本記事では、「iPadの充電が遅い」「iPadの充電時間を短縮したい」という方に向けて、
- iPadの充電が遅い原因
- iPadを高速に充電し充電時間を短縮する方法
この2点について解説します。
「iPadの充電が遅いなぁ、もうちょっと速く充電する方法はないのかな?」
このような方はぜひ本記事を参考にしてみてください!
iPadの充電が遅いのはなぜ?
iPadの充電が遅い原因は、充電器の出力不足にある可能性が大です。「iPadの充電が遅い」と感じる場合は、使用中の充電器の出力(充電性能)を確認してみましょう。
あまり気にせず適当な充電器を使ってしまっている、ということなら充電器を見直すことで充電時間を短縮できる可能性があります。
充電が遅い原因は「充電器」にある可能性大
充電器の出力不足というのは、要するに充電器の充電性能が足りていないということ。
大きいバッテリーを搭載するiPadを十分な速度で充電するには、充電器にある程度の充電性能が必要です。
充電器電器の充電性能は対応する「ワット(W)数」でみることができます。
上は、一部のiPadにも付属されている「Apple 20W USB-C電源アダプタ」です。本体に小さく「20W」と書かれているのですが、この対応ワット数が高いほど高速に充電でき、逆に低いと遅くなります。
Apple 20W USB-C電源アダプタと、過去にiPhoneに付属されていた「Apple 5W電源アダプタ」それぞれでiPadを充電したとき、充電速度にどれくらいの差がでるのかを確認してみました。
iPad Air(第4世代)を充電 | 充電開始 | 30分経過 | 増加(30分) |
---|---|---|---|
Apple 5Wアダプタ | 12% | 17% | 5%アップ |
Apple 20Wアダプタ | 11% | 38% | 38%アップ |
20Wと5Wの充電速度の差は一目瞭然。このようにiPadの充電に適切な充電器を使用することで、iPadの充電速度を向上させることができます。
20Wより大きいワット数に対応する充電器を用意することで、さらに高速にiPadを充電することも可能です。詳しくは記事後半の「充電時間を短縮する方法」で解説していますので、あわせてチェックしてみてください。
USBポートによって充電性能が違うことも
複数のUSBポートを搭載する充電器の場合、USBポートによって充電性能に違いがあることがあります。
「期待していたほど充電速度がでない」という場合は、お手元の充電器・USBポートの仕様をチェックしてみましょう。
充電器によっては、複数ポート同時使用時のワット数が極端に落ちるものもあります。
ちなみに、iPadのバッテリーアイコンが表示される部分に「充電停止中」と表示される場合も充電器、あるいはUSBポートの出力不足である可能性大です。
「充電停止中」の表示は、パソコンのUSBポートやUSBハブを介してiPadを充電したときによく見られます。
パソコンでも使用するUSBポートによって充電性能が異なる場合があるので注意です。
充電ケーブルも盲点になりやすいポイント
使用している充電ケーブルの充電性能がボトルネックとなり、充電速度が遅くなってしまっている可能性もあります。
Lightnigコネクタを搭載するiPadの充電には、Apple純正ケーブルまたはMFi(Made for iPhone/iPad/iPad)認証を取得したケーブルの使用が推奨されています。
見た目では違いが分かりにくい充電ケーブルですが、充電ケーブルによって充電性能に差があります。
そこで「MFi認証済みかどうか」が目印になります。価格帯の低い充電ケーブルを使って充電速度が遅くなってしまっているパターンはよくあります。充電器と一緒に充電ケーブルも確認してみましょう。
なおMFi認証を気にしておく必要があるのはLightningコネクタ搭載のiPadのみです。USB-Cケーブルの場合は気にしなくてもOKです。
その他の考えられる原因
充電器や充電ケーブルを適切なものに交換しても充電速度が改善しない場合は、以下の点を確認してみてください。
iPadの充電が遅い原因は充電器・充電ケーブルにある場合がほとんどですが、まれにその他に原因があることがあります。
1. バッテリー保護の制御が働いている
iPadのバッテリー残量が80%を超えるあたりから充電速度が緩やかになります。これが「充電が遅い」と感じる原因となっていることもあります。
これは異常ではなく、バッテリーへの負荷を軽減するためのiPadOSの仕様で正常な動きです。
2. ソフト的な不具合
バッテリー残量表示の挙動がおかしいと感じたら、iPadを再起動して正常に戻るかを確認します。
- 【ホームボタン非搭載のiPad】トップボタンと音量ボタンの片方を同時に長押し
- 【ホームボタン搭載のiPad】トップボタンを長押し
iPadがフリーズしていたりして上記の方法で再起動できない場合は、「強制的に再起動」します。
- 【ホームボタン非搭載のiPad】
- 音量上げるボタンを押してすぐにはなし、
音量を下げるボタンを押してすぐにはなしてから、
トップボタンをAppleロゴが表示されるまで長押し
- 音量上げるボタンを押してすぐにはなし、
- 【ホームボタン搭載のiPad】
- トップボタンとホームボタンをAppleロゴが表示されるまで同時押し
3. バッテリーの劣化
iPadが搭載するリチウムイオンバッテリーは、充電と放電を繰り返していくうちに劣化し、蓄えられる電力が徐々に減っていきます。劣化が進むと充電速度が遅くなったり、充電できなくなってしまったりということが起こります。
バッテリーが劣化してくると、iPadが表示するバッテリー残量が急激に増えたり減ったりと不安定になることも。
M2/M4チップ搭載のiPadの場合、iPhoneと同じように「設定」>「バッテリー」>「バッテリーの状態」からバッテリー最大容量を見ることで劣化具合を確認できます。
それよりも前のiPadの場合は、「iPadのバッテリー最大容量を確認する方法」をご覧ください。
だいたいバッテリー最大容量が70%以下となったあたりから不具合が出てくることが多いです。バッテリーの劣化が進んでいる場合は、新品バッテリーへの交換を検討してみてください。
