PS5はBluetoothオーディオ接続には対応しておらず、スマホのような感覚でBluetooth接続のワイヤレスイヤホンを接続することはできません。
しかし、「Bluetoothトランスミッター」を使えば、PS5に手持ちのBluetoothイヤホンを接続できるようになります。しかも低遅延での接続を実現できます。
ということで本記事では、「PS5にBluetoothイヤホンを接続する方法」について解説します。記事内ではBluetoothイヤホンを接続する具体的な方法に加えて、気になる遅延についてもチェックしています。
Bluetoothトランスミッターはそこまで高価な製品ではないですし、導入もかんたん。PS5をお持ちの方はぜひ参考にしてみてください!
PS5にBluetoothイヤホンを接続できる?
PS5はBluetoothオーディオ接続に対応していないため、そのままの状態ではBluetoothイヤホンを接続することはできません。
そこで用意したいアイテムが「Bluetoothトランスミッター」です。
このようにBluetoothトランスミッターをPS5のUSBポートに接続すれば、すでに持っているお気に入りのBluetoothイヤホン/ヘッドホンをPS5で使用可能です。
Bluetoothトランスミッターには「USBタイプ」のほかに「3.5mmミニプラグタイプ」もありますが、本体にイヤホンジャックが搭載されていないPS5では「USBタイプ」を使います。
PS5に接続できるワイヤレスイヤホン・ヘッドホンとしてはソニー純正製品が用意されていますが、これらは非常に高価で手を出しにくい価格帯。
コスパを考えると、Bluetoothトランスミッター・手持ちのBluetoothイヤホンの組み合わせがベストです。
PS5にBluetoothイヤホンを接続する方法
それではPS5にBluetoothイヤホンを接続する具体的な方法を順を追ってご紹介していきます。
USBタイプのBluetoothトランスミッターを用意する。
Bluetoothトランスミッターといっても様々な製品がありますが、今回私はUGREEN(ユーグリーン)の製品を購入しました。
- USB型のBluetoothトランスミッター
- Bluetooth 5.3対応
- SBC/aptX/aptX Adaptive/aptX HDのコーデックに対応。
- アナログマイク付属
高音質と低遅延に期待できるBluetoothコーデック「aptX Adaptive」への対応がポイント。最近ではaptX Adaptiveに対応するBluetoothイヤホンがたくさん販売されています。
実際の使用感については遅延の検証部分でご紹介していますが、私は本製品に満足しています。接続安定性は問題ないですし、価格的にも選びやすいラインです。
BluetoothトランスミッターをPS5のUSBポートに接続する。
用意したBluetoothトランスミッターをPS5のUSBポートに接続します。
上では前面のUSB-Aポートに接続していますが、背面のポートを使用してもOKです。
ハブやアダプタを使用してPS5のUSB-Cポートに接続することも可能です。
BluetoothイヤホンとBluetoothトランスミッターをペアリングする。
UGREEN製Bluetoothトランスミッターの場合、以下の手順でBluetoothイヤホンとペアリングできます。
- PS5に接続するとトランスミッターが自動的にペアリングモードになる(LEDが青と赤の高速点滅)。
- 手持ちのワイヤレスイヤホンをペアリングモードにし、接続されるのを待つ。
- ペアリングに成功するとLEDがゆっくりと白点滅。
他社製Bluetoothトランスミッターでもペアリング手順はほぼ同じかと思います。
PS5の音声出力でBluetoothトランスミッターを選択する。
ペアリングが完了したら、PS5の「設定」>「サウンド」>「音声出力」と進み、出力機器に接続したBluetoothトランスミッターが選択されているかを確認します。
これで接続は完了。ペアリングしたBluetoothイヤホンからPS5の音が聞こえているはずです。
気になる遅延は?Bluetoothイヤホンで快適にプレイできる?
