePod miniを買ったほうが幸せになれる人は多いかも。
というものでした。
それには主に3つの理由があります。
- HomePod(第2世代)の音質の良さを活かしきれるほど音量を上げられる環境が少ない。
- 控えめの音量では、2台のHomePod miniのほうが心地よい音の広がりを感じられる。
- HomePod miniを2台買ったほうが安く、かつ満足度も高い。
もともと、私はステレオペアを組んだ2台のHomePod mini、そしていまでは販売終了となったHomePod(第1世代)の計3台を所有していました。
2台のHomePod miniを毎日のように活用している一方で、HomePod(第1世代)の使用頻度は低く、コンセントが足りないからと電源を抜いて放置状態になっているもしばしば。
詳しくはこのあとご紹介していきますが、もし友人に「新しく発売されたHomePodとHomePod mini、どっちがいいかな?」と訊かれれば、私は「新しいHomePodを買うお金でHomePod miniを2台買ったほうが幸せになれるよ」と答えます。
もちろん、これがすべての人にとっての正解だとは限りません。あくまでもHomPodシリーズを普段から愛用するいちユーザーの感想ではありますが、購入を検討されている方の参考になればと思いご紹介させていただきます。
HomePod(第2世代)と第1世代、miniの違いを比較
新しく登場したHomePod(第2世代)、現在は販売終了している従来モデルのHomePod(第1世代)、そしてHomePod miniの違いをまとめました。
HomePod(第2世代) | HomePod(第1世代) | HomePod mini | |
---|---|---|---|
外観 | |||
発売日 | 2023年2月3日 | 2018年8月23日(日本での発売日) | 2021年11月2日 |
サイズ | 高さ:168 mm 幅:142 mm | 高さ:172 mm 幅:142 mm | 高さ:84.3 mm 幅:97.9 mm |
重量 | 2.3 kg (電源ケーブル除く) | 2.5 kg (電源ケーブル込み) | 345 g (電源ケーブル込み) |
チップ | S7 | A8 | S5 |
オーディオ | ● 4インチ高偏位ウーファー ● 5つのホーンツイーターのアレイ(各ツイーターに専用のネオジム磁石を装備) ● 自動低音補正のための低周波キャリブレーションマイクを内蔵 ● リアルタイムチューニングのための先進的なシステム検知対応コンピュテーショナルオーディオ ● 室内検知 ● AirPlayでマルチルームオーディオに対応 ● ステレオペアに対応(同世代のみ) | ● カスタムアンプを備えた高偏位ウーファー ● 7つのホーンツイーターのアレイ(各ツイーターに専用のカスタムアンプを装備) ● 自動低音補正のための低周波キャリブレーションマイクを内蔵 ● 直接音と周囲音のビームフォーミング ● リアルタイムチューニングのためのコンピュテーショナルオーディオ ● AirPlay 2でマルチルームオーディオに対応 ● ステレオペアに対応(同世代のみ) | ● フルレンジドライバとデュアルパッシブラジエータ ● リアルタイムチューニングのためのコンピュテーショナルオーディオ ● AirPlay 2でマルチルームオーディオに対応 ● ステレオペアに対応(miniのみ) |
マイク | 4つのマイク | 6つのマイク | 4つのマイク |
ワイヤレス | ● 802.11n Wi-Fi ● ゲストのアクセスを簡単にするピアツーピア検出 ● Bluetooth 5.0 ● Thread ● 近接デバイスを認識する超広帯域チップ(U1チップ) | ● 802.11ac Wi-Fi ● ゲストのダイレクトアクセス ● Bluetooth 5.0 | ● 802.11n Wi-Fi ● ゲストのアクセスを簡単にするピアツーピア検出 ● Bluetooth 5.0 ● Thread ● 近接デバイスを認識する超広帯域チップ(U1チップ) |
温度/湿度センサー | 〇 | ─ | 〇 |
Matter | 〇 | ─ | 〇 |
カラー | ミッドナイト ホワイト | スペースグレイ ホワイト | スペースグレー ホワイト ブルー イエロー オレンジ |
価格(税込) | 44,800円 | 36,080円 ※ 日本での発売当時の価格。 | 14,800円 |
製品ページ | Apple | 販売終了 | Apple |
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第2世代は「大きいHomePod mini」
HomePod(第2世代)の仕様を見ると、第1世代と比較して進化したポイントはいくつかあるものの、HomePod miniと比べるとほぼありません。