4. バッテリーの過放電
バッテリー残量がゼロの状態で長く放置してしまうと、「過放電」となってしまい、次回充電に数時間の時間がかかってしまう、またはバッテリーが完全にダメになってしまうことがあります。
iPadに充電器を接続して最初は反応がなくても、数時間充電し続けると復活することがあります。まず充電し続けてみて様子を見ましょう。
5. バックグラウンドで動作中のアプリ
バックグラウンドで動いているアプリがバッテリーを消費していると、充電速度が遅いように見えることがあります。
6. iPadが高温または低温になっている
Appleによると、iPadは周辺の温度が0°〜35°の場所での使用が想定されているとのこと。また、マイナス20°〜45°の場所に保管してくださいとあります。
iPadが高温または低温になりすぎていると、デバイス保護のために充電を含め一部の機能が停止することがあります。
極端な温度環境下での充電はバッテリーの劣化に繋がります。 iPadが高温・低温になっているときは、環境を変えてiPadの温度が落ち着くのを待ちましょう。
iPadの充電時間を短縮する方法
大きいバッテリーを内蔵するiPad充電するには、どうしてもスマホより時間がかかります。
しかし、急速充電に対応した充電器・充電ケーブルを用意することで、iPadの充電時間を大幅に短縮できます。
iPadは急速充電「USB PD」に対応
iPadは「USB Power Delivery(以下USB PDと記載)」という急速充電規格に対応しています。USB PDに対応する充電器を用意することで、iPadの充電時間を短縮できます。
- iPad(第8世代以降)
- iPad mini(第5世代以降)
- iPad Air(第3世代以降)
- 11インチ/13インチiPad Air(M2)
- 10.5インチiPad Pro
- 11インチiPad Pro(第1世代以降)
- 11インチiPad Pro(M4)
- 12.9インチiPad Pro(第2世代以降)
- 13インチiPad Pro(M4)
USB PDによる急速充電は、iPadだけでなくiPhoneやAndroidスマホ、ノートPCなど多くのデバイスが対応します。USB PDに対応する充電器を用意すれば、iPad以外の充電にも大活躍してくれるでしょう。
30W以上の充電器で充電時間を大幅に短縮できる
USB PD対応に対応しかつ30W以上の出力が可能な充電器を用意すれば、それを使ってiPadをフルスピードで充電できます(iPad Pro 12.9/13インチiPad Proは45W以上)。
上では最大30Wに対応する充電器「Anker 511 Charger (Nano 3, 30W)」iPad(第10世代)を充電しています。
iPad(第10世代)を充電してみると、20Wを超えるワット数で高速に充電できていることが分かります。
Anker 511 Charger (Nano 3, 30W)は、iPadと一緒に持ち運びでき、かつ高速に充電できる充電器として個人的にも気に入っています。
もちろんUSB PD・30W以上の充電器なら他のものでも高速に充電できます。もしお手元にあればそれを使ってiPadを充電してみましょう。「iPadにおすすめの充電器」で詳しくご紹介しているので、お探しの方は参考にしてください。
原因と対処法まとめ
本記事では、iPadの充電が遅い原因と対処法、そしてiPadで活用したい急速充電について解説しました。
iPadの充電が遅い原因は、充電器の出力不足にあることがほとんどです。イレギュラーな原因で充電が遅くなってしまっていることもなくはないですが、経験上、その可能性としては低いかと思います。
紹介してきたように、USB PDに対応する充電器を用意することでiPadの充電速度を大幅に短縮できます。必要なときにサクッと充電できるので、「持ち出したいときにバッテリー残量がない」ということが確実に減ります。ぜひ参考にしてみてください!
よくある質問
- iPadの充電が遅いのはなぜ?考えられる原因は何ですか?
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iPadの充電が遅い原因は、「充電器の充電性能の低さ」にある可能性が大です。
iPadの充電が遅いと感じたら以下の点を確認してみてください。
- USB-Aの充電器を使っていませんか?
- パソコンのUSBポートでiPadを充電していませんか?
- iPadのバッテリーが劣化していませんか?
- 熱いもしくは寒いなど、極端な温度環境で充電していませんか?
- iPadの充電が遅い原因は充電器以外に何がありますか?
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- バッテリー保護の制御が働いている(バッテリー残量80%を超えると充電速度が抑えられる)
- iPadのソフト的な不具合(再起動などを試す)
- バッテリーの劣化
- 充電ケーブルの要因(交換して様子をみる)
このような原因が考えられます。
- iPadを高速に充電できる方法を教えてください。
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「20W以上のUSBポートを搭載する充電器」を使えば、iPadを高速に充電できます。また、30W以上の充電器を用意すればiPadをフルスピードで充電できます(iPad Pro 13/12.9インチは45W以上)。
- iPadの充電にはApple純正充電器を使ったほうがいいですか?
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Apple以外のサードパーティ製充電器でiPadを充電しても何ら問題ありません。iPadの充電には以下のポイントを押さえて充電器を選びましょう。
- USB Power Deliver(USB PD)に対応するUSB-C充電器
- 少なくとも20W以上のUSB-C充電器
- iPadをフルスピード充電するなら30W以上のUSB-C充電器