音質や遅延に関しては「どのBluetoothコーデックで接続されているか」が大きく関わってきます。ここでは異なる3つのBluetoothコーデックで接続し、遅延の程度をチェックしてみました。
あくまでも主観的な意見ですが、先に結論を書くと、
- aptX Adaptive接続 : 遅延は気にならず快適にプレイできる。
- aptX接続 : わずかな遅延はあるが、ゲームによっては快適にプレイできる。
- SBC接続 : 気になるほどの遅延がある。
このような結果となりました。
遅延を感じない「aptX Adaptive接続」
私が購入したUGREEN製Bluetoothトランスミッターは、SBC/aptX/aptX Adaptive/aptX HDの4つのコーデックに対応します。このなかでもっとも低遅延とされているのが「aptX Adaptive」です。
私がよく使っているBluetoothヘッドホン「Bose QuietComfort Ultra Headphones」はaptX Adaptiveに対応しています。UGREEN製Bluetoothトランスミッターと組み合わせると、ゲーム・動画視聴を遅延を感じることなく楽しめます。
私はPS5で動画視聴することが多いのですが、口元と音声のズレは感じずいたって快適です。遅延が気になる方でも満足できるはず。
最近ではaptX Adaptiveに対応するBluetoothイヤホン/ヘッドホンが多く販売されているので、もしこれから購入される方はaptX Adaptiveに対応するイヤホン/ヘッドホンを選べばPS5でも活躍してくれるでしょう。
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ちなみにUGREENのBluetoothトランスミッターの場合、どのコーデックで接続されているかをLEDの色で確認できます。
- SBC : 青
- aptX : 黄
- aptX Adaptive : 緑
- aptX HD : 紫
ワイヤレスイヤホンが複数のコーデックに対応している場合は、Bluetoothトランスミッタのボタンを押すことで使用するコーデックを切り替えられます。
「aptX接続」はやや遅延を感じるがゲームによっては問題なし
続いてはaptX接続で遅延の程度をチェックしてみました。
aptX接続に対応する「SHURE RMCE-BT2」という製品を使用し検証してみると、注意深く耳を澄ませるとやや遅延があるものの、ゲームによっては快適にプレイできる程度だと感じました。
この遅延を許容できるかできないかは、正直なところ微妙なライン。おそらく大多数の方は私と同じで気にならないかと思いますが、なかにはどうしても気になってしまう方もいるかもしれません。
多くのBluetoothイヤホンがaptX接続に対応します。まずは試してみて許容できるかを確認してみてください。
「遅延はできる限り少ない方がいい」ということなら、aptX Adaptive接続に対応するBluetoothイヤホン/ヘッドホンの用意をおすすめします。
「SBC接続」は気になるレベルの遅延がある
最後にSBC接続でチェックしてみました。
AirPodsはSBC/AAC接続に対応するのですが、UGREENのBluetoothトランスミッターはACCに対応しないため必然とSBC接続になります。
その結果、SBC接続では気になるレベルの遅延があると感じました。私の感覚では、ゲームや動画視聴用途では厳しいですね。動きのあるアクション系のゲームだと音ズレが気になりストレスに感じます。
PS5にBlutoothイヤホンを接続するなら、少なくともaptX接続、できればaptX Adaptive接続に対応するイヤホンとトランスミッターがおすすめです。
PS5にBluetoothイヤホンを接続する方法まとめ
ということで、今回はPS5に手持ちのワイヤレスイヤホンを接続する方法をご紹介させていただきました。
私の場合、PS5で遊ぶときはご紹介したUGREENのBluetoothトランスミッターとBose QuietComfort Ultra Headphonesの組み合わせがほぼ。aptX Adaptive接続が可能なので遅延を感じることなく快適にプレイできています。
このワイヤレスヘッドホンは高価で手を出しにくいですが、aptX Adaptive対応のワイヤレスイヤホン/ヘッドホンは比較的買いやすい価格帯でも販売されています。
Bluetoothトランスミッターはご紹介したUGREENのBluetoothトランスミッターでOKでしょう。クリエイティブメディアの「BT-W3X」や「BT-W4」も有名どころですが、品薄状態なことが多いですし価格帯も上がります。コスパ面で見ても本製品がおすすめです。
よくある質問
PS5に有線イヤホン/ヘッドホンを接続する方法は?
PS5のコントローラー(DualSense)に搭載されている3.5mmステレオミニジャックを使うことで、有線イヤホン/ヘッドホンを接続できます。
PS5本体とコントローラー間はワイヤレスで接続されているため、正確には有線接続ではありませんが、音の遅延は非常に少なく快適にゲームや動画視聴を楽しめます。
PS5にUSBタイプの有線イヤホン/ヘッドホンを接続できる?
できません。
PS5は、USBでオーディオ接続する際に使われる標準規格「USB Audio Class 1.0(UAC1)」に対応しますが、これは20年以上も前に登場した非常に古い規格。
UAC1対応のUSB DACやDAC内蔵の有線イヤホン/ヘッドホンであれば接続できるため、厳密には「接続可能」ではあるのですが、いまではUAC1のみ対応の製品はほとんど見かけません。それよりも新しい「USB Audio Class 2.0(UAC2)」に対応するものがほとんどです。
例えばApple純正の有線イヤホン「EarPods(USB-C)」をPS5に接続してもイヤホンとして認識してくれません。
他サイトでは「USB-AやUSB-Cの有線イヤホン/ヘッドホンで接続可能」と書かれていることが多いのですが、これは必ずしもそうではないのででご注意ください。
PS5 & Bluetoothイヤホンで可能な限り遅延を抑えるには?
可能な限り遅延を抑えるには、以下の選択肢が有効です。
- aptX Adaptive接続対応のBluetoothトランスミッター&イヤホン/ヘッドホン
- aptX LL(Low Latency)接続対応のBluetoothトランスミッター&イヤホン/ヘッドホン
本記事ではaptX Adaptive接続対応のBluetoothトランスミッターをご紹介させていただきましたが、より低遅延のaptX LL接続に対応するものを用意するのも有効です。
ただaptX LL接続対応製品が少ないことと、実際にaptX LLとaptX Adaptiveで聴き比べてみても遅延の程度に差は感じられませんでした。
基本的には低遅延かつ選択肢の多いaptX Adaptive接続対応のBluetoothトランスミッターとイヤホンの組み合わせがおすすめです。
aptX Adaptive接続と有線接続で、遅延の程度にどれくらいの差がある?
遅延の程度に判別できるほどの差はありませんでした。
- aptX Adaptive接続対応のUGREEN製Bluetoothトランスミッター&Bose QuietComfort Ultra Headphones
- コントローラーに有線イヤホン接続
この2つで差があるかを確認しましたが、どっちがどっちかを判別できるほどの差はありませんでした。aptX Adaptive接続 = 有線並みの遅延の少なさという認識で問題ないでしょう。
BluetoothトランスミッターはPS5以外でも使える?
使用できます。
私はBluetoothトランスミッターをPS5からSwitchに差し替えて遊ぶことがよくあります。ペアリングが済んでいれば挿し替えるだけです。
またパソコンでも使えますし、PS4でも同じように使用できます。
AirPodsを接続することはできる?
Apple純正イヤホンのAirPodsも、他のイヤホンと同じようにBluetoothトランスミッターを介してPS5に接続可能です。
- AirPodsをペアリングモードにする。
- AirPods 1/2/Pro ⇒ 充電ケースの蓋を開けた状態でケース背面の設定ボタンを5秒長押し
- AirPods 4 ⇒ 充電ケースの蓋を開けた状態でケース正面をダブルタップ
- PS5に接続したBluetoothトランスミッターをペアリングモードにする。
ただし、AirPodsが対応するコーデックはSBCとAACとなります。特にSBC接続だと遅延が気になる場合があるのでご注意ください。
3.5mmステレオミニプラグ型のBluetoothトランスミッターは使える?
使えます。
例えばTwelve Southの「AirFly SE」は、3.5mmステレオミニジャックに接続できるBluetoothトランスミッター。
PS5本体には3.5mmステレオミニジャックはありません。コントローラーのDualSenseに接続して使用することも可能ですが、音の遅延を考えるとテレビやモニターに接続して使用するのがいいでしょう。
UGREENのBluetoothトランスミッターの接続安定性は?
私の環境では音が途切れたりノイズが入ったり接続が不安定になることはありません。
ただ、Bluetoothの接続安定性は環境に大きく左右されます。接続が不安定な場合は、近くのBluetooth機器を遠ざけるか、より接続安定性の高いBluetooth 5.3規格対応のワイヤレスイヤホンを用意することで解決する場合があります。