第2世代には、第1世代にはない温度センサーや湿度センサーを搭載、スマートホーム規格の「Matter」にも対応します。しかし、それらはすでにHomePod miniが対応しています。
第2世代は、第1世代からさらに進化したというよりは、単にHomePod miniのデカいのが登場した!という感じ。
大手メディアが先行レビューとしてアップしている記事には「大きく進化した」なんて書いていたりしますが、「第1世代と比較して」なんですよね。HomePod miniと比べると、サイズが大きくなりそのサイズアップぶん音質が向上しているに過ぎません。そもそも、第1世代と第2世代に音質の差はなく、「これって、どっちもいい音だよね、味付けの違いなのでは?」という印象です。
第2世代ではツイーターが7つから5つに減っていたり、マイクが6つから4つに減っていたりと、スペックダウンしている部分も見られます。ただ音質は第1世代レベルでいいですし、マイクの数が減ったことによる影響も感じられずその点は安堵しましたが、少なくとも「第2世代目なって新登場したインパクト」はありません。
外観の違い
メッシュ生地が使われた外観も変化はありません。このユニークなデザインは、個人的に気に入っているところ。ここの変更なしは大歓迎です。
HomePod(第2世代)では、上部あるタッチコントロール部分がHomePod miniと同じデザインになりました。また光る範囲が広くなっています。使い勝手の差はないようです。
第1世代・HomePod miniでは本体直付けの電源ケーブルが、第2世代では取り外し可能となっています。
いわゆるメガネケーブルで、「250V/2.5A」と表記されていました。短いメガネケーブルに変更できるのは便利ですね。ただし、付属品以外のメガネケーブルが原因で問題があった場合は保証が効かなくなってしまうのでご注意ください。
タッチコントロール部分とメガネケーブルで取り外しが可能になった部分以外は、ほぼ同じ外観です。近寄ってよく見ないと、第1世代と第2世代は見分けられません。
使い勝手の差はなし
iPhoneをかざして数ステップ進むだけで完了するセットアップ。iPhoneからiPadへ、iPadからMacへとシームレスな接続先切り替えなど。これらの便利な使い勝手はHomePod(第2世代)でも同じです。
Appleデバイスとの連携の良さは、Amazon Echoなど他のスピーカーには真似できない部分。HomePodの大きな強みです。
HomePod・HomePod miniでできることについては以下の記事でもご紹介しています。興味のある方はぜひあわせてチェックしてみてください。
3つのHomePodの音質を比較
続いては音質についての比較です。音質の良し悪しに関しては奥が深く、私はいい音を正確に聴き分けられる耳を持っているわけではありません。あくまでも一般ユーザーの感想として参考にしてください。
HomePod(第2世代)VS HomePod(第1世代)
ガチ勢でない私が聴き比べても、第2世代と第1世代とでは明らかに音の味付けが違います。
第1世代の音を初めて訊いたときは「パンチのある低音」にびっくりしましたが、第2世代では低音は少し控えめになっており、中・高音寄りにチューニングされているようです。第2世代の中・高音は非常にクリアでボーカルの声がまっすぐクリアに耳に届く感じ。
第2世代でも音量を上げれば、置いている机から振動が伝わってくるほどの低音を響かせてくれます。私にとっては第1世代の低音はパンチがありすぎというか、聴き疲れしてしまう上にお隣さんから苦情がきそうだったので、ホームアプリから「低音を減らす」を常時オンにしていました。
その点、第2世代の低音は迫力がありながらも控えめとなっています。いまのところ「低音を減らす」設定はオフでよさそうです。
また、第2世代となり中・高音域がよりクリアになり、またしっかりと分離されているため、動画視聴時には人の声が聞き取りやすくなりました。
HomePodを音楽だけでなく動画視聴にも活用したいという方は多いはず。そういう意味では、第2世代は第1世代よりも守備範囲が広くなったと感じます。
HomePod(第2世代)VS 2台のHomePod mini
第2世代 VS 1台のHomePod miniでは勝負になりませんね。第2世代の圧勝です。当然ではあるものの、音の厚み・広がり・クリアさなど、どの面を見ても第2世代の価値です。
ただ、第2世代 VS ステレオペアを組んだ2台のHomePod miniとなると、また印象が変わってきます。
2台のHomePod miniをもってしても、音質については1台のHomePod(第2世代)に負けます。第2世代の音のクリアさに素晴らしいですね!
それでも2台のHomePod miniも勝負にならないほど差をつけられているわけではありません。背後に音が回り込んでくるような感覚は、2台のHomePod miniのほうが感じられますね。音が部屋全体を漂っている感じというのでしょうか、聴いていて心地よいと感じられるのは第2世代よりもHomePod miniです。
HomePod(第2世代)よりも2台のminiをおすすめする3つの理由
冒頭でも書いたように、「HomePod(第2世代)よりも2台のHomePod miniを買ったほうが幸せに慣れる人は多いかも」と思っています。
1. 音量を上げられない環境ではポテンシャルを活かしきれない
HomePod(第2世代)の音量を上げると、部屋中に迫力のある音を響かせてくれます。音量を上げたときの音に包まれる臨場感は、他のスマートスピーカーではなかなか実現できないレベルだと感じます。
しかし、音量を上げられる環境・時間はどうしても限られてしまいます。私の環境では昼間でも音量に気を使いますし、夜間ならなおさらです。音量を上げれば、一軒家でもお隣さんとの距離によっては気を使わなくてはいけないほどパワフルな音がでます。
1台のHomePod(第2世代)でそうなのですから、もう1台購入してステレオペアでガンガン音量を上げられる環境はなかなかないのではと思います。
HomePod(第2世代)のポテンシャルを最大限に活かすには、やはりある程度音量を上げないといけません。もしあなたが私のようにガンガン音量を上げられる環境にないということなら、HomePod miniをおすすめします。
2. 音質は2台のHomePod miniも負けていない
ほどほどの音量で聴いたとき、HomePod(第2世代)と2台のHomePod miniに音質の差はさほど感じられません。むしろいい音だと感じるのは、音が部屋中に拡散し心地よいサウンドを響かせてくれる感覚がある2台のHomePod miniのほうです。
単体では音質に大きな差があるものの、2台のHomePod miniとなるとまるで印象が違います。HomePod miniでもステレオペアを組めば体験できる音質・迫力・臨場感は2倍以上です。
ちなみに、「空間オーディオ」はHomePod(第1世代/第2世代)は対応していますが、HomePod miniは対応していません。ただ、空間オーディオに興味があるのであれば、AirPods(第3世代)やAirPods Pro(第2世代)をおすすめします。
HomePod(第2世代)で空間オーディオ対応コンテンツを再生しましたが、「あー、確かに、なるほど……」という感じでそれほど感動はなく。2台揃えてステレオペアを組めばまた違ってくるかとは思いますが、「空間オーディオの効き」はAirPodsのほうが数倍体感できるかと思います。
3. HomePod miniを2台買ったほうが安い
そもそも、HomePod(第2世代)の価格は44,800円(税込)と非常に高額です。米国では299ドルと第1世代から価格据え置きですが、日本では円高の影響もあり気軽には変えない価格帯に。
HomePod miniも価格改定で11,800円から14,800円に値上げされたものの、2台買ってもHomePod(第2世代)よりは安い計算です。
音量を上げなければ音質に大きな差はない、じゃあHomePod miniを2台買ったほうがステレオサウンドを楽しめるしいいよね、という考えです。
私の場合はブログで比較したかったこともあり購入しましたが、そうでなければ間違いなく買ってません。私の環境ではフルにパワーを発揮できないですし、価格的にもお財布に優しくないですからね。
2台のHomePod miniを推します!
今回は若干ネガティブな内容となってしまいましたが、決してHomePod(第2世代)をディスりたいわけではありません。音は非常にいいですし、ものがいいのは確かです。ただ「HomePod(第2世代)のポテンシャルを持て余してしまう人が多そう」と感じたからです。
お隣さんと距離があって、気兼ねなく音量を上げられる環境なら奮発してHomePod(第2世代)を2台、というのもありですが、少なくとも私はそのような環境ではありません。
Appleストア・Apple公式サイトで買えば製品到着から14日以内なら返品・返金可能なので、とりあえず買っちゃうのもありですが、それも手間のかかる話ですからね。購入を検討されている方は、いまいちど環境を確認してみましょう。私としては2台のHomePod miniを推